医学教育
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34 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 地域での医学教育Community-Based Medical Education
    鈴木 淳一, 相澤 好治, 福島 統, 森田 孝夫, 松岡 健, 庄司 進一, 吉岡 俊正, 堀 原一
    2003 年 34 巻 3 号 p. 141-146
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    『医学教育』第34巻・第3号では, 特集「大学外卒前医学教育地域での医学教育Community-Based Medical Education-」を組みました. 特集の一環として, 編集委員会のメンバーによる座談会を開催しました. 私ども編集委員会がなぜ, この企画を行ったのかをご理解いただくとともに, これからの医学教育における地域の教育力を皆様とともに考えていきたいと思います. ここに座談会の記録を掲載いたします.
  • 中村 忍
    2003 年 34 巻 3 号 p. 147-152
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現在の大学附属病院が, 多様化している卒前の臨床実習の場として適切か否かについて考えてみた. 臨床実習前の基本的知識および標準的な診察技能の習得には, 統一した指導が必要であり, 大学内での教育が必要であると考えられる. しかし, その後の臨床実習, とくにプライマリ・ケア, 生活習慣病および在宅医療の実習, 体験などは現状の大学附属病院では十分には行えない. 学外の医療機関と密接な連携を取って積極的に地域医療参加型の実習を行うべきと考える.
  • 松村 理司
    2003 年 34 巻 3 号 p. 153-157
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    地域病院での医師像は臨床医が主流であり, 大学附属病院での研究者的医師像とは異なる. しかし, 教育者の性格をも帯びるためには, 数々の一般的な刷新や工夫が欠かせない. クリニカル・クラークシップの構築, EBMの浸透, 議論の深化, 説明の徹底化, コメディカルとの協働などが挙げられる. 地域病院での卒前医学教育の対象は, 病院プライマリ・ケア, 総合診療および救急医療が主体になるべきかと考えられる. 当院内科での実践についても記したい.
  • 白浜 雅司
    2003 年 34 巻 3 号 p. 159-163
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    卒前教育における診察所実習で, 学生は, 外来診療の見学補助だけでなく, デイサービスへの参加, 往診, 予防接種, 職場巡視, 健康教育, 高齢者サービス調整会議への出席など, さまざまな活動に参加する. このような実習を通して学生は, 患者と医師の親密な関係, 患者・家族の生活背景を考慮した医療, 継続的な医療, 適切な専門医療機関との連携, 医師以外の看護師, 保健師, ヘルパー, 福祉担当者などとの連携, 地域の医療保健福祉資源を有効に利用したケアなど, プライマリ・ケアで重要な項目を具体的に体験している.このような概念を大学病院や大病院で効果的に教えることは難しい.筆者自身の経験を通して, 今後このような診療所実習を普及するための方策や課題について述べる.
  • 能動態か受動態かその背景
    小西 友義
    2003 年 34 巻 3 号 p. 164-165
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 岡山 雅信, 梶井 英治
    2003 年 34 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医療を取り巻く環境が大きく変化し, 地域医療の確保および充実の必要性が増している.自治医科大学では, 地域医療現場での2週間の臨床実習を, すべての5年生に1998年から実施している. この実習では, 地域医療の実践に必要な知識と技能のみならず, 地域医療の楽しさ, やりがい, 喜びといった態度を学ぶことも目的としている.実習内容には, 外来診療または病棟実習だけでなく, 地域医療活動 (保健, 福祉分野など) を積極的に取り入れている.学生による実習の評価も高く, 地域医療や将来への思いについてよい印象をもたらしている. 卒前医学教育において, 地域医療の確保および充実の視点で, 地域医療現場での実習の必要性が増すであろう.
  • 山根 洋右, 塩飽 邦憲, 北島 桂子, 樽井 恵美子, エルデムビレグ アヌラード, ビアムバー エンヘマ, 米山 敏美
    2003 年 34 巻 3 号 p. 177-183
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    国際的な公衆衛生の改革を概観し, われわれの地域を基盤とした公衆衛生学卒前医学教育の実践例を紹介した. 地域における健康福祉のまちづくり活動の中で, 学生も教官と共に, 大学・市町村・住民の協働活動に参加し, コミュニティダイナミクス, 参加行動研究の技法, 政策形成プロセスなどを学ぶことが, 公衆衛生学教育において効果的であることを報告した. 今, 卒前・卒後教育を通じた新しい公衆衛生学の教育研修の戦略として, 市町村と諸社会的資源と大学との健康福祉のまちづくり協働プロジェクトを推進することが重要と考えられる.
  • 庄司 進一, 大林 雅之, 赤林 朗, 森下 直貴, 白浜 雅司
    2003 年 34 巻 3 号 p. 187-192
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医療倫理教育のワークショップが全国から大学教官, 病院指導医など28名を集めて2002年11月に岐阜で初めて開催された.各種の医療倫理教育の技法を学ぶ試みは一定の評価を受けた. ワークショップの実際と参加者の評価を報告する.
  • 患者-医師関係に対する医学生のさまざまな探求も含めて
    駒沢 伸泰, 飯塚 徳重, 筒井 秀作, 川崎 富夫, 杉原 勝子, 松澤 佑次, 門田 守人
    2003 年 34 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現在, 日本の医学教育においては, 医学部の学生を低年次の間に何らかの形で患者と接触させ現実の医療現場を観察させるという早期臨床体験実習が行われ始めている. 高年次における臨床実習では, 医師の視点から見る医療現場という側面が強くなってしまうが, 医学的知識も少ない低年次においては, 医療現場を, 医療者でもなく患者でもない第三者の立場から観察することができる. 今回, われわれは全国数か所の大学の医学生にコミュニケーションを中心とした早期臨床体験実習に関するアンケートを行い, 医学生たちが実習で何を感じたかを調査した. また, 大阪大学で見られた実習後の学生達の自発的な探求活動についても報告する. 早期臨床体験実習は学生達に医療の現場のさまざまな側面を認識させ, 医療における問題意識を与えることができると言えるのではないだろうか.
  • 栗原 幸男, 小田 勝志, 倉本 秋, 瀬尾 宏美, 松浦 喜美夫, 三木 洋一郎, 渡部 輝明, 信崎 睦男, A. Karim QAYU ...
    2003 年 34 巻 3 号 p. 199-206
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    欧米では非常に多くの医学教育用コンピュータ教材が開発されているが, 日本の医学教育において利用されている教材は少ない.利用を広げるためには, 言語と導入費用の壁を乗り越えなければならず, 有用性に関する十分な評価が不可欠である. その評価の実施には, 教材を開発した教育機関と連携することが必要である. 今回, 高知医科大学 (KMS) はブリティッシュ・コロンビア大学 (UBC) の提案からそのような共同評価実験に参加する機会を得た・評価対象教材はUBCが開発した臨床技能教育支援用コンピュータ教材CyberPatientである. 本実験には6か国から14の医学教育機関が参加した. KMSでの実験は2001年12月にほぼ成功裏に実施された. しかし, 国際共同評価実験という点では, 教材の外国語の扱い, 迅速な情報伝達の確立, 突然の実験仕様変更への柔軟な対応および実験仕様の統一の確保という点では問題があった.
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