MEDCHEM NEWS
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25 巻 , 1 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
創薬最前線
  • 大川 滋紀
    2015 年 25 巻 1 号 p. 2-5
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    JTの医薬事業は1987年に始められたが、実際の研究開発活動は2014年で21年目を迎えた医薬総合研究所の設立をもって本格化した。幸い、先人の尽力と良きビジネスパートナーとの協業などが相まって、2012年、2013年と続けて2品目のグローバル市場向け新薬を上市することができた。HIV感染症治療薬Stribild、メラノーマ治療薬Mekinistの2つである。この2製品の上市により、JTの医薬事業部は継続的な新薬の創製というさらなる高みを目指す新たな時代を迎えたと思っている。本稿では、JT医薬事業の現状と創薬への取り組みについてお伝えしたい。なお、JTの創薬研究については春田前総研所長が創薬最前線(MEDCHEM NEWS Vol.16 No.1)に記事を投稿しているのでそちらも参考にしていただければ幸いである。

WINDOW
  • 福地 圭介
    2015 年 25 巻 1 号 p. 6-10
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    研究現場で新たな発見をして、さらに人々の生活へ役立つ形にしていくには、多くの人々の貢献が必要とされ、ときに投資や長い時間を要する。それが世界に向けた発信だったときには、文化や価値観の違いが大きな問題となったりする。日本人が異文化のなかで周囲の力をうまく引き出していくにはどうしたらよいか、感情的な問題を如何に建設的な考えに転換していくか、といったことを、3年半のドイツベンチャーでの研究生活から学ぶ機会を得て、自分なりの答えを得るに至った。ここに筆を執ることで、日常の研究生活や価値観、文化の違う人達が理解し合い、日本発の大きなInnovationに繋げていく一助となれば幸いである。

ESSAY
  • 小出 徹, 芝崎 太
    2015 年 25 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    東京都には十数の都立病院があり、ベッド数は7,800床にも達する。また、東京都に所属または関連研究施設には、首都大学東京、東京都医学総合研究所、東京都健康長寿医療センターおよび健康安全研究センターなどがあり、疾患に特化した治療ならびに基礎&臨床医学的な研究が独自に実施されている。学術研究において独自性を保持することは独創性にも繋がり、正当な戦略と言えようが、その得られた成果を実用化するという側面からすると、機動性に富むとは言いがたい。東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(以下、TOBIRA)は、この実用化プロセスを円滑・迅速に推進することを目的に、2011年経済労働大臣から認可を受け設立された。TOBIRAの組織体は、医学研究を実施している大学や東京都の研究機関、実用化を狙う企業群二者から構成され、プロジェクトごとにマッチングをはかりつつ、バイオマーカーや新規診断機器の実用化を推進している。

特集:天然物創薬への期待
  • 長田 裕之, 野川 俊彦, 二村 友史
    2015 年 25 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    1950年代は抗生物質の黄金時代であり、微生物代謝産物から次々と医薬が開発された。しかし、1990年以降、ハイスループットスクリーニング(HTS)の流行に伴って、コンビナトリアルケミストリーで合成したライブラリーが医薬探索源として用いられるようになり、天然物スクリーニングは衰退している。天然物はサンプル調製に手間がかかること、構造が複雑な場合には誘導体合成が困難であることなどが欠点である。天然物の弱みと強みを再確認して新しい戦略を立てることが必要である。本稿では、これら天然物創薬の問題点に対する改善策を提案したい。

  • 日野 資弘
    2015 年 25 巻 1 号 p. 22-27
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    ヒト化抗体の技術開発をきっかけにバイオ医薬が大きく進展し、医薬品ランキング上位を占めている。また、iPS細胞の発見を契機に再生医療が大きく注目され、低分子から高分子、細胞へと創薬手法のパラダイムシフトが起こりつつある。一方、1990年代の後半から日米欧の企業で醗酵創薬からの撤退が進み、免疫抑制剤Tacrolimus(FK506)や抗真菌剤Micafungin(FK463)などの成果をあげているアステラス製薬(アステラス)も2014年に撤退した。近年のバイオ医薬や再生医療という大きな流れのなかで、中長期的な創薬エンジンを選別した結果である。筆者は、藤沢薬品工業(藤沢)に入社後、20年あまり醗酵探索研究に従事し、アステラス発足後は工業化研究に携わった。今回のテーマに対し、グローバル市場における醗酵産物由来医薬品(醗酵医薬)をレビューし、醗酵創薬の課題について筆者なりに考察し、改めて創薬資源としての醗酵産物の可能性について考えた。創薬研究に携わる研究者の一助になれば幸いである。

  • 新家 一男
    2015 年 25 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    天然化合物は、合成化合物と比較して広いケミカルスペースをもち、長い間、薬剤開発のリード化合物のソースとして用いられてきた。わが国は、天然物化学分野において、基礎面でも産業応用面でも世界をリードしてきたが、現在では多くの製薬系企業が撤退しており、衰退の一途を辿っている。われわれは、天然物創薬の魅力を十分に引き出すことを目的に、日本で培われてきた天然物化学の技術・ノウハウをより高いレベルに引きあげることを可能にする、次世代型天然物化学の確立を進めている。ここでは、世界最大級の天然物ライブラリーを用いた、大規模スクリーニング検証と、異種発現システムを用いた新規微生物二次代謝生産技術に関して述べる。

  • 酒井 孝
    2015 年 25 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    海洋生物から見いだされたハリコンドリンをもとに、全合成により開発され、上市されたエリブリン(ハラヴェン®)は世界の天然物研究者にインパクトを与え、エーザイにおける天然物創薬への関心が高まった。さらに数種の微生物由来臨床開発物質も注目されており、今や天然物研究はエーザイの強みの1つとなっている。これらの物質群に続く卓越した生理活性天然物を見いだすべく、社内における技術基盤構築に加え積極的に社外技術を活用し、戦略的なライブラリー構築、種々の活性評価を通じ創薬リード探索を推進している。研究体制も、つくば、米国両拠点において微生物分離・培養技術、単離・精製・構造解析技術、天然物合成技術を駆使しながら取り組んでいる。困難な創薬ターゲットが数多く見いだされ創薬スキームが劇的に変化しているなか、難易度の高いターゲットに対して天然物研究はどのように挑むべきなのか、ライブラリー構築を中心に研究手法を紹介する。

SEMINAR
Coffee Break
REPORT
  • 佐々木 渉
    2015 年 25 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー

    EFMC-ISMCは創薬化学研究全般に関する隔年開催の国際学会であり、近年のトレンドに沿って、疾患や研究プロセス上の課題等で切りわけたセッションが組まれ、討論が行われた。疾患の切り口では、主にがんや神経変性疾患、感染症などが取りあげられた。研究プロセス上の課題としては、産官学連携の枠組みやライブラリの質を高める取り組みといった研究を下支えする領域から、フラグメント創薬におけるヒットの見定め方や速度論的パラメーターの重要性、アロステリック調節薬の魅力と研究の難しさなど、創薬を進めるうえで重要な考え方について注目すべき内容が多かった。ポスター発表では、大環状化合物に関する発表があり、特に膜透過性を高める方策についての研究が目を引いた。

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