平成9年の医師国試から採用された五肢複択形式であるX2形式では, 五肢単択形式であるK2形式に比べ, 全く知識がない場合の偶然正解率が20%から10%へ下がるなどの点で改善されているが, 80%の知識量 (選択肢5つ中4つが判別) で正解率100%に達する欠点は共通である. このような特性を検討するため知識量 (5つの選択肢中正誤を判定できた数) と予想正解率の間の関数関係を導き検討した. また, 五肢複択形式は指示する正解数をある範囲で指定可能な点に注目し, 指示正解数「0または1個」などの形式について受験生の知識量と予想正解率の関係を検討したところ, 正解数を1または2とするX
1, 2形式で, 知識量0~5個での正解率が7%, 13%, 25%, 43%, 70%, 100%, 正解数を2または3とするX
2, 3形式で5%, 10%, 20%, 40%, 70%, 100%となり, 知識量80%と100%の差を正解率に反映可能な点でK
2やX
2形式より優れていると考えられた.
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