筑波大学医学専門学群では, 1996年度より1年次学生に早期体験実習 (early exposure) として, 附属病院における看護等体験実習, 学外施設における介護等体験実習を必修化している.本研究では, 実習の体系が定まった1999年度と2000年度について, 学外実習施設の種類, および附属病院実習と学外実習の順序に焦点をあてて検討し, より良い早期体験実習の形を提言することを目的とした.対象者は医学生195名である.学外施設は, 特別養護老人ホーム (介護老人福祉施設), 老人保健施設 (介護老人保健施設), 訪問看護ステーションのいずれか1つを無作為に割り振り, 2日間計16時間, 介護などを体験する実習を行った.附属病院実習は, 大学病院の10病棟に学生を2名ずつ割り振り, 3日間計12時間の看護などを体験する実習を行った.学外実習と附属病院実習の順序は無作為に割り付けた.各実習終了後に実習の満足度を問う自記式調査票を提出させた論学外実習施設としては, 訪問看護ステーションの満足度が最も高く, 以下, 老人保健施設, 特別養護老人ホームの順であった.学外実習と附属病院実習の順序に関しては, 先に附属病院実習を終えてから学外実習を体験した者の方が, 学外・附属病院の両実習において満足度が高く, 附属病院実習を終了してから学外施設実習を行う方が望ましいことが示唆された.今後はこの結果を踏まえて, 早期体験実習カリキュラムを変更していく予定である.
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