近年,自動車はCASE領域(コネクテッド技術,自動運転技術や電動化技術)での進化が著しく,ソフトウェアが自動車の価値に大きな影響を与えるようになってきた。更に,通信技術やITシステムの進歩により,既販車に対してソフトウェアを更新できるようになり,それによりお客様に最新の機能/性能を提供することが可能となってきている。
マツダでは,スモール商品群から出荷前の工場や出荷後の市場において,品質よくソフトウェア更新を行う基盤を整えている。そして,2021年9月にはソフトウェア更新による既販車の性能向上を行う「MAZDA SPIRIT UPGRADE D1.1」のサービスを開始した。その後,UN-R156 Software update and software update management system(以降,UN-R156)が施行されたことに伴い,法規としてもソフトウェア更新の確実な実施と管理が求められるようになったため,スモール商品群で構築したプロセス及びITシステムを拡張し,UN-R156の能力証明書及び,型式認可を取得した。
本稿では,上記のマツダにおける車載ソフトウェア更新に関する取り組みと,UN-R156対応に向けて構築したプロセス及びITシステムを紹介する。
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