医学教育
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45 巻, 2 号
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教育実践研究
  • 渡部 健二, 和佐 勝史, 濱崎 俊光, 樂木 宏実, 土岐 祐一郎
    2014 年 45 巻 2 号 p. 63-68
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
    背景 : 大阪大学で新しく導入した臨床実習総括試験の特性を明らかにするため,当試験の成績を他の試験と比較検討した.
    方法 : 比較対象は,基礎医学,臨床医学,共用試験CBT,共用試験OSCE,クリニカル・クラークシップとした.
    結果 : 当試験との相関を示すPearson相関係数は全般的に低値を示した(基礎医学 0.32,臨床医学 0.36,共用試験CBT 0.44,共用試験OSCE 0.39,クリニカル・クラークシップ 0.24).主成分分析の結果,当試験,共用試験OSCE,クリニカル・クラークシップは1つの組を形成し,基礎医学,臨床医学,共用試験CBTは別の組を形成した.
    結語 : 当試験は既存の試験とは異なる観点の試験であり,技能,態度,コミュニケーション,臨床推論などが包括的に求められる臨床的課題解決能力の指標となる可能性が示唆された.
  • ―2大学3年間の学生による評価票調査から―
    鈴木 富雄, 阿部 恵子, 佐藤 元紀, 伴 信太郎, 松井 俊和, 石原 慎, 大槻 眞嗣
    2014 年 45 巻 2 号 p. 69-78
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
    背景 : SP参加型の診療シミュレーション実習の報告は少ない.
    方法 : 2大学の5年生に実習を施行し,学生による評価票を検討した.
    結果 : ほとんどの学生が実習は有意義でもっと実習を受けたいと答え,診療の一連の流れができたか,鑑別診断を考えながらできたかの問いには,多くの学生が低い自己評価であったが,身体診察中の患者配慮に関しては約5割の学生ができたと答えた.学生はリアリティと緊張感のある設定で,初めて体験する診療の一連の流れに難しさを感じながらも,さらなるモチベーションを高め,SPからのフィードバックを重要と感じた.
    考察 : 学生評価の高い,汎用可能性のある教育プログラムであることが示唆された.
総説
  • 錦織 宏, 西城 卓也, 田川 まさみ
    2014 年 45 巻 2 号 p. 79-86
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     カリキュラム/プログラム評価とは,「学生や研修医を対象にした事後アンケート」に留まるものではなく,一定の目的をもって,計画された教育活動を多角的に評価する営みである.
     以下の問いについて考えながら,評価を計画する.
     ・ なぜ評価を行うのか?
     ・ 誰に向けての評価なのか?
     ・ 何を評価するのか?
     ・ どのように評価するのか?
     ・ 誰が評価するのか?
     ・ 誰から情報を得るのか?
     ・ いつ評価するのか?
     ・ 評価結果をどのように用いるのか?
     カリキュラム/プログラム評価の目的は教育活動の改革にある.
短報
  • 西尾 大祐, 前島 伸一郎, 大沢 愛子, 武田 英孝, 平野 恵健, 木川 浩志, 丸山 仁司
    2014 年 45 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
    背景 : 脳卒中患者のリハビリテーション(リハ)において,リハ関連職種が患者の病態を正しく評価することはリハ目標の設定や効果的な訓練を行うために重要である.リハ関連職種に対して職場内卒後教育プログラムを実施し,脳卒中患者診療への自主性の変化を検討した.
    方法 : 回復期リハ病棟に勤務するリハ関連職種に対して,脳卒中患者の症例報告や神経学的診察の手技を中心とした卒後教育プログラムを週1回の頻度で計35回行った.プログラム開始時・終了時・終了6カ月後にリハ関連職種が患者背景・バイタルサイン・身体所見・神経学的所見・検査所見・疾病の基礎知識を得ることへの自主性を自己評価し,各評価項目を時期別に比較した.
    結果 : 開始時より終了時に自主性が向上した評価項目は患者背景・神経学的所見・検査所見・疾病の基礎知識であった.開始時より終了6カ月後に自主性が向上した調査項目は患者背景・身体所見・神経学的所見・検査所見・疾病の基礎知識であった.
    考察 : 脳卒中患者診療に関する職場内卒後教育プログラムは,リハ関連職種が医学的所見を得ることに対する自主性を高めることに役立つと考えられた.
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