医学教育
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
特集
原著
  • ―関わり尺度の作成と評価―
    日高 優
    2015 年 46 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー

    背景 : 本研究では, 新人看護師が先輩看護師に求める関わりを測定する尺度を作成し, その実際と影響要因を検討することを目的とした.
    方法 : 先行研究を参考に尺度を作成し, 先輩看護師844名を対象に調査を行った.
    結果 : 作成された尺度は「新人理解行動」「関わり促進・雰囲気作り」「自身の感情コントロール」「ねぎらい」の4因子で構成されていた. 本調査では関わりを実施している先輩看護師が多かった. プリセプター経験とプリセプター研修受講経験は各因子への影響は異なり, 年齢と看護師経験年数は全ての因子でほぼ関連を認めなかった. 新人看護師が求める関わりは, 先輩看護師の基本属性に関係なく実施可能であると示唆された.

  • ―教員からのフィードバックに対する評価の多面的解析にもとづく教員マニュアルの効果の検討―
    原田 芳巳, 平山 陽示, 和久田 佳奈, 井村 博美, 大滝 純司
    2015 年 46 巻 1 号 p. 53-62
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー

    目的 : 模擬患者参加型医療面接実習での教員からのフィードバック (FB) の内容とそれに対する医学生の評価, および教員用FBマニュアル (マニュアル) の効果を検討した.
    方法 : 実習を撮影したビデオの解析, 学生への質問紙調査, マニュアルの作成とそれを用いた教員の研修を実施した.
    結果 : FBの内容の違いには面接の出来が強く影響していた. 学生からの評価は良好で, 特に「臨床の体験談」「学生同士の討論」を肯定する意見が多く得られた. マニュアル導入後はFBの内容の偏りが減少した.
    結論 : (1)臨床の体験談や学生同士の討論を含むFBは学習効果を高める可能性がある. (2)マニュアルの導入でFBの偏りを減らすことができた.

短報
  • 岡澤 成祐, 林 龍二, 小清水 由紀子, 西川 由衣, 西野 美智子, 藤賀 晃, 戸邉 一之
    2015 年 46 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー

    背景 : 電子カルテを用いて多人数を対象としたシミュレーション授業は医学部ではまだ十分に普及していない.
    方法 : ファイルメーカーで疑似電子カルテを作成した. 医学部3年生および6年生に講義室で症例に関連する外来診療体験シミュレーション授業を行い, アンケート調査を行った.
    結果 : 回収率は3年生 63.1%, 6年生 76.3%で, 回答した各受講生の87.1%, 78.9%に興味を持ってもらえた. 本授業は実践的で参加型であると評価された. 3年生は5.6%が難しいと答えたが学習したいという意見も多かった.
    考察 : 疑似電子カルテシステムを用いることにより, 低学年でも興味深くシミュレーション授業を受けることができた.

招待論文
掲示板
  • 網谷 真理恵, 石川 善樹, 乾 明夫, 井上 茂, 島津 明人, 諏訪 茂樹, 津田 彰, 堤 明純, 坪井 康次, 中尾 睦宏, 中山 ...
    2015 年 46 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー

    諸言 : わが国の医学教育においては, 行動科学が医学教育の中で独立したカリキュラムとして取り扱われることはほとんどなく, 体系的な教育はなされていない.
    方法 : 日本行動医学会評議員に対するデルファイ法を用いた意見調査から明らかになった医学部卒業時に求められる行動科学に関するコンピテンシーを基に討議を重ね, アウトカム志向型のカリキュラム案を考案した.
    結果 : 演習や実習を取り入れた, 行動科学1単位=15時間の学習モデュールを提案した.
    考察 : アウトカムに到達するために, 疾患の全人的理解および行動変容を目的とするロールプレイなどを取り入れた実習・演習や, 実際の治療戦略を考案するPBL, TBL形式の学習を推奨したい.

  • 末松 三奈, 阿部 恵子, 安井 浩樹, 會田 信子, 半谷 眞七子, 亀井 浩行, 山内 恵子, 小森 拓, 脇田 久, 植村 和正
    2015 年 46 巻 1 号 p. 79-82
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー

     医療現場でのチーム医療実践のため, WHOは多職種連携教育 (IPE: interprofessional education) の重要性を提唱している. 近年, 患者の参加協力を得て行ったIPEの報告があるが, 糖尿病教室におけるIPEの報告はほとんどない. そこで, 多学部学生による糖尿病教室の企画・運営, そして振り返りを含めたものを「糖尿病教室IPE」として実施した. 参加学生は, 医学生2人, 看護学生4人, 薬学生4人, 栄養学生3人の計13人であった. 参加した学生, 患者, 医療スタッフに対するインタビューの結果より, 本IPEはIPEプログラムの一形態として有用であると考えられたため報告する.

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