MEDCHEM NEWS
Online ISSN : 2432-8626
Print ISSN : 2432-8618
ISSN-L : 2432-8618
29 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
創薬最前線
WINDOW
  • 鈴木 大和
    2019 年 29 巻 3 号 p. 110-113
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    近年、創薬標的分子や創薬モダリティの多様化、薬理メカニズムの複雑化等に伴い、従来のように単独の製薬企業で新薬創出を達成することが難しくなってきており、外部との連携はますます重要になってきている。米国ではスタートアップ企業等を中心にアカデミアやメガファーマを巻き込んだコラボレーションは、もはやあたりまえになってきているが、日本ではまだまだ高いハードルがあるようだ。特に海外とのコラボレーションは、言葉や文化の違いもあって難しい反面、異なる専門性やノウハウの融合により単独では不可能なイノベーションを生み出す可能性を秘めている。筆者は製薬企業のメディシナルケミストとして、米国アカデミアとの共同研究に参画し2年間研究を行った。本稿ではこの共同研究先ラボと、その中で感じた日米の違いと共通点について紹介する。

DISCOVERY
第36回メディシナルケミストリーシンポジウム 優秀賞 受賞
  • 塚田 健人, 浅井 禎吾
    2019 年 29 巻 3 号 p. 114-118
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    あらゆる生物の遺伝子情報が容易に利用可能となったポストゲノム時代において、遺伝子情報から天然物の創生を可能にする合成生物学的手法が脚光を浴びつつある。例えば、ゲノムマイニングと異種発現を組み合わせれば、生物の遺伝情報にプログラムされた天然物だけではなく、天然にはない類縁体であっても生体内システムを用いて天然物と同様な生合成過程によって創生することが可能であり、新たな医薬資源の開拓に有効である。本稿では、さまざまな有用活性が報告されている糸状菌のジテルペノイドピロン(DP)類を標的として、麹菌を用いた異種発現による天然型および非天然型を含む多様な類縁体の創生について概説する。

  • 木下 晶博, 大元 和之
    2019 年 29 巻 3 号 p. 119-122
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    プロスタグランジンE2(PGE2)が生体内リガンドとして作用するEP受容体には、EP1からEP4の4種類のサブタイプが知られている。そのうちEP2受容体を介する作用として平滑筋弛緩作用、EP3受容体を介する作用として平滑筋収縮作用が知られており、それぞれ尿道、膀胱に発現していることも知られている。低活動膀胱は、排尿筋収縮力の低下が原因の尿排出障害であるが、既存薬では有効性が十分ではなく、新規治療薬に対するニーズは非常に高いことが明らかとなっている。そこで本研究では、EP2とEP3受容体に対するデュアル作動薬が有効な低活動膀胱治療薬になり得るとの仮説の下、その分子設計と合成を行った。その結果、得られた経口投与可能なEP2/EP3デュアル作動薬であるONO-8055は、複数の動物モデルにおいて有効性を示し、さらには欧州の臨床試験(Phase I)において、良好な動態ならびに安全性プロファイルを示した。本稿ではメディシナルケミストリーの観点から、ONO-8055の創製に至った経緯を紹介する。

  • 山口 貴也, 芹沢 貴之, 鷹羽 健一郎, 大川 和史
    2019 年 29 巻 3 号 p. 123-127
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    近年ディープラーニングやAIといった言葉が大きな注目を集めている。ドラッグデザインにおいて特に注目すべき変化としては、構造ジェネレーターの性能が大幅に向上したことがあげられる。文章翻訳や画像認識の技術を応用することにより、de novo designと呼ばれるような手法によってもケミストと同じような構造を生成することが可能になってきた。筆者らのグループではそのような点に着目し、構造ジェネレーターの創薬プロジェクトへの適用を検討してきた。本稿では、特許データを用いたユーステストの結果、化合物案の選択方法およびケミストの評価、実際のプロジェクトへの適用事例について紹介する。

  • 林 則充, 窪田 均, 中村 恵宣, 山元 康王, 岡 幸蔵
    2019 年 29 巻 3 号 p. 128-132
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    コレステリルエステル転送タンパク質(Cholesteryl Ester Transfer Protein:CETP)阻害剤は、動脈硬化惹起性のLDLコレステロール(LDL-C)の低下、抗動脈硬化性のHDLコレステロール(HDL-C)の上昇という理想的な脂質制御が可能であり、新規の動脈硬化治療薬として期待できる。筆者らは、最適化研究において、「通常製剤での薬剤開発を意識したin vivo評価法の採用」および「in vitro評価法の改良」により、カルボン酸型化合物が優れた作用を有することを見出した。そして、カルボン酸型化合物のさらなる最適化により、臨床候補化合物TA-8995(obicetrapib)の創製に成功した。TA-8995は近年の臨床試験において、同クラスの化合物と比べて世界最強の作用を示した。

SEMINAR
  • 田埜 慶子, 佐藤 陽治
    2019 年 29 巻 3 号 p. 133-137
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    ヒト由来細胞を利用した再生医療・細胞治療の研究・開発が急速に進んでいる。特に、ヒトES細胞やiPS細胞といった多能性幹細胞から分化誘導してつくられる細胞加工製品については、治験や臨床試験に入るものが増えており、その実用化に期待が寄せられ、明るい話題としてよくニュースで取り上げられている。一方で、医薬品や医療機器とは異なる性質をもつ細胞加工製品が、どのようにして品質・安全性を確保するのかについてはあまり知られていない。細胞加工製品は、生きた細胞を用いる新しいタイプの製品であり、細胞加工製品に特有の性質およびリスクを有することから、リスクベースアプローチを導入する等、新しい品質・安全性評価の方法がとられている。そこで本稿では、新たな医薬の品質・安全性確保のための評価の現状と課題について紹介する。

Coffee Break
REPORT
 
BOOKS紹介
記事
 
feedback
Top