日本の管理型最終処分場の埋立構造は準好気型であるが,ほとんどの最終処分場の内部には不透水層が形成され,不均一に保有水が滞留し嫌気状態となっている。嫌気性状態下における有機性廃棄物と無機性廃棄物の混合物の保有水が中間覆土を通過すると浸出水にどのような影響を与えるのかを考察するために,嫌気性状態下でのカラム流出実験等を行い,浸出水中の COD 成分や重金属類の削減効果について詳述した。さらに,焼却灰の固結化現象とその溶解に伴う中間覆土での Ca
2+ の捕捉現象を示した。また,処分場における透水性の確保が安定化に及ぼす影響について言及した。これらの結果から最終処分場の維持管理において,特に浸出水の水質浄化には,廃棄物の配合禁忌や透水性の確保と良質覆土の 3 因子によるコントロールが重要であることを報告する。
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