計量国語学
Online ISSN : 2433-0302
Print ISSN : 0453-4611
32 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文B
  • 日本語教育のためのリーダビリティと語彙レベルの分布を中心に
    李 在鎬
    原稿種別: 論文B
    2019 年 32 巻 3 号 p. 147-162
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2020/12/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,「現代日本語書き言葉均衡コーパス」(BCCWJ: Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese)に含まれている教科書データ412件について日本語教育のためのリーダビリティと語彙レベルの分布を計量的に分析した.分析の結果,次の4点が明らかになった.1)学年が上がるに従って,日本語教育的観点からみた文章の難易度も上がっていくこと,2)小1~高校までの10学年は,5つのグループに分けられること,3)「社会」や「数学」や「理科」などは比較的難しい文章で構成されているのに対して,「国語」や「芸術 」などは比較的読みやすい文章で構成されていること,4)初級語彙は学年が上がるに従って,減少していくのに対して,中級語彙は増えていく傾向が見られたことである.こうした計量的分析結果は,年少者日本語教育の教科学習における日本語指導の範囲を決めるための基礎資料になると考えられる.
書評
解説
  • 松田 謙次郎
    原稿種別: 解説
    2019 年 32 巻 3 号 p. 173-187
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2020/12/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,質問票調査の海外での動向を,Dollinger(2015)に依拠しつつまとめた.質問票調査は19世紀後半のヨーロッパにおける方言学の勃興とともに,面接法と並んで使われ始めた調査法である.アメリカに伝播後,面接法はその後主要な方言調査で採用された一方,質問票調査法は副次的な位置づけをされることになった.自然談話を重視する変異理論の興隆とともに,1970年代以降この傾向は一層強くなった.ヨーロッパやカナダでは調査票調査は有力な調査法として使われ続け,1990年代以降のカナダにおける一連の社会方言学的研究によって,質問票調査は再評価されるに至った.海外の質問票調査が提起する問題として,質問票調査で可能な言語学的レベルの問題,成年後採用(Boberg 2004),地域性指標(RI)(Chambers and Heisler 1999)についても解説し論じた.
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