医学教育
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25 巻, 4 号
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  • 吉岡 守正
    1994 年 25 巻 4 号 p. 189-196
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    東京女子医科大学は1990年第1学年から “M. D. プログラム” をスタートして, 1993年には第4学年まで実施している. それは, 1) 従来の縦割の教育システムを一新して, 6年間の医学教育を統合カリキュラムの下で行うこと, 2) 自学自習を主体とする精神に基づいて問題解決型の勉学を徹底させること, ならびに, 3) 学生個人の多彩な能力を開発することを目的とした種々の教育技法を採り入れたものである.
  • 細見 弘, 中原 寿喜太, 西村 祖一, 實成 文彦, 前田 昌純, 松尾 裕英, 宇多 弘次
    1994 年 25 巻 4 号 p. 197-202
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 入学試験成績の因子分析にて求めた因子評点合計の高い学生を, 研究を通じて生物を学ぶ特別教育メニュー (研究医学) にて教育すると, 研究者に育てることが可能か否かを確かめることである. 昭和62年度一般選抜試験合格者を因子評点合計にて10段階 (クラス) に分類した. 上位6クラスより公募にて6名を選び研究対象とし, 特別教育メニューにて6年間教育し, 5編の論文と6回の学会発表を行った. 因子評点合計の高い学生は研究医学にて研究者に育てることが可能である. 卒業した5名のうち, 3名が大学院へ進学し, 1名は2年後に大学院へ進学することを決意し, 1名は帰郷した. 6年間努力を持続できたのは, 彼らが高い因子評点合計を有していたからであり, 因子評点合計は「やる気」のよい指標である.
  • 曽根 智史, 松田 晋哉, 土井 徹, 華表 宏有
    1994 年 25 巻 4 号 p. 203-210
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    公衆衛生学における学生の勉学意欲を改善する目的で, 1986年度から公衆衛生学の授業にセミナー方式による授業を導入している. その方法の詳細は前報に報告した. 1989-92年度にかけて, 夏の前期終了時と秋の閉講時の2回, セミナーを含むカリキュラムは, 質問票を用いて学生によって評価された. 各質問に対する回答は, 4年間を通じて変化が少なく, また前期終了時と閉講時の問にも差はみられなかった. すなわち約70%の学生が他の学生による発表を理解しており, 約50-60%の学生が従来の講義形式よりこの種の授業が効果的だと判断し, さらに60-70%の学生がセミナーの導入に賛成していた. セミナーの有効性を認める意見は実際に発表をした学生にそうでない学生より有意に多く認められた. セミナー方式の授業は公衆衛生学に対する学生の勉学意欲を高めるのに効果的である. 学生の勉学に対する積極性を高めたいと考える教員は, 従来の講義形式を改め, より適切なカリキュラムを工夫することが必要である.
  • 第一報Student Research Forumの紹介
    坂井 哲博
    1994 年 25 巻 4 号 p. 211-215
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学生が学ぶべき医学知識の絶対量が年々増加しているなかで, 研究の実際について新たに時間を使って教育することは不可能に近い. しかし, 学生が積極的に研究に参加して指導を受けることが重要であることは否定できない. このジレンマに米国ではどのように対処しているのか紹介考察した. 個々の研究内容にとらわれるのではなく, 過程を重視し, 学会演題の応募, 発表などの実際の事務手続きの流れを理解することも教育目的の一つにしている.
  • 「告知」の問題を考える
    山崎 久美子, 金子 道成, 古島 わかな, 川口 龍史, 池田 かおり, 大谷 城世, 神田 英一郎, 西山 佳秀, 福原 美穂, 横溝 ...
    1994 年 25 巻 4 号 p. 216-220
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    東京医科歯科大学教養部で開設され, スモールクラス形態で運営されている医療心理学の授業に行動科学的手法を導入した. 教養部学生によって選ばれたテーマは「告知」問題であった. 学生の積極性と自発性を開発するために, 討論や調査体験を含むクラスにおける活動のプロセスが計画された. これらの作業は, 医学教育のなかに人間学的な視座を持ち込む訓練としてたいへん有意義な試みであると思われた. 討論や調査体験のような経験をすることで, 医学生は人間的な態度の形成や行動変容が行われる.
  • 医学部5年生に実施した経験から
    川田 智之, 鈴木 庄亮, 青木 静江, 三田村 道子
    1994 年 25 巻 4 号 p. 221-225
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学部5年生に対して, 生物学医学データベース“MEDLINE”を用いた情報検索実習が1989年から4年間行われた. 実習は1回90分で2回に分けられ, 1回目は教師がデータベース取扱いの説明とデモを行い, 2回目は学生自身がキーワードを入力して具体的に文献検索実習を行う内容である. コンピュータ端末は約11人に1セット用意され, 学生には“MEDLINE”システムでみつけた原著論文の要旨を作成してレポートを提出することが求められる.
  • 宮城島 一明
    1994 年 25 巻 4 号 p. 226-230
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    多くの先進国で喫緊の課題となっている医師数調整については, 医学教育はもちろん, 社会全体の状況との関連において議論し解決されなければならない. ドイツにおける近年の対処方法をみると, 教育および職業選択に関して個人の権利と公共の福祉との間にいかに均衡を見出すかが中枢課題であることがわかる. 医療面・法制度面で少なからぬ社会基盤をドイツと共有するわが国においても, これらの視点が問題解決の鍵になりうる.
  • 真鍋 克己, 中村 信彦, 軸屋 和明, 広川 満良, 山下 貢司
    1994 年 25 巻 4 号 p. 235-239
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    われわれは, 画像診断自己学習装置の開発を行ったのでここに紹介する. この装置は卒前の医学生を対象とし, 5種類 (レントゲン写真, CT像, 血液塗抹像, 皮膚肉眼所見像, 病理組織像) の画像と問題が収納されている. そして, この装置は教室の近くに設置され, 講義の合間に気軽に利用されている. われわれはこの画像診断自己学習装置を教育効果の高い教材として推奨したい.
  • 何 頒躍, 佐藤 武, 武市 昌士
    1994 年 25 巻 4 号 p. 240-244
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    中国における医学教育の現状の紹介のために, 医学院校の類型と等級を始め, 医学職称・地理的配布状況・行政管理・内部機構などを含む大学運営システムについて述べた. さらに, 医学生の類型・教育課程や学習内容・学生生活のスケジュール・娯楽活動・進路 (就職・大学院進学) などを併せて紹介し, 進路先となる病院 (総合病院・専門病院) の種類などにも触れた.
  • 大槻 茂, 佐藤 克久, 関口 俊二, 宮永 禎子, 川下 亜紀子, 鵜木 美帆
    1994 年 25 巻 4 号 p. 245-249
    発行日: 1994/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    われわれはアメリカの医学教育, 医療の見学を目的として1993年3月15日から2週間, フィラデルフィアの上記大学に滞在した. アメリカの医学生の積極的な授業態度, 教育施設の充実ぶり, BSTで医学生が医療に参加している姿などに感銘を受けた. 日本とアメリカの医学教育, 医療の相違を感じ取ることができて有意義な研修であった.
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