医学教育
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39 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 堤 明人, 高屋敷 明由美, 後藤 大輔, 松本 功, 伊藤 聡, 森田 倫子, 大塚 藤男, 中山 凱夫, 住田 孝之
    2008 年 39 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    筑波大学医学専門学群医学類では1年生を対象に筑波大学附属病院において外来初診患者エスコート実習を行っている. 学生は患者の新来受付から帰宅の途につくまでの全戸程に原則同行する. 本実習が学生の臨床医学勉学への動機づけになり, 患者側に戸大な負担や悪い印象を与えていないことを検証することを目的とした.
    1) 本実習に関し学生及び協力患者双方に対しほぼ同内容のアンケートを行い, 意識調査を行った.
    2) 学生のレポートでは待ち時間の長さや病院の構造上の問題を指摘するものが最も多く, 次いで医師の患者に対する態度について述べたものが多かった.
    3) アンケートの結果では患者側, 学生側とも本実習の意義を高く評価していた.
    4) 患者側, 学生側のアンケートの結果間に著明な不一致はなく, むしろ患者側に本実習の意義を高く評価する傾向が見られた. 長時間他人が横にいることが多少ストレスになったとするコメントが1件みられた.
    5) 大学附属病院に対する期待や不安, 医師や医学生に対する思いといった患者の心情に接することが可能な本実習は早期体験プログラムの一環として適切であると思われた.
  • 卒前医学教育への前倒し導入に関して
    石川 雅彦, 遠藤 弘良, 林 謙治, 篠崎 英夫
    2008 年 39 巻 1 号 p. 19-27
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    新医師臨床研修制度の導入に伴い, 卒前医学教育のあり方や初期臨床研修修了後の医師養成のあり方の変容が求められている.
    平成18年春に, この新制度の修了者が初めて誕生したが, 臨床研修で習得すべき到達目標のうち, 卒前医学教育に前倒しして実施することが可能な項目があれば卒前医学教育の充実と初期臨床研修の効率化につながると考える.
    1) 今回, 臨床研修の到達目標を再評価して, 臨床研修の到達目標のうち, 卒前医学教育への前倒し導入が可能な項目に関する調査を行った.
    2) 25の研修病院 (大学病院, 臨床研修病院) の指導医211名と新医師臨床研修制度を修了した3年目の後期研修医184名を対象として, アンケート調査を行った.
    3) その結果, 基本的な診察法・検査・手技で, 患者に侵襲を与える可能性が低い項目に関しては, 研修医, 指導医とも卒前医学教育への前倒しに積極的であった.
    4) 患者に侵襲を与える検査や治療羞恥心への配慮が必要な手技に関しては, 研修医, 指導医とも, 前倒しに消極的であった.
    5) 今後は, 実際に患者に対峙する前のシミュレーション教育の充実と, 指導医の人材確保等を含めた, 卒前・卒後の一貫した研修システム構築が必須である.
  • 橋本 信也
    2008 年 39 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 医師の生涯教育は「医療の質の向上」, 「患者安全確保」のために重要であり, 専門職としての医師に課せられた責務の一つである.
    2) 医師の生涯教育はその職務を全うするために研鐙する学習で, 一般社会で言われる生涯学習とは異なることを銘記すべきである.
    3) 医師の生涯教育は医師会と学会の両者が別個に行っておりその現状を紹介し, 問題点を指摘した. 古い歴史を有する米国の生涯教育についても紹介し, 妥当な点は取り入れるべきである.
    4) 医療制度改革の手法として英国に登場したクリニカルガバナンスを基盤としたCPDについて説明した. CPDは医師の臨床能力の向上を図るための新しいパラダイムである.
    5) わが国における医師の生涯教育をより良いものに再構築するための検討課題を提起した. とくに生涯教育を専門に協議し, 管理・運営する第三者機関の設置が望まれる.
  • 齋藤 恵, 菅野 義彦, 椎橋 実智男, 荒関 かやの, 大西 京子, 西村 重敬, 別所 正美
    2008 年 39 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 本学大学病院で臨床研修を行った49名の研修医に対して記名アンケート方式による卒後臨床研修評価を実施した.
    2) 研修の全般的満足度は高かったが, 診療科によるばらつきが認められた.
    3) 診療科の評価と研修医一人当たりの指導医数には相関を認めなかった.
    4) 研修環境について積極的に評価を行い, それによってシステムを改善することが, よりよい環境を提供するために重要である.
  • Alan TEO, 青木 昭子, 後藤 英司
    2008 年 39 巻 1 号 p. 47-49
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 平成16年度に新医師臨床研修制度が始まり, 「研修医」の定義が明らかとなった.
    2) 本邦では「研修医」が「レジデント」と同意で使われることが多いが, 多くの診療科をローテートする「研修医」は米国の制度では「インターン」に当たる.
    3) 米国の「レジデンシー」は本邦の「後期研修制度」に対応する.
    4) 卒後年数を示すPostgraduate Year (PGY) は, 研修医, 初期 (前期) 研修医, 後期研修医, ジュニア・シニアレジデントなどの用語の混乱を防ぎ, 卒後教育の流れを表すわかりやすい表記法と考える.
  • よりよい外来診療教育にするために
    團野 大介, 藤本 眞一, 山本 由香, 水野 麗子, 前田 光一, 神野 正敏, 松村 雅彦, 藤本 隆, 中村 忍
    2008 年 39 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 我々は, 医療面接を担当した学生の評価, 実習の運営の評価, および外来診療教育に対する患者の認識について質問して評価した. また患者の自由な意見を求めた.
    2) 外来診療全体に対する患者の評価, および外来診療教育についての患者の認識はおおむね良好であったが, 一部に診療時間の短さと医学生の医療面接に対する不安感を訴える例があった.
    3) 医学生への期待感から医学教育に積極的に関わりたいという患者が多かった. また, 面接実習が患者の「話を聞いてもらいたい」という希望をかなえる側面をもつことが明らかになった.
  • 『日本医学会医学用語辞典 (英和) 』第3版の編集方針
    伴信 太郎
    2008 年 39 巻 1 号 p. 55-64
    発行日: 2008/02/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    日本医学会分科会用語委員会は日本医学会加盟の全学会から代表委員が出て, 用語統一を行っています. 医学用語は専門用語 (【例】上皮小体VS副甲状腺) や漢字 (【例】頚VS頸) が複数あるものが少なくなく, その歴史は大変興味深いものがあります. 今般医学用語辞典 (英和) 第3版の出版にあたり, 用語統一の経緯について書かれた日本医師会雑誌掲載の論文の転載許可が得られました. 会員の皆様にも, 是非一読をお勧めします.
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