本学4年次を対象に自動体外式除細動器automated external defibrillator, AEDを用いた一次救命処置basic life support, BLSについての客観的臨床能力試験objective structured clinical examination, OSCEを施行した. 医学生は二次救命処置advanced cardiovascular life support, ACLSに精通すべきとの意見もあるが, 4年次終了時という時期を考えると尚早である. 一次救命処置BLSは医師になる以前に習得すべき基本手技であり, 臨床実習開始前に客観的臨床能力試験OSCEを行うべきであろう. しかし, その中にはGuidelines 2000にも盛り込まれているように, 一次救命処置BLSとしての自動体外式除細動器AEDの使用が含まれるべきである. 今回, 自動体外式除細動器AEDを用いた一次救命処置BLSについての客観的臨床能力試験OSCEを施行するにあたって, 設問・出題・評価方法などを案出したが, いくつかの問題点が指摘できた. 中でも, 評価基準の不徹底, 評価者毎のバラつきは客観性が高いとされる客観的臨床能力試験OSCEの信頼性に関わる問題である. これらを是正したのちには, このような試験が広くわが国で施行されるべきである.
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