日本の医学教育改革がドラスティックに進められている中で, 社会医学系の教育改革も緊要な課題となっている.われわれは, 1978年来, 23年間にわたりコミュニティ基盤公衆衛生教育を継続して展開している.この教育モデルは, Family Health Practiceをコアとし, 学生主体の自主講義, 教官による系統講義, コミュニティヘルスへの参加行動研究, 健康福祉政策提言などで構成されており, 学生の主体的教育参加, ヘルスコミュニケーション能力の向上, 生物・心理・文化・地域複合体としてのコミュニティの問題把握, 学生およびコミュニティのエンパワーメント, 地域医療・健康福祉の総合的アプローチの理解などに効果的であった.今後, コミュニティ基盤教育モデルの研究開発が急がれる.
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