廃棄物資源循環学会誌
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26 巻 , 4 号
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巻頭言
特集:新しい資源循環型社会の動向 (日欧比較を中心に)
  • ――EU と日本の比較の観点から――
    細田 衛士
    2015 年 26 巻 4 号 p. 253-260
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    日本の廃棄物・リサイクル政策は,一定の成果を上げた。リサイクルを進展させるとともに最終処分量の著しい削減をもたらした。だが,リデュース・リユースはまだあまり進んでおらず,また潜在資源性・汚染性の高い使用済み製品・部品・素材等が海外流出するという問題もある。より高度な資源の循環利用を図るために,これまでとは異なった施策が必要である。EU では,「資源効率性」や「廃棄物の終了」という政策概念を打ちだし,より高度化した循環経済の実現を目指している。こうした政策概念に学び,日本に応用することによって日本独自の高度化した循環型社会を構築することができる。そのためには,政策概念を明確に規定し,分析的に評価することが求められる。そうした政策概念を基礎として,制度的インフラストラクチャーを発展・進化させること必要である。
  • 喜多川 和典
    2015 年 26 巻 4 号 p. 261-267
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    EU の資源効率性 (RE) 政策に対する欧州の自動車および家電メーカー等の対応にかかわるヒアリング調査の結果を示し,欧州企業が捉える同政策にかかわるメリット・リスクについて整理した。この政策は欧州の廃棄物産業だけでなく,製造業にもビジネスチャンスをもたらす可能性がある。RE 指標の導入ではリサイクルと再生材利用のみならず,社会および技術の変革を促す狙いが含まれている。法制度実施はまだだが,欧州企業が EU 政府の示す政策方針に対応してさまざまな準備を進めており,すでに金融や再生材の市場にも呼応する動きが現れている。
  • ――EPRの意味――
    石川 雅紀
    2015 年 26 巻 4 号 p. 268-274
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    本稿では日欧の循環政策を比較した。
     EU は複数の PRO (Producer Responsibility Organization) を認め市場競争を利用して静脈市場を効率化し,日本は個別企業レベルでの環境配慮設計 (DfE) を促進している。競争を促進すればコストの低減が期待できるが,コスト情報の開示は困難で,情報開示度が下がり,フロー監視も困難となる。生産者と資源化事業者の間での契約も短期となり,情報のやりとりも難しく,DfE は効きにくい。
     EU は超国家組織として,統合の深化を目指し,合意しやすい抽象化レベルの高い目標,政策の大枠,期限を設定し,実際の政策では各国が柔軟性をもって施行している。循環政策と資源政策の整合性をとりやすい。日本では,個別製品特性に配慮し,制度設計されているので,DfE は進むものと期待され,排出者責任原則も個人レベルで担保されるが,資源政策との統合は難しい。
     日本の家電リサイクル制度については,資源政策との整合性をどうとるのか,他のリサイクル制度も含めて検討することが必要である。
  • 浅川 薫
    2015 年 26 巻 4 号 p. 275-282
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    EPR (Extended Producer Responsibility) をわが国で最初に採りいれた個別法が容器包装リサイクル法 (1995 年公布) であり,プラスチック製容器包装廃棄物については,1999 年からスタートしている。その後 15 年を経て,累計約 796 万 ton (PET ボトルは別途,約 263 万 ton) の再商品化が実施され,当初の法制化目的である廃棄物の低減と最終処分場の延命化に大きく寄与した。法制化においては先行するドイツやフランスの法規を参考にしたと思われるが,ここでは欧州,主としてドイツにおけるプラスチック製容器包装リサイクルの歩みと現状を中心に概観し,わが国での取り組みと比較することで今後の方向性を考える上での一助としたい。
  • 今田 俊史
    2015 年 26 巻 4 号 p. 283-289
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    日欧において,使用済み自動車の処理に対する責任と役割を,ユーザ,処理インフラ業者,行政,製造業者 4 者が担う新たな政策を織り込んだ制度化の動きとなった。日本,欧州とも社会問題化した原因の根幹は同じであるが,その対応のアプローチは異なる結果となった。日本は逆有償に至る要因であった ASR の引き取りをメーカ責任とし,欧州は逆有償となった使用済み自動車そのものを引き取ることをメーカ責任とした。いずれもそのコストを直接もしくは,間接的にユーザが負担をし,処理はメーカが契約を行ったインフラへ委託を行う。
     アプローチの違いは,国・地域がもつ社会背景や社会構造が異なる (産業分布・市場分布等) ものを,社会全体において将来にわたりどのように合理的な運用が可能かを熟考に熟考を重ねた結果である。各関係者の役割や実施していることに差はなく,各地域における固有の社会問題に対して,端的に行った結果である。
     各国の事情に合わせた法制度の作りこみが,将来にわたる安定的な運用につながる。
  • 酒井 伸一, 矢野 順也
    2015 年 26 巻 4 号 p. 290-304
    発行日: 2015/07/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    廃棄物の発生抑制政策について,定義や指標,ライフサイクルの視点に立った抑制効果についてレビューし,欧日の取り組みを比較しつつ整理した。EU の発生抑制の定義では廃棄物の発生量だけでなく有害性の抑制も含めた定義となっていることを指摘した。発生抑制指標については,さまざまな指標が提案されているものの,データの可用性や信頼性等の課題点もあり,発生抑制計画中で実際に採用される指標は限定的である傾向が確認された。一方で,廃棄物の分類上の定義やモニタリング手法の標準化等,発生抑制の定量化に欠かせない課題が着実に議論の遡上にあがりはじめており,発生抑制策は着実に前進しつつある。発生抑制効果の定量化手法が検討されつつあることにも研究レビューとともに触れた。発生抑制策とその取組効果を整理し,発生抑制対象廃棄物や部門,取り組みの優先順位を意識した発生抑制策を提案,促進していくことが効果的と考えられる。
廃棄物アーカイブシリーズ/『ゴミ戦争』の記録
平成26年度廃棄物資源循環学会第4回講演会報告
平成27年度廃棄物資源循環学会第1回学会セミナー報告
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