社会の専門医に対するニードの高まりと併行して, 患者を全人的に診療できる総合医の育成が望まれている.このようなソーシャルニードに対応すべく, 筑波大学附属病院では卒直後に幅広い関連領域をローテイトするレジデント制を実施し, 良医養成を行なってきた.1992年度までの340名のチーフ課程修了者のうち, 68%は地域医療に従事し, 内科・外科コース修了者の54%がプライマリ・ケア, 専門外診療にも従事し, いわゆる総合医的医師が育成されつつあることがわかった.この事実から, 解決すべきいくつかの間題をかかえつつも, より充実したローテーションカリキュラムによる総合医の育成に取り組んでいる.
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