医学教育
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39 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 松尾 剛志, 渡邊 玲子, 平山 直輝, 星子 新理, 早稲田 文子, 松本 充峰, 菊池 正雄, 稲垣 浩子, 高木 信雄, 石川 正
    2008 年 39 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    モニター心電図の最前線にいる看護師には心電図判読能力が高いことを期待する. しかし, 看護師の心電図習得は容易ではない. これは心電図に対する気持ちや考えの問題が一因と考え検討した
    1) 当院在籍の看護師197名, 新規採用看護師43名に第一次アンケート調査を行い, さらに心電図試験を行った看護師37名に対して第二次の詳細なアンケート調査を行った.
    2) 心電図の必要性・重要性は十分認識しており, 読めるようになりたいと思っているが, 心電図は嫌いで苦手であるとも思っている. 嫌いという意識より苦手意識が強いのが特徴である.
    3) 苦手意識は, 学生時代から先入観という形で作られ始め, 看護師として就職後もその環境により持続されていることが推測された.
    4) 理解不良群は多くの苦手意識項目を持っていた. 特に学習前の気持ちの問題 (恐怖感など) が強く, 心電図を避けようとする傾向があった. 苦手意識が心電図習得困難の一因と考えた.
    5) 今後は, 看護師の心電図に対する意識状態, 特に苦手意識を十分配慮した教育方法を心掛けることが大切である.
  • Phillip EVANS, Yasuyuki SUZUKI
    2008 年 39 巻 2 号 p. 87-91
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 医師など医療専門家として資格を与えられる者は, 卒業時点で確かな実践力と, 将来の変化に適応できる能力を備えているべきである
    2) 「コンピテンス」で表現される教育モデルは, 正確な技能教育にとっては有用な概念であるが, 妥当な臨床判断力・医療の進歩に対する適応力については必ずしも触れられていない.
    3) 「アウトカム」の概念には, 正確な技能修得とともに, 正しい臨床判断力と, 専門家として常に診療能力を向上させてゆく姿勢が含まれており, これらをカリキュラムの基本として学生に示すことが重要である.
  • Phillip EVANS, Yasuyuki SUZUKI
    2008 年 39 巻 2 号 p. 93-96
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 高度職業人としての医師を育成するために, 「コンピテンス」よりも「アウトカム」の概念に基づいた医学教育が導入されつつある.
    2) 卒前においても卒後においても, 医師としての能力 (実践・判断・適応力) を評価するさまざまな新しい評価法が導入されてきた.
    3) 有能な医師を育成するための教育原理は世界共通であり, 各国の医学教育分野のリーダー達は, 有能な医師育成をめざして, 伝統的な教育に変革を導入しつつある.
  • 櫻井 晃洋, 古庄 知己, 和田 敬仁, 涌井 敬子, 福嶋 義光
    2008 年 39 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 遺伝に関する用語の認識や意識について, 信州大学医学部医学科と同教育学部学校教育教員養成課程に入学した新入生を比較した.
    2) 医学部学生は教育学部学生と比較して遺伝学的用語の認知度が高かったが, 用語の理解は必ずしも正確ではなかった.また認知の程度は高校における生物の履修とは関係がなかった.
    3) 遺伝に関する正確な知識はすべての医療者に求められるものであり, 医学教育の中においてどのように臨床遺伝医学を位置づけ, どう教育していくべきか, 早急な体系づくりが望まれる.
  • 大木 いずみ, 尾島 俊之, 渡邉 至, 上原 里程, 岸 浩一郎, 中村 好一
    2008 年 39 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    医学教育において, データ処理, 文献検索, プレゼンテーション, インターネットの活用といった様々な情報活用知識や技術の習得が必要とされている. そこで, 自治医科大学医学生のコンピュータ使用状況を経年的に調査し, その傾向を明らかにする目的で行った.
    1) 1998年, 2002年, 2006年の3時点で自治医科大学医学部学生の疫学実習該当学年全員に対し, 実習開始前にコンピュータに関する調査を行い, 経年的に観察した.
    2) 調査内容は, コンピュータ使用頻度, 所有の有無, ワープロ・表計算・統計計算ソフト, インターネットの使用状況などである.
    3) ワープロソフトの使用, 所有は比較的早い時期から高くなり, 次に表計算, 統計計算ソフト, インターネットが急速に普及した. コンピュータを使っていない学生は, 1998年の22%から, 2006年は2%に減少した.
    4) 社会の変化とともに, ニーズにあった医学情報教育が今後も必要である.
  • 多田 剛, 櫻井 晃洋, 井川 靖彦
    2008 年 39 巻 2 号 p. 109-113
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    本学では平成18年12月平日の業務終了後に准講会 (准教授・講師の会) が自主的に医学教育のミニ・ワークショップを開催した.ここでは医学生のモチベーション, ユニット講義アーリーエクスポージャー, 自主研究演習を課題として取り上げ, そのための工夫を話し合った.プロダクトの中より以下の3項目が平成19年度以降のカリキュラムに取り入れられることになった.
    1) 学生のモチベーションを高めるため5, 6年合同の症例呈示講義を行う.
    2) 全女子学生に女性医師としての職業意識を持たせる講義を行う.
    3) 医療人としての将来を自覚させるため, 新入生に病院・診療所見学体験実習を実施する.
  • 石川 雅彦, 平尾 智広, 前沢 政次
    2008 年 39 巻 2 号 p. 115-119
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1) 卒前医学教育における医療安全教育の現状を知るために, 全国の医学部・医科大学に対して調査を行った.
    2) 回答した教育機関の87. 5%で卒前に医療安全教育が実施されていた. 教育内容は, 事故防止, コミュニケーション, 危機管理医療倫理などであり, 学生の反応も良好であった.
    3) 卒前の医療安全教育実施上の課題としては, 教育評価, 教育方法, 教育担当者に関することなどが挙げられていた.
  • 渡辺 賢治, 西村 甲, 石毛 敦, プロトニコフ グレゴリー, 相磯 貞和, 北島 政樹, 天野 隆弘
    2008 年 39 巻 2 号 p. 125-129
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1) 慶鷹義塾大学医学部漢方医学教育として, 第3学年対象の自主選択必修科目「漢方薬はなぜ効くか」10コマ, 第4学年対象の必修科目「漢方医学」8コマ, および週3日4カ月間行う自主学習.
    2) 「漢方薬はなぜ効くか」では, 漢方薬の作用機序を示し, 「漢方医学」では, 臨床的な漢方医学の基礎について, 必要最小限の理解すべき項目をチェックシートとして学生に配布.
    3) 自主学習では, 漢方薬の作用機序, 効果に関する基礎研究に参加.
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