医学教育
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45 巻 , 3 号
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特集 多職種連携教育
  • 春田 淳志, 錦織 宏
    2014 年 45 巻 3 号 p. 121-134
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     医療専門職の多職種連携に関する理論は多くの学問分野から成り立っており,実践への援用が難しい要因になっている.そこでこれらの理論を整理し,まず基盤となる社会構成主義・社会関係資本理論を説明し,その他の理論についてミクロ/メゾ/マクロの視点で記述する.
     まず社会構成主義では社会的相互作用と個人間の相互作用の必要性を,また社会関係資本では共通の規範や価値観,理解を伴ったネットワークの重要性を,多職種連携の文脈で説明する.さらに社会福祉の理論を援用し,社会集団をミクロ・メゾ・マクロに分類して,多職種連携に関する理論を概説する.ミクロ(個人の学び)の視点からは,医学/医療者教育全般にとって基盤となる成人教育理論を提示し,さらに偏見を軽減するための条件を示した接触仮説,内集団と外集団をどのように区別しながらアイデンティティを確立していくかを示した社会的アイデンティティ理論を紹介する.メゾ(チームでの学び・実践)の視点からは,チームで学習すること・協働することをチーム学習・協働論で示し,チームが道具を使って,分業・協業しながら対象を拡大していく状況を活動理論で,チームプロセスをタックマンモデルで示す.またマクロ(組織での学び・実践)の視点として,複雑系と社会化についての理論を紹介する.
     最後に,多職種連携をメタ視点でとらえた文献を紹介する.これらの理論と実践の往復に基づく経時的・多面的な省察により,多職種連携が促進することを期待する.
  • 前野 貴美
    2014 年 45 巻 3 号 p. 135-143
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     筑波大学医学類における専門職連携教育プログラムは,カリキュラムの医療概論コースのチーム医療ユニットとして位置づけられ,入学直後から継続的に学ぶことができるように組まれている.医学群は医学類,看護学類,医療科学類の3つの学類で構成され,1年次のチーム討論,2年次のTeam-based Learning(TBL)を用いたプログラム,3年次のケア・コロキウムが,職種の異なる学生同士の専門職連携教育となっており,TBLは茨城県立医療大学,ケア・コロキウムは東京理科大学薬学部との大学間連携教育プログラムである.職種を広げ効果的なプログラムを実施するために,大学間連携は一つの方略になり得ると考えられる.
  • 大塚 眞理子
    2014 年 45 巻 3 号 p. 145-152
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     本稿では,保健医療福祉学部(看護学科,理学療法学科,作業療法学科,社会福祉子ども学科,健康開発学科)を有する埼玉県立大学が,埼玉医科大学医学部と大学間連携によってIP演習を実現させたプロセスとその成果を報告する.大学間連携によるIPEの実現のためには,学長同士のIPE重要性の共有,双方のメリットの認識,取り組む教員同士の連携協働があった.埼玉県立大学の地域基盤型IPE(IP演習)の成果は,医学生にとっては人の生涯にわたるケア提供者としての自覚を高め,他の学科学生にとっては医師を含めたIPWの卒前教育となり,自分の職種の専門性の明確化とパートナーシップに基づく医師との関係形成に成果があった.
  • 酒井 郁子, 朝比奈 真由美, 前田 崇, 関根 祐子, 黒河内 仙奈, 山田 響子
    2014 年 45 巻 3 号 p. 153-162
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     2007年から開始された千葉大学亥鼻IPEの受講学生はのべ5,679人,亥鼻IPEを受講した看護学部335人,医学部197人,薬学部(薬学科:薬剤師養成課程)84人,合計616人が卒業した.本報告では,亥鼻IPEの概要及び実績と,改善経過について述べる.
     構成要素6項目からなる専門職連携コンピテンシーを研究的に開発した.これに基づき,Step1からStep4まで新たな学習到達目標の設定を行い,マトリックスを作成した.そこで学習到達目標に合わせた行動目標を設定し,学習内容および評価方法を洗練したことにより,千葉大学亥鼻IPEは自己主導型学習促進のための学習環境整備が整った.それに伴い,教職員のIPE参加が増加するなどの波及効果が明らかとなった.
     今後は,臨地実習におけるIPEプログラムの開発及び基礎教育と継続教育のIPEの連動を行っていく予定である.
  • 木内 祐二, 倉田 なおみ, 高木 康, 高宮 有介, 馬谷原 光織, 片岡 竜太, 下司 映一, 鈴木 久義, 田中 一正, 倉田 知光
    2014 年 45 巻 3 号 p. 163-171
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     医学部・歯学部・薬学部・保健医療学部からなる医系総合大学の昭和大学では,チーム医療に積極的に貢献できる医療人の養成を目的に,全学部,全学年にわたる体系的,段階的な学部連携教育を導入している.低学年ではチーム医療の基盤作りとして,大学内外での体験実習(早期体験実習など)や問題解決型学習(PBLチュートリアル),高学年では実践力の習得を目標に,大学内外の病院や地域社会での参加型のチーム医療学習を,原則的に4学部合同カリキュラムとして実施している.全学を挙げたこうした取り組みにより,将来,さまざまな医療現場で患者中心のチーム医療を積極的に推進する医療人が育つことを期待している.
  • 平井 みどり
    2014 年 45 巻 3 号 p. 173-182
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     医療系学生にとって,チーム医療に対する理解とその実践について学ぶ事は重要である.そのような視点を学部教育に取り入れることの必要性は高いが,適切なモデルはいまだ不足している.神戸大学医学部医学科と保健学科は,初期体験臨床実習をチームで行う事を2007年から開始した.翌年には,薬学部の学生もそこに参加し,現在に至っている.また1年次だけでなく,4年次にはチーム医療を学ぶカリキュラムを導入し,そこでは多職種協働教育に基づいたチュートリアルを実施している.多職種協働教育の歴史は浅く,例も少ないため,教員が繰り返し意見交換を行ってプログラムとチュートリアルのシナリオを作り上げていった.また,教員による模擬チームカンファレンスも導入し,学生のシナリオに対する理解を深める一助とした.このプログラムを通して,学生だけでなく教員も他の職種に対する理解が深まった.多職種協働教育は,将来チーム医療に貢献する医療従事者の人材育成に必須である.今後は医療だけでなく福祉の視点取り入れ,地域医療に根ざした医療人育成を行う必要がある.
  • 柴田 喜幸
    2014 年 45 巻 3 号 p. 183-192
    発行日: 2014/06/25
    公開日: 2016/05/16
    ジャーナル フリー
     教育活動の効果と効率と魅力を高めることを目指す研究領域にインストラクショナルデザイン(以下,ID)がある.本稿では,IDプロセスの中心的な概念であるADDIEモデルを中心にその概略を示す.また,その知見を大学病院における多職種連携教育に活用した事例を紹介する.
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