廃棄物資源循環学会誌
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26 巻 , 5 号
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巻頭言
特集:巨大災害廃棄物対策
  • 山田 智子
    2015 年 26 巻 5 号 p. 335-340
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    2015 年 7 月に制定・公布された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」には,環境省がこれまで進めてきた災害廃棄物対策の一層の推進力となることが期待されている。本改正の目的は,それに向けて,災害廃棄物対策に取り組む関係者の認識を一致させ,関係者が協働するときの大きな方向性を示すことに置かれた。そのため,改正法の主眼も,既存の廃棄物処理制度を実質的に改正することよりは,災害廃棄物対策の基本的な考え方とその全体像,すなわち法的枠組みを整理し,制度として明示することに置かれた。この改正法の主な法的意義は,(1) 災害の規模に応じて災害廃棄物対策のための制度を整備したこと,(2) 災害廃棄物処理に係る関係主体の拡大とその役割の再整理を行ったこと,(3) 国が廃棄物処理を代行する仕組みを固定化したこと,(4) 防災法制において個別の行政分野 (災害廃棄物対策) の拡充を行ったこと,に求めることができる。
  • 切川 卓也
    2015 年 26 巻 5 号 p. 341-353
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    東日本大震災の教訓を踏まえ,大規模な災害が発生した場合に生じる膨大な量の災害廃棄物に適正かつ円滑・迅速に対応するため,災害廃棄物処理体制を準備しておくことが重要である。環境省では有識者会議において災害廃棄物対策について総合的な検討を進め,東日本大震災における災害廃棄物対策のアーカイブ化や,災害廃棄物処理に関する技術・システムの検証等を行い,自治体等が災害廃棄物への備えを行うための情報を整理した。
     2015 年には,「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」(平成 27 年法律第 58 号) が制定され,この運用,実施を通じて,全国単位,地域ブロック単位等各レベルで災害廃棄物処理システムの強靱化を進め,地方公共団体等と十分に連携しつつ必要な支援を行えるよう,サポート体制の強化を進めている。
  • 太田 博之
    2015 年 26 巻 5 号 p. 354-361
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災から 20 年を迎え,改めて当時の災害廃棄物の処理の考え方を振りかえり,また,東日本大震災での支援を通して得た経験・教訓から,今後の大規模災害時における災害廃棄物処理への備えについて提言する。
  • 岩川 誠
    2015 年 26 巻 5 号 p. 362-368
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    愛知県では,阪神淡路大震災や 2000 (平成 12) 年の東海豪雨による災害廃棄物処理の経験を踏まえ,県内市町村や民間事業者団体との応援協定の締結や,市町村に対して災害廃棄物処理計画の策定に向けたガイドラインの作成等の支援を行ってきた。現在は,将来の発生が想定されている南海トラフ地震等の大規模災害に対して,発災後における県民生活および産業活動の早期の復旧・復興を図れるよう,大量に発生する災害廃棄物に速やかに対応するため,「愛知県災害廃棄物処理計画」の策定に向けた検討を進めている。これまで,2014 (平成 26) 年 5 月に公表した愛知県における新たな被害想定や,災害廃棄物対策指針 (2014 (平成 26) 年 3 月 環境省) 等,最新の知見を踏まえた災害廃棄物発生量の推計や,愛知県内における地域ごとの災害廃棄物処理体制の構築に向けた検討を行ってきた。これまでの成果を踏まえ,2015 年度も引き続き,市町村における災害廃棄物処理計画の策定を支援するとともに,県内の処理体制のあり方等,愛知県災害廃棄物処理計画の検討を進めていく。
  • 中林 一樹
    2015 年 26 巻 5 号 p. 369-381
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    本論は,南海トラフ地震や首都直下地震等の超広域巨大災害時の災害廃棄物対策のあり方を考察した。災害廃棄物とは,日常廃棄物とは異なり,被災者には思い出や生きた証としての価値をもっているため,処理の初動段階では迅速な処理よりも被災者の思いを尊重した対応が重要である。処理の段階では,迅速な処理とともに環境悪化の回避と地域環境の保護に重点を置いた取り組みが必要である,そのためには,超広域巨大災害であるほど,残された資源の公平で有効な活用が不可欠であり,都道府県をリーダーとする県・市町村・民間事業者のグループを支援活動単位として,都道府県と国とが支援受援の体制づくりを調整する仕組みの構築が必要である。一方,受援体制は市町村が受援単位となるため,自治体は自らが被災して行政機能が低下することを想定した,災害廃棄物処理機能継続計画 (廃棄物 BCP) の検討が不可欠である。
  • 浅利 美鈴, 多島 良, 吉岡 敏明, 千葉 実, 千葉 幸太郎, 遠藤 守也
    2015 年 26 巻 5 号 p. 382-396
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    東日本大震災では,災害廃棄物等の処理においても多くの知見や技術が蓄積されてきたが,被災自治体の担当職員の異動や時間経過に伴う記憶の薄れ等により,これらの知見や技術が伝承されることなく失われることは回しなければならない。そこで,処理プロセスを俯瞰した情報のアーカイブ化を行うと同時に,それを利用して,4 重点地区を対象に,災害廃棄物の処理に影響を与える要因を抽出し,中でも処理完了を早める,または遅らせる律速要因を特定した。また,それらを踏まえて,今後の対策にけて備えるべき点を,事前の計画立案,初動体制の整備,都道府県・市町村・民間事業者との連携・協力の強化,大規模災害を対象とした技術的な検討,空地の有効活用に向けた事前の備え,仮置場の適正管理,最終処分容量や再生利用先の確保,処理先に係る手続等の簡素化,人的ネットワーの構築・人材育成,広報・住民・被災者への対応の 10 点に整理した。
  • 勝見 武, 切川 卓也
    2015 年 26 巻 5 号 p. 397-410
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    東日本大震災では地震と津波により約 3,100 万 ton という膨大な量の災害廃棄物が発生したが,岩手県と宮城県の沿岸市町村にさまざまの仮設の処理施設が設置され,大規模な処理が実施されたところであり,その技術システムに関する知見等を整理して将来の災害対応のために活用できるようにしておくことは重要事項である。環境省「大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」に設置された技術・システム検討 WG では,災害廃棄物処理の一連の流れを対象に,将来想定される大規模災害時の災害廃棄物の処理計画を策定する際,各自治体が自らの地域条件に類似する事例を参照することができるよう,東日本大震災の処理事例の整理を実施した。本稿では,(一社) 日本建設業連合会加盟企業が担当した処理区についての情報を中心に検討を行い,各処理区の処理の概要,選別物を受け入れた受入先の受入基準や品質,混合状態の廃棄物の選別システムと処理フローに関して一定の整理を行った,その概要を記したものである。
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