MEDCHEM NEWS
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28 巻 , 2 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
巻頭言
創薬最前線
WINDOW
  • 赤間 勉
    2018 年 28 巻 2 号 p. 66-70
    発行日: 2018/05/01
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    いわゆる大学発ベンチャーのような形で米国カリフォルニア州のシリコンバレーに設立された創薬のスタートアップにおいて、筆者は前例のなかった新規含ホウ素医薬品の探索研究を10数年にわたって行い、FDAからの認可および発売まで到達した2つの新薬の創製に深く関わることができた。会社の成長とともに進展する研究開発の過程は、インサイダーとして観察していても非常に興味深く、日本とは異なる環境での貴重な経験や学びを得ることができた。中でもベンチャー企業の成功のために、プロジェクトマネージメントがいかに重要であるかを身に染みて感じた。この点を中心に、米国バイオテックスタートアップのケーススタディとして紹介する。

DISCOVERY
平成29年度 日本薬学会 医薬化学部会賞 受賞
  • 阿部 博行, 飯田 哲也, 三浦 智也, 菊池 慎一, 河崎 久
    2018 年 28 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 2018/05/01
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    トラメチニブは、非常に高活性・高選択的かつ経口投与可能なMEK1とMEK2のアロステリック阻害薬である。2006年にJTよりGSK社に導出後、2013年にfirst-in-classのMEK阻害薬として米国で承認され、2016年に日本でも承認された。本薬剤の創薬研究については、本誌Vol.27 No.3(2017年8月1日発行)に掲載済みであるが、医薬化学部会賞の受賞を機に、化学の視点で今一度振り返ってみる。

  • 長戸 哲, 花田 敬久, 上野 貢嗣, 川野 弘毅, 乗嶺 吉彦
    2018 年 28 巻 2 号 p. 77-82
    発行日: 2018/05/01
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    グルタミン酸神経伝達の異常は、てんかんやその他多くの精神神経疾患発症の1つの要因と考えられており、その阻害剤に関した数多くの研究がなされてきた。筆者らは、脳血管障害治療剤としてイオンチャネル型のAMPAタイプに着目し、プロジェクトを開始した。AMPA誘発神経細胞死とin vitro AMPA誘発[Ca2+]流入試験を指標としたHTSを実施し、ユニークなoxadiazinone誘導体を見出した。ターゲットを慢性疾患(経口投与)に変更し、大胆な構造展開を行い、2,4,6-triarylpyridazinone誘導体を経て、強力な非競合的阻害作用と経口有効性を併せもつ1,3,5-triarylpyridone誘導体を見出した。ピリドン骨格の最適化から得られたペランパネル水和物(フィコンパ®)を開発候補品として選択し、2001年より臨床試験を開始し、現在、12歳以上のてんかん患者様の部分発作(併用)について55ヵ国以上、全般てんかん患者様の強直間代発作(併用)について45ヵ国以上で承認を取得しており、米国においては部分発作についての単剤適応も認められている。

第35回メディシナルケミストリーシンポジウム 優秀賞 受賞
  • 藤原 大佑, 弓場 英司, 白石 一乗, 中瀬 生彦, 藤井 郁雄
    2018 年 28 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 2018/05/01
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    ヒトゲノムにはタンパク質-タンパク質相互作用(PPI)が65万種存在とすると予測されており、医薬品開発の標的分子として期待される。しかしながらPPI阻害薬の創出はいまだ困難である。抗体はPPIを特異的に阻害できることから、これまでに多数の抗体医薬品が開発されている。しかし抗体は分子量が150 kDaと大きく細胞内に入らないため、大多数の細胞内PPIを標的にできない。筆者らは、抗体の利点である標的分子結合活性と特異性、PPI阻害活性、また、安定性をもった立体構造規制ペプチド「マイクロ抗体」を創出してきた。本稿では、マイクロ抗体に関するこれまでの研究例を紹介し、さらに、細胞内PPIであるp53-HDM2相互作用を阻害するマイクロ抗体cHLHp53-Rについて報告する。

  • 石川 稔, 友重 秀介, 野村 さやか, 山下 博子, 大金 賢司
    2018 年 28 巻 2 号 p. 88-92
    発行日: 2018/05/01
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    ハンチントン病などの神経変性疾患は、疾患原因タンパク質の異常凝集により発症し、この根治には毒性の高い凝集タンパク質を減らすことが重要と考えられている。一方、筆者らのグループはこれまで、ユビキチンリガーゼの低分子リガンドと標的タンパク質リガンドを連結させた低分子により、標的タンパク質を減少させる手法を開発してきた。今回、アルツハイマー病診断薬とユビキチンリガーゼの低分子リガンドを連結した低分子を2種類設計・合成した。生細胞において、これら連結低分子はハンチントン病原因タンパク質を減少させた。メカニズム解析の結果、連結低分子がユビキチンリガーゼと凝集タンパク質の複合体形成を誘導し、プロテアソーム依存的に凝集タンパク質が減少することが明らかになった。本手法は、神経変性疾患に対する新しい創薬戦略として、さらなる展開が期待される。

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