MEDCHEM NEWS
Online ISSN : 2432-8626
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27 巻 , 1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
創薬最前線
  • 伊関 克彦
    2017 年 27 巻 1 号 p. 2-8
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2019/06/30
    ジャーナル フリー

    東レは昨年創立90周年を迎えた総合化学企業である。化学を基盤とし、先端材料で世界のトップ企業となることを目指している。医薬事業は、経営課題の中で成長領域の1つと位置づけられたライフイノベーション事業の拡大を目指したプロジェクトの重要な一画を占めるものとして期待されている。その源泉は、ものづくり企業のDNAに求めることができ、基礎的かつ独自性の高い継続的取り組みにより、有機合成化学およびバイオプロセスで世界に先駆けた成果(ベラプロストナトリウム、ナルフラフィン塩酸塩、天然型インターフェロンβ)を生み出してきた。今後も、培ってきた疾患領域への理解と創薬技術を活用し、神経、腎・自己免疫領域などに残された難病、難治性疾患の克服に挑戦していきたいと考えている。

SEMINAR
特集:低分子抗体
  • 高橋 信明
    2017 年 27 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2019/06/30
    ジャーナル フリー

    抗体は、現在では医薬品創出に欠かせないフォーマットとして確立され、幅広く認知されている。抗体医薬品に採用された複数の要素技術の蓄積が今日の繁栄を支えている。開発初期には、マウスで取得した抗体の抗原性が問題となっていたが、キメラ抗体技術やヒト化抗体技術、さらには、ファージディスプレイ法やヒト抗体産生遺伝子改変マウスなどによりヒト抗体を取得する方法を開発することで克服してきた。しかしながら、現在では通常の抗体技術を適用できる抗原が枯渇状態に近づきつつあることから、従来の抗体医薬品では達成できない機能を付加できる新たな技術が開発されている。その中でも、低分子抗体は、組織への透過性、製造の容易さ、他のフォーマットとの組み合わせの可能性、ユニークな結合様式という特性から、医薬品応用への期待が高まっている。

  • 梅津 光央, 中澤 光, 二井手 哲平
    2017 年 27 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2019/06/30
    ジャーナル フリー

    組換えタンパク質技術の一般化が進む中、タンパク質構造の情報化とライブラリー法技術の進展はタンパク質工学の世界を大きく変えつつある。ライブラリー規模を拡大させる技術的な進歩の他に、コドンの設計技術による自在なアミノ酸群でのライブラリー作製やタンパク質の構造情報を利用した局所的なライブラリー化は、有効な配列空間の設計を可能とし、単なるタンパク質の機能向上や改変ではなく、本来もっていない機能を発現させるまでに至っている。本稿では、タンパク質へ分子認識機能を付加させる技術を通して、現在のタンパク質を「創る」研究を紹介する。

  • 藤井 郁雄
    2017 年 27 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2019/06/30
    ジャーナル フリー

    近年、低分子化抗体がポスト抗体医薬として注目されている。筆者らは、抗体様活性をもつ新しい創薬モダリティーとしてヘリックス・ループ・ヘリックス構造をもつ分子標的ペプチド(約4 kDa)の開発を進めている。立体構造規制ペプチドのファージ・ライブラリーを構築し、分子標的ペプチドを獲得した。このペプチドは、強固な立体構造をもつため生体内の酵素分解に対しても安定であり、抗体と同等の高い特異性と強い結合活性をもつ。このことより「マイクロ抗体」と名付けた。本稿では、マイクロ抗体の設計およびその生物機能について紹介する。

  • 岸本 聡, 伊東 祐二
    2017 年 27 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2019/06/30
    ジャーナル フリー

    抗体医薬の新たなフォーマットとして、ラクダ科の重鎖抗体由来の抗原結合ドメイン(VHH, Nanobody)を使った医薬品開発が進められている。このVHHは、高い安定性、バクテリアにおける高い発現効率、抗体工学の容易さといった優れた特性をもつ一方で、投与後の血中半減期の短さといった弱点もあわせもつ。臨床試験の結果を通して、このようなVHH医薬品の課題と今後の展開について考えてみたい。さらに、ファージディスプレイライブラリーと網羅的配列解析手法を使った新しいVHHの開発手法、ならびに、VHHを使った新しい抗体医薬品の形として、抗体特異的修飾法(CCAP:Chemical conjugation by affinity peptide)によるIgG-VHHコンジュゲートについて紹介する。

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