公衆衛生学における学生の勉学意欲を改善する目的で, 1986年度から公衆衛生学の授業にセミナー方式による授業を導入している. その方法の詳細は前報に報告した. 1989-92年度にかけて, 夏の前期終了時と秋の閉講時の2回, セミナーを含むカリキュラムは, 質問票を用いて学生によって評価された. 各質問に対する回答は, 4年間を通じて変化が少なく, また前期終了時と閉講時の問にも差はみられなかった. すなわち約70%の学生が他の学生による発表を理解しており, 約50-60%の学生が従来の講義形式よりこの種の授業が効果的だと判断し, さらに60-70%の学生がセミナーの導入に賛成していた. セミナーの有効性を認める意見は実際に発表をした学生にそうでない学生より有意に多く認められた. セミナー方式の授業は公衆衛生学に対する学生の勉学意欲を高めるのに効果的である. 学生の勉学に対する積極性を高めたいと考える教員は, 従来の講義形式を改め, より適切なカリキュラムを工夫することが必要である.
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