医学教育
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33 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • アンケート調査結果報告
    堀内 三郎, 尾島 昭次
    2002 年 33 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    日本の医科大学における大学単位の医学教育ワークショップの開催状況を, 全国80医科大学.医学部を対象に質問紙法により2001年2月に調査した.回答率は100%(80大学) であった.各大学が実行していると回答した割合は, 92.5%(74大学) であった.1996年では, 50%(40大学) であり, この5年間に急速に大学単位の医学教育ワークショップが開催されるようになったことが明らかになった.また, カリキュラム・プランニングをテーマとした医学教育原理のワークショップを修了した全国の教員は10~20%前後であることも明らかになった.
  • シミュレーション訓練を取り入れた二次救命処置教育プログラムの作成
    谷川 攻一, 武田 卓, 友尻 茂樹, 喜多村 泰輔, 後藤 英一, 田中 経一
    2002 年 33 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    国際的なガイドラインに基づいて医学部学生を対象とした成人ACLS講習を実施し, その問題点について調査検討を行った.対象は福岡大学医学部5年生93名であり, 4~6名1グループに分け, 2日間のACLS講習を行った.講習ではシミュレーション訓練 (MEGAcode) に重点を置いた.教育効果確認のために38項目よりなる筆記試験を行った.器具を用いた気道確保法 (正答率: 78.1~98.4%), 心室細動に対する治療アルゴリズム (正答率: 81.3~95.3%) は満足できる結果であった.一方, 薬物療法や薬物治療に関連する心静止や無脈性電気活動アルゴリズムに対する正答率は低かった.
  • 古谷 伸之, 福島 統, 阿部 俊昭
    2002 年 33 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    東京慈恵会医科大学では問題解決型思考の開発と学習意欲の高揚を目的に, 4年次前臨床教育としてのテユートリアル教育を平成11年4月より開始した.多面的なアプローチによる探索学習に重点を置いた患者モデルを作成し, 学生主治医グループが総合医学的な診療戦略を学べるよう配慮した.最初の情報を事前配付資料により提供した後, 1週ごとに2回または1回構成のテユートリアル演習を行う.演習はステップごとにminimum requirementを設け, さらにdiscovery learning (探索学習) を促進するため, プリント, 供覧資料のほかテユータによる口頭での回答項目を豊富に用意した.前後の自己学習とテユータからのフィードバックによる問題の抽出と解決が学習の主体となる.試験はmulti-station examinationを導入し, テユートリアル教育の目的と方法論の習得ができるよう配慮した.平成12年度の5年次臨床実習における学生へのアンケートでは, 85%が5年次臨床実習に行うために本テユートリアル教育が必要であったと回答しており, 問題解決型思考の獲得が臨床実習へのスムーズな導入に貢献していると思われた.
  • 庄司 進一
    2002 年 33 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ターミナルケア教育のための大教室授業におけるロールプレイの教育効果を判定するために, 学生の書いた感想文を分析した.「看護者への怒り」と題した, 末期癌を受容できない患者の苛立ちと不安が看護者への怒りとなるロールプレイの後の感想文を分析した.83%の学生は精神的ケアの重要性に気付き, 80%の学生はその精神的ケアの困難さについて言及し, 70%の学生はその精神的ケアには医療者が患者に対し受容・共感・支持することが重要と気付き, 22%の学生はその精神的ケアの方法に言及していた.
  • 筑波大学医学専門学群における経験
    柳 久子, 戸村 成男, 森 淑江, 江守 陽子, 紙屋 克子
    2002 年 33 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    筑波大学医学専門学群では, 1996年度より1年次学生に早期体験実習 (early exposure) として, 附属病院における看護等体験実習, 学外施設における介護等体験実習を必修化している.本研究では, 実習の体系が定まった1999年度と2000年度について, 学外実習施設の種類, および附属病院実習と学外実習の順序に焦点をあてて検討し, より良い早期体験実習の形を提言することを目的とした.対象者は医学生195名である.学外施設は, 特別養護老人ホーム (介護老人福祉施設), 老人保健施設 (介護老人保健施設), 訪問看護ステーションのいずれか1つを無作為に割り振り, 2日間計16時間, 介護などを体験する実習を行った.附属病院実習は, 大学病院の10病棟に学生を2名ずつ割り振り, 3日間計12時間の看護などを体験する実習を行った.学外実習と附属病院実習の順序は無作為に割り付けた.各実習終了後に実習の満足度を問う自記式調査票を提出させた論学外実習施設としては, 訪問看護ステーションの満足度が最も高く, 以下, 老人保健施設, 特別養護老人ホームの順であった.学外実習と附属病院実習の順序に関しては, 先に附属病院実習を終えてから学外実習を体験した者の方が, 学外・附属病院の両実習において満足度が高く, 附属病院実習を終了してから学外施設実習を行う方が望ましいことが示唆された.今後はこの結果を踏まえて, 早期体験実習カリキュラムを変更していく予定である.
  • 荒木 葉子, 橋本 葉子, 澤口 彰子, 香川 順
    2002 年 33 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    日本女医会は2000年7月に女性医師 (女医) の学会活動の現状調査を行った.日本医学会所属92学会に質問票を送付し, 85学会から回答を得た (回答率92.4%).女医数無記載が54学会 (63.5%) で, 女医数の多いのは, 内科, 小児科, 眼科, 皮膚科, 女医割合が多いのは, 皮膚科, 眼科, 小児神経, 小児科であった.ほとんどの学会で女医の専門医・認定医取得率は全体取得率よりも低かった.理事.評議員の女性会員選任率も低かった.専門医・認定医更新期間延長条件に妊娠, 出産, 育児を認めているのは2学会, 学会託児所は7学会であった.男女別データの整備, 専門医等取得率や役職選任率が低い原因究明と対策が望まれた.
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