廃棄物資源循環学会誌
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25 巻 , 2 号
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巻頭言
特集:容器包装リサイクル法の論点と展望
  • ――実現可能性を踏まえた拡大生産者責任の適用を中心として――
    大塚 直
    2014 年 25 巻 2 号 p. 101-107
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    拡大生産者責任 (EPR) を踏まえつつ,容器包装リサイクル法の主要課題に対する対処の方向性を検討した。第 1 に,発生抑制の強化があげられるが,これについては,主務大臣による判断基準の強化,個々の事業者の再商品化委託料について,ドイツやフランスのように環境負荷の観点を入れた算定をすることが重要である。第 2 に,ただ乗り事業者対策として,再商品化委託料を支払ったことを示すグリーンドット制度を導入することが重要である。第 3 に,選別に関して,市町村による分別収集と特定事業者による選別保管の作業が一部重複している問題に対しては,社会的コストの削減のため,両者を一体化しつつこれを特定事業者に行わせることが考えられる。第 4 に,特定事業者集団からの市町村に対する現行の拠出金制度は構造上持続可能なものではなく,すでに拠出金総額が激減していることから法改正が是非とも必要である。第 5 に,資源の有効利用,環境負荷低減,社会的コストの低減のため,マテリアルリサイクル向けの資源とケミカルリサイクル向けの資源の区別,選別の技術的高度化,マテリアルリサイクルの残渣をケミカルリサイクルに活用することが必要となる。
  • 中井 八千代
    2014 年 25 巻 2 号 p. 108-115
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    容器包装の 3R を進める全国ネットワークは,2006 年の容リ法改正から 5 年後の見直しに向けて活動を再開し,2011 年の国会での請願採択を機に,プロジェクトチームをつくり,2012 年 7 月に改正市民案 (第一次) をまとめた。全国の 3R 政策地域研究会からの提言や,EPR をテーマに開催した国際フォーラムからの示唆を受け,2013 年 4 月に改正市民案 (第二次) を作成した。EPR の原点に立ち責任分担を見直す,リサイクル優先からリデュース・リユース優先のシステムへ転換することなどが内容である。普通の市民の心理を探るデプスインタビュー調査では, 「3R」 が浸透定着していないこと,商品選択は経済性で,分別排出の場所は利便性で選んでいることなどがわかった。今年度末にはさらにブラッシュアップを重ね,最終案をまとめる予定である。2013 年 9 月,見直しのための審議会が始まり,EPR の徹底を提案する市民団体・自治体 vs. 事業者の対立の構造が鮮明となっているが,真摯な議論を期待したい。
  • 上山 静一
    2014 年 25 巻 2 号 p. 116-123
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    小売業は容器包装の環境対策としてレジ袋の有料化による大幅な発生抑制を実施している。また,イオングループ (G) は,加えてレジ袋素材のバイオマス化を実現している。私が参加したステークホルダー会議では望ましい主体間の役割分担の評価軸は「社会的費用の削減効果」と「各主体に対する自己変革促進効果」であると確認された。世界ではコンシューマ・グッズ・フォーラムが「サステナブルなパッケージ設計」のガイドラインを示し,トリプル・ボトムラインの視点で,これからの容器包装のあり方を提唱した。小売業の役割は「内容物の保護」等,容器包装の三大機能を守りながら環境配慮設計を推進し,消費者への情報発信と連携を強化していくことである。英国の WRAP は自治体・企業・消費者と連携し環境配慮設計と軽量化を推進している。日本は連携のあり方について参考にすべきである。最後にアジアでの課題設定と問題解決の必要性と CSV の導入等, 3 点の提言をする。
  • 熊谷 将吾, 吉岡 敏明
    2014 年 25 巻 2 号 p. 124-132
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    私達の生活を支えるプラスチック製品は,石油化学技術の発展に伴い日に日に便利になり,その性状は多様化し続けている。現行の容器包装リサイクル法 (以下,容リ法) では,手法の優位性 (材料リサイクル > ケミカルリサイクル > エネルギー回収) により落札の優劣が付いているが,今後,物質資源をより効率良く循環するためには,廃プラスチックの性状に応じて適切な手法を選択する必要がある。また,十分な廃プラスチックを確保するために,リサイクル施設から遠く離れた地域の廃プラスチックを落札・搬送しているケースも多く,リサイクルとは関係のない無駄なエネルギーが消費されている。本稿では,まずはじめに,プラスチックの特性,各リサイクル手法の現状,油化を例としたケミカルリサイクルの現状を報告した。その上で,今後のプラスチックリサイクルのあるべき姿として,地域循環型の容リ法システムを提案し,その意義と実現可能性について述べた。
  • 本田 大作
    2014 年 25 巻 2 号 p. 133-136
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    プラスチック製容器包装のリサイクル法の施行から約 14 年が経過し,今回の法改正にて,資源循環をさらに推進させる観点から,容器包装リサイクル制度を抜本的に見直し,さらに効率化と高度化を目指した材料リサイクルが求められている。効率化と高度化を目指すために,自治体が,プラスチック資源として,容器包装プラスチックと製品プラスチック等を一括回収する制度の創設と,回収されたプラスチック資源を光学選別機等で樹脂別に選別する高度選別施設への委託を自治体の判断により選択し,大臣認定を得られれば,容器包装プラスチックのみ特定事業者の費用負担でリサイクルできる地域コンソーシアム制度の提言を行った。これら新たな材料リサイクル制度の実現により,家庭から排出される貴重なプラスチック資源を有効に活用できるだけでなく,自治体の費用負担低減と高度な材料リサイクルの推進が期待される。
  • 山川 肇
    2014 年 25 巻 2 号 p. 137-144
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    家庭系容器包装廃棄物の排出見込み量について,品目別およびプラスチック製容器包装については業種別にその動向を検討し,排出量が 2006 年改正前の量に戻りつつあること,プラスチック製容器包装については,小売業の大幅な減少にもかかわらず全体として 2006 年当時の量を超えている可能性もあることを指摘した。そこで生産者の発生抑制の取り組みを推進する施策として,① 業種別の発生抑制計画・削減目標の設定と ② 生産者責任の拡大を取りあげて検討した。① では容器包装多量利用事業者の対象業種の拡大,および容器包装リサイクル法基本方針等への自主行動計画の組み込みと発展を,② では合理化拠出金制度を合理的で効率的な分別収集・選別保管費用の一定部分に基づいて拠出する方式に改正することを,それぞれ提案した。あわせて自治体の分別収集・選別保管費用の測定に関連して,一般廃棄物会計基準制定以降の取組状況を整理した。
入門講座/廃棄物資源循環のための理化学基礎講座 4
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