廃棄物資源循環学会誌
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25 巻 , 3 号
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巻頭言
特集:化粧品および医薬品の安全管理と 3R
  • 川嵜 幹生
    2014 年 25 巻 3 号 p. 165-172
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    化粧品・医薬品・医薬部外品,これらの製品は非常になじみ深いものであり,人によってはある意味,生活必需品になっている物もあると思われるが,これらは一般家庭に入り,消費され,どのような形で処理処分されているのであろうか。そこで,これらの製品の生産に関わる状況を調査するとともに,不燃ごみ中から採取した製品および容器について,埋立処分時における炭素および窒素成分の溶出負荷量について検討を行った。
     その結果,これら製品の生産は景気の影響をあまり受けておらず,統計データからもこれらの製品が生活必需品となっている現状がわかった。また,これら製品の販売金額を考慮すると,これらに関わる廃棄物量は総排出量の 10 % 以下であることが推測された。未使用製品の溶出試験結果から,これら製品の中には,炭素含有量が焼却主灰や不燃残渣中に含まれる量よりも著しく高いことが明らかとなった。容器内残留物や未使用物に注意し,破砕前にこれら製品を可能な限り除去することが,埋立地への負荷を考慮すると望ましい前処理方法であることがわかった。
  • 鹿庭 正昭
    2014 年 25 巻 3 号 p. 173-179
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    医薬品・医薬部外品・化粧品については,薬事法のもと,各々の区分が定義されている。また,各々の原材料として使用できる化学物質 (成分) に関する基準が規定され,化学物質 (成分) リストが公表されている。それらの化学物質 (成分) については,生物学的試験による安全性評価が行われている。それとともに,医薬品・医薬部外品・化粧品については,製造販売後の安全管理の基準が規定され,副作用等による健康被害事例の報告を含めた安全管理情報の伝達・活用を推進することにより,安全管理が図られている。特に,近年発生した医薬部外品による健康被害事例について,関連学会を中心として,行政機関,業界団体,医師,物理・化学・生物学等の科学者等,幅広い組織および専門家の協力のもと,健康被害事例に関する疫学調査,健康被害のメカニズムの解明,原因化学物質の特定等,健康被害の発生防止のために,新たな取り組みが実施されるようになっている。
  • ――川崎市薬剤師会の取り組み――
    山村 真一
    2014 年 25 巻 3 号 p. 180-185
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    薬局は医療用医薬品,医療材料を患者に供給する最終ゲートキーパーの役割を担っている。そのことは,医薬品適正使用の最終責任を負うことでもある。今その責任範囲は拡大し,第 13 改訂調剤指針では,患者に薬剤を交付した後も,その後の経過の観察や結果の確認を行い,薬物療法の評価と問題を把握することが調剤の概念であるとの見解が示された。つまり,患者に薬剤を交付した後に発生する医薬品による有害事象,副作用の察知はもちろんのこと,コンプライアンス不良,薬剤の変更,治癒,中止といった問題を把握すると同時に,その対応にも関与していく必要がある。そのことは当然のことながら,患者宅で発生する医薬品廃棄物 (医療系廃棄物) についても,積極的に関与していくことが必要な時代になったということを意味する。特に在宅医療が推進されている現在においてはなおのこと,その実効性が期待される。本稿では 10 年ほど前から使用済み注射針,家庭内不要薬の回収廃棄事業を,自治体と一緒に取り組んでいる川崎市薬剤師会の事例を紹介しながら,今後の薬局機能の展開について考察する。
  • 大橋 憲司
    2014 年 25 巻 3 号 p. 186-193
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    気候変動問題や生物多様性の保全といった地球環境問題への関心の高まりを背景として,持続可能性に配慮した製品開発や経済活動が企業に求められるようになってきた。また,環境問題は企業に対する事業リスクの一つとして認識されるようになり,環境問題への対応は,今や重要な経営課題として,ライフサイクルアセスメント (LCA : Life Cycle Assessment) 手法に基づいた定量的,客観的な評価と情報開示を投資機関や環境 NGO から迫られている。本稿では,化粧品における環境負荷削減のための実践的な取り組みと,LCA を活用した評価事例について紹介する。
  • 山川 肇
    2014 年 25 巻 3 号 p. 194-200
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    使用済み化粧品びんのリサイクルへの取組経緯とその実施状況について報告するとともに,今後の課題について検討した。ほとんどの化粧品びんは,すでに飲食品のびんとほぼ同様のソーダ石灰ガラス素材になっていたが,一部の耐熱ガラス等が問題視されていた。そこで関係団体がその使用量調査や混入時の溶融実験を行い,その結果に基づいてリサイクルの合意が形成された。化粧品びんのリサイクル可能宣言後,約 50 % の自治体で分別ルールが変更されたが,その後伸び悩んでいる。その背景には,自治体に情報が伝わっていないことや,リサイクル事業者に手間やリスクに対する負担感があると推察された。今後は,既に実施している自治体の経験を共有する場を設ける,化粧品メーカーがさらに分別排出しやすい製品設計を行う,などの対応が望まれる。
  • —未使用化粧品や不要になって余った化粧品のリユース活動—
    坂口 翠
    2014 年 25 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    化粧品業界の現状と課題について述べたあと,化粧品会社での筆者の就業経験からみえてきた,一部のユーザーはメークアップ化粧品が最後まで使用できないまま廃棄しているという課題と調査,および不要化粧品のリユースプロジェクト “プラスコスメプロジェクト” の実践について述べる。プラスコスメプロジェクトとは,不要になり余ったまま廃棄されているメークアップ化粧品を画材として再利用し,ワークショップ活動を通じて化粧品の環境意識を変えていく任意団体である。化粧品容器のリサイクルの取り組みは既に実施されているにもかかわらず,余ったままの化粧品の中身はそのまま廃棄されているという現状に,ユーザーは,廃棄の段階で困ってしまう状況となっている。これらの問題を解決するために本稿ではメークアップ化粧品のリユースの取り組みについて述べ,化粧品の社会貢献型商品の展望と課題を示唆することで本稿の結びとしたい。
技術報告
  • 山本 貴士, 甲斐 康史, 中内 博昭, 安福 敏明, 野馬 幸生
    2014 年 25 巻 3 号 p. 207-214
    発行日: 2014/05/31
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    ポリ塩化ナフタレン (PCN) 原体の分解処理に関して,高温溶融 (ジオメルト法) の適用が可能であるか検討するため,段階的にスケールアップした処理試験を行った。最初に 10 kg 規模での処理試験を行い,次に実処理施設とより相似度の高い 1 ton 規模の装置を用いた試験を実施した。いずれの試験においても,全 PCNs の分解率,固化体,排ガス,スクラバー処理水中の PCNs およびダイオキシン類濃度は目標値を達成した。以上の処理成績から,ジオメルト法により PCN 原体の実処理が行えるものと考えた。続いて,10 ton 規模の実処理施設で実証試験を行い,同様に PCNs が分解されることを確認した。実証試験の結果を踏まえ,PCN 原体約 5,400 kg のジオメルト法による実処理を 2012 年 9 月から開始し,同年 12 月に処理を完了した。
平成25年度企画広報部会活動報告 廃棄物資源循環学会平成25年度第 3 回講演会
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