医学教育
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26 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 臨床能力の新しい評価法
    伴 信太郎
    1995 年 26 巻 3 号 p. 157-163
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    客観的臨床能力試験 (Objective Structured Clinical Examination: OSCE) は1975年にHardenらによって発表されて以来, 臨床能力評価法として急速に普及しつつある.OSCEではいくつかの部屋 (Station) が用意され, 臨床能力の様々な側面を評価するための課題が出される.課題はあらかじめ評価基準が定められており, 受験者は各Stationを順に回って評価を受ける.
    日本においても臨床能力評価法として今後重要な位置を占めるようになると思われるOSCEについて, その歴史, 運用の具体的なポイント, 長所, 問題点などについて自験例を踏まえて概説した.
  • 谷島 清郎
    1995 年 26 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    英国政府が, 1992年に制定したFurther and Higher Education Actにより, 従来の専門技術教育機関であったポリテクニックなどは, 一斉に, すべて大学に切換えられ, 独自の学位授与権が認められるようになった.この高等教育令制定の背景とその内容を紹介するとともに, 新設大学の1っとしてポーツマス大学を例にとり, その中のとくに医療技術系の学部学科, 教育課程および卒業後の進路 (資格取得や大学院) などについて紹介する.
  • 諸外国とわが国の比較
    庄司 進一
    1995 年 26 巻 3 号 p. 171-175
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    死とターミナルケア教育がわが国の医学校の卒前カリキュラムにどの程度どのように取り入れられているかを調査し, 諸外国との比較を行った.調査は1993年5月から6月にかけて80の医学校を対象に, アンケート調査を行った.回収率は91%で, 卒前カリキュラムに死やターミナルケア教育が含まれている医学校は, 67%であった.これはアメリカ合衆国の約20年前の率に一致する.
  • 久保 喜子, 梅里 良正, 寺崎 仁, 大道 久, 三宅 史郎
    1995 年 26 巻 3 号 p. 177-183
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, チーム医療の推進を図るために医学部5年生に実施している医療管理学実習の内容および方法を紹介するとともに, 学生の実習レポート並びに実習終了直後に実施したアンケート調査の結果から, 実習の必要性やあり方について考察した.この実習は, 学生に患者やコ・メディカルなどの立場にたって医療を見直す機会を与えるものであり, アンケート調査では約90%の学生がその意義を認め, この実習が将来医師となった時, 有効であると考えていた.また, 卒後5年までの医師を対象とした無記名のアンケート調査では, 60%以上の医師が今後もこの実習を学生に続けていった方がよいと回答した.
  • 桜井 勇, 橋本 信也, 尾島 昭次, 佐藤 重房, 高垣 東一郎, 中川 米造, 堀 原一, 牛場 大蔵
    1995 年 26 巻 3 号 p. 189-193
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    入学者選抜方法を改善するために, 大学選択に関わる医学生の意識について, 20医学校 (国立新設4, 旧設6, 公立3, 私立新設4, 旧設3) の学生計1,641名にアンケート調査をした.医学部志望者は医師という職業人になるため, 当然のことながら学部選択の意志は強い.大学を選ぶための重要な因子は,(1) 地理的条件,(2) 有名大学,(3) 総合大学,(4) 低廉な学費, などである.大学の目標, 理念, 設備, 教育環境や教授陣などの要素で選ぶことは少ない.大学は設立の目的, 歴史, 教育環境などにつき高等学校や高等学校生徒に向かって広報活動をし, 大学選択のための参考を提供すべきである.
  • 福間 誠之, 岩崎 榮, 高久 史麿, 細田 瑳一, 日野原 重明, 岩田 嘉行, 植村 研一, 石田 清, 道場 信孝, 永積 惇, 加我 ...
    1995 年 26 巻 3 号 p. 195-199
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    卒後教育委員会で提案した卒後臨床研修目標を達成するための方略について検討して研修プログラムを作成した.このプログラムは臨床研修を開始する前に医師として診療に従事するに必要な知識, 態度を修得するためのオリエンテーションを重視し, ワークショップや看護実習を取り入れている.基礎的臨床能力を修得するためには複数科のローテーションが望ましく, また, 当直, 日直などで救急医療の研修をすることが必要である.
  • 栗原 幸男
    1995 年 26 巻 3 号 p. 201-205
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高知医科大学では臨床医学教育の改善を図るためCAI (Computer-Assisted Instruction) 利用の試みを進めている.今回, 医学教育におけるCAI利用を積極的に進めてきた米国の医科大学の経験を学ぶため, 5医科大学と2医学教育関連の施設 (アメリカ医科大学協会 (AAMC) と医師国家試験機構 (NBME)) とを視察し, 医学教育法とコンピュータの利用方法についての調査を行った.その結果, 教育法としては問題解決型教育が広がりつつあり, それと平行してコンピュータも有効に利用されていることがわかった.カリキュラムの中でのCAI利用は基礎医学教育での利用が主体であり, 臨床医学教育でのCAI利用は学生による自主学習での利用がほとんどである.しかし, 現在広がりつつあるグループ学習による問題解決型教育においては症例シミュレーション・システムを教材として積極的に利用してゆく計画がある.また, NBMEでは医師国家試験に症例シミュレーション・システムを利用する準備が進められており, 今後臨床医学教育においてもより積極的にコンピュータが利用されてゆくと予測される.
  • 三好 知明, 堀越 洋一, 仲佐 保, 田邊 穰, 喜多 悦子, 我妻 堯, 川井 三郎
    1995 年 26 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    サンタクルス総合病院外科のレジデント制度を例として, 途上国での臨床技術協力における医学教育の重要性について言及した.とくに卒後医師教育は途上国でも重要であり, その国の状況に応じたカリキュラム開発が求められる.技術協力も長期的視野にたって行われるべきであり, 人作りが基本となることは医療の分野でも同様である.今後は単なる専門技術移転だけでなく, 途上国での医学教育についての専門家も求められている.
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