医学教育
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41 巻, 6 号
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原著―総合的研究
  • 阿江 竜介, 岡山 雅信, 関根 沙耶花, 竹島 太郎, 梶井 英治
    2010 年 41 巻 6 号 p. 403-410
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    プライマリ・ケア(PC)医の養成と充足は,わが国だけでなく諸外国でも同様に喫緊の課題として認識されている.しかし,研修医がPC医への進路を選択する意思決定に,どのような医学教育が影響を与えているかは明らかにされていない.そこで我々は,後期研修医が将来のキャリアとしてPC医を目指す進路志向に関連する要因を検討した.
    ・無作為に選出された281の臨床研修指定施設のうち137施設(48.8%)が回答した.卒業後3年目または4年目の後期研修医724人を対象に自己記入式質問紙調査を実施し,将来のキャリアとしてPC医を志向する群(n=175, 24.2%)と専門医を志向する群(n=549,75.8%)についての比較を行った.
    ・さらに,卒前に将来のキャリアとして専門医を志向していた者(n=442,61.1%)の中で,初期研修後にPC医への進路志向に変化した群(n=33,7.5%)と変化しなかった群(n=409,92.5%)についての比較を追加した.
    ・卒前からPC医への進路を志向していた者(調整オッズ比 (95%信頼区間):9.85 (6.24-15.5)),現在(後期研修中に)PC医として勤務している者(7.58 (4.92-11.7)),将来へき地勤務を希望する者(2.24 (1.36-3.68))が,将来のキャリアとしてPC医を有意に志向する傾向があった.
    ・卒後にへき地での研修を体験した後期研修医は,将来の進路志向が専門医からPC医に変化する傾向があった(粗オッズ比 (95%信頼区間):2.18 (1.05-4.49)).卒後のへき地体験は,研修医の進路志向の変化に影響を及ぼすことが示唆された.
    ・へき地での研修を組み入れた卒後のPC教育は,将来のPC医の養成と充足に効果的に寄与する可能性がある.
原著―探索的研究
  • ―順天堂大学医学部の女性卒業生を対象とした質的調査―
    山崎 由花, 堀口 逸子, 丸井 英二
    2010 年 41 巻 6 号 p. 411-416
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    1) 卒後5年以下の卒業生は仕事と私生活の両方の充実を望み,仕事を継続するためにライフスタイルに合った専門科の選択を挙げた.この価値観は先行研究でも指摘されている様に,この世代の若者に特有の価値観と考えられた.
    2) 卒後31年以上の卒業生は,女子医学生が稀少な時代に医学部に入学し,女性医師が今後も存在するためにも「私達が頑張らなければ」という思いで仕事を継続したが,子育てや仕事のことで後悔する者もいた.
    3)女性医師が直面する性差別,出産,育児に関する問題は両世代で共通して存在した.
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