マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
36 巻 , 3 号
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巻頭言
論文
  • 岸 志津江
    2017 年 36 巻 3 号 p. 6-22
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    IMCが提唱されてから四半世紀が過ぎ,研究と実践は新興国を含む非英語圏にまで拡大した。その概念は①視聴覚要素の一貫性を目指す戦術的統合から②知覚イメージの統合,③ITの活用,④財務指標を重視する戦略的ビジネス・プロセスへと進化した。この背景にはダイレクト・マーケティングの発展と,関係性マーケティングやブランド・エクイティ,消費者知識などに関する研究の進展があり,さらにはIMCケイパビリティ等の組織能力や資源を組み込んだIMCの統合的枠組みも提唱されるようになった。一方,実務においてはメディア・プランニングを中心にした変革が進み,教育においては伝統的なプロモーション・ミックスに留まるような齟齬も生じている。立場の相違により重視点が異なることを所与としても,個々の構成概念を明確にし,プランニングの要となる目標設定と評価方法等を精緻化する必要があるだろう。

  • ― オフラインとオンラインにおけるインタレストグラフの役割 ―
    澁谷 覚
    2017 年 36 巻 3 号 p. 23-36
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    昨今のソーシャルメディアを巡る議論では,ソーシャルグラフを見切り,インタレストグラフを再評価する論調が見られる。そこで本稿では,まず「オンライン/オフライン」および「ソーシャルグラフ/インタレストグラフ」という2つの軸から構成されるマトリクスによって個人間コミュニケーションを分類し,各領域におけるコミュニケーションの特性を概観した上で,インタレストグラフ側の2領域における個人間コミュニケーションを改めて比較しながら,インタレストグラフの役割について議論する。なお本稿では,インタレストグラフを介したコミュニケーションとは,すなわち面識のない人々の間のコミュニケーションと捉える。そこでオフライン×インタレストグラフの領域についてはうわさや流言に関する先行研究を,オンライン×インタレストグラフの領域については潜伏者に関する先行研究を参照しながら,人は見知らぬ他者とどの程度コミュニケーションを行うか,について検討する。結論として,ほとんどの人々にとってのインタレストグラフの役割とは情報取得の手段であること,マーケター側が情報を拡散するためには,オンラインのインタレストグラフとソーシャルグラフ,およびオンラインとオフラインのソーシャルグラフを適切に組み合わせることが必要であること,を述べる。

  • ― セルフ・エフィカシー理論の適用 ―
    香川 勇介, 真野 俊樹
    2017 年 36 巻 3 号 p. 37-50
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本論文の目的は,医療サービスにおける予防的コミュニケーションの成功要因を整理し,実証分析のための枠組みを作ることである。予防的コミュニケーションに関して関連する理論を渉猟して検討した結果12の仮説が得られた。そのうちの3つの仮説に対して探索的に実験を行った。結果として,①セルフ・エフィカシーを高められるメッセージであればあるほど,予防的コミュニケーションは成功しやすい,②セルフ・エフィカシーを高めるメッセージの場合,ゲイン・フレームより,ロス・フレームのメッセージが有効である,③セルフ・エフィカシーを高めるメッセージの場合,ゲイン・フレームより,ロス・フレームのメッセージの方が,行動変容ステージを促進しやすい,が支持された。医療サービスにおける予防的コミュニケーション成功のためにセルフ・エフィカシーを高めることの有用性が示唆された。

  • 高田 敦史, 田中 洋
    2017 年 36 巻 3 号 p. 52-70
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本論文の目的は,トヨタ自動車が1989年から販売しているレクサス(Lexus)が,ラグジュアリーブランドとしてどのような位置にあるかをケース分析によって明らかにし,ラグジュアリーブランドの新しい視点を提示することにある。世界のラグジュアリーブランド市場は近年大きな成長を遂げ,伝統的なラグジュアリーブランドとは異なるマーケティング戦略が実践されるようになった。現存のラグジュアリーブランドの特徴をブランド側,顧客側の両視点に分解してまとめてみたが,レクサスはこれらの特徴の全てを満たしているわけではないことが分かった。レクサスの成功は「ラグジュアリーブランドのパラドックス」を解決しつつ,先端的なモノづくりや顧客体験の創造をベースとした新しい「スマートラグジュアリーブランド」に属すると考えられた。つまりレクサスはラグジュアリーの新たな形を提示していると結論づけた。

  • ─ ブランドの基本解明課題への接近 ─
    田中 洋, 六角 まり
    2017 年 36 巻 3 号 p. 71-87
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本論文の目的は,交換という視点からブランドの基本的な働きを解明することにある。本論で扱う問題は以下の2つである。(1)ブランドは交換の過程においてどのように機能し,独自のブランド価値を生じるのか。(2)現代においてブランドはどのように生成してきたのか。ブランドは交換に伴う本質的な困難を解決する有力な方法のひとつとして在り,6つの異なった価値体系同士の差異を通して価値を産みだしている。こうしたブランド力を産み出す差異の源泉のひとつとして,20世紀に入りイノベーションが機能するようになった。ブランドが成立するのはイノベーションの後の過程でイノベーションの存在が忘却されるというメカニズムがあるからである。最後に実務的インプリケーションについて論じる。

取材レポート
テーマ書評
  • 中川 正悦郎
    2017 年 36 巻 3 号 p. 133-143
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    消費者が製品・サービスの購買時に選択代替案のそれぞれに利点と欠点があるため,選択に迷うことは一般的なことである。このような意思決定におけるコンフリクトは消費者の意思決定過程や選択に対して様々な影響を与えることが指摘されている。それゆえ,効果的なマーケティング活動を行うためには,それらの影響について理解することが重要であると考えられる。そこで,本稿では,消費者の意思決定におけるコンフリクトに焦点を当て,その影響について「目標のコンフリクト」「選択代替案間のコンフリクト」「選択代替案内のコンフリクト」という3つの視点から先行研究の整理を行う。そのうえで今後の研究課題を提示する。

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