本研究では, インハウスデザイン組織を持つ日本の大企業のべ80社が参加して, 統一的な質問紙を用いた各社内での活動評価調査を4年間にわたって実施した。筆者らはすべてのデータを集計し, 主成分分析をした結果, インハウスデザイン組織の機能・役割を表象する7つの成分を抽出することができた。彼らはこの調査システムと抽出された成分をD-KPIと命名し, すべての企業に対して自由かつ無料での参加が可能になるよう開放された持続的なプログラムとして運営している。このような体制を土台にして, 彼らがD-KPIデータと企業業績データの関係を慎重に探求した結果, 「提案力・情報提供」成分について, 企業業績に対するポジティブな相関関係が確認された。インハウスデザイン組織が, 高い水準で「提案力・情報提供」成分についての評価を獲得している企業は, その翌年に高い水準のROEを実現する可能性が高いことが検証された。より詳細にこの相関関係を検証した結果, ROEと「提案力・情報提供」成分は互いに高めあう相乗効果を持っていると推察された。さらに, インハウスデザイン組織が伝統的な狭い意味の「デザイン」を超えて, 広い意味の「デザイン」を実践する組織へと変化する過程にあることも実証的に検証された。
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