問題解決型能力の総合的評価は困難であり, 評価法の確立はなされていない.概念地図評価法は, 従来の客観試験では評価しにくい学習者による知識の体系化や活用の仕方の評価に活用できる可能性が報告されている.このため, 問題解決能力育成のための国立保健医療科学院における卒後研修の教育評価に概念地図法の応用を試みた.医師, 保健師など35名の対人保健および地域保健組織活動の研修コースにおいて, 研修前後に公衆衛生または地域保健組織活動をテーマにした概念地図を描かせた.概念地図を定性的に概念, 概念リンク, 階層, 知識領域, クロスリンク, 具体例の記載内容で評価した.概念地図の概念的枠組みに個人差や職種差があること, 概念地図法の活用による概念的枠組みの明確化が問題解決能力の強化に役立つことが示唆された.また, 研修前後で概念的枠組みに変化が認められることから, 概念地図法による問題解決能力の教育評価が可能と考えられた.
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