昨今, ハンガリーの医学部で教育を受け, 卒業後に日本の医師国家試験を受験して日本で医師になることを希望する日本人学生が増えている傾向にある. 彼らがわが国で国民の信頼に応えることのできる医学教育を受けているかどうかは重大な関心事である. そこで, ハンガリーにあるセンメルワイス大学医学部, デブレツェン大学医学部を訪問し, ハンガリーの医学教育システムを調査した. ハンガリーには4大学医学部があり, すべてが国立で, 4大学ともにハンガリー人を対象としたハンガリー語コース, 外国人向けに英語で教育するインターナショナルコース, さらに3大学ではドイツ語コースもある. 医学教育はほぼ他のEU諸国に共通するが, インターナショナルコースでは完全に英語による教育でグローバル化に対応している, 少人数グループでのチュートリアル教育が充実している, 口頭試験での評価がある, 卒業試験だけでなく卒業論文も課せられる, 等の特徴があり, わが国の医学教育に参考になる点も少なからず認められた.
背景 : 各大学で地域医療教育が導入されているが, 全国的な現状は明らかになっていない. 今回, 平成23年の第1回調査に引き続き, 全国医学部の地域医療教育に関する第2回調査を行った.
方法 : 独自に作成した調査票を各大学に配布し, 平成26年4月時点での地域医療教育の状況を尋ねた.
結果 : 80大学から回答を得た. 地域医療教育に関するプログラムは, 第1回調査では73大学で, 今回は78大学にあった. 地域医療実習は77大学で実施していた.
考察 : 第1回調査の時点よりも多くの大学で地域医療教育に関するプログラムが導入されていた. 地域医療実習の詳細な内容や実施体制については, 今後さらに調査が必要と考えられた.
筑波大学では2009年度より, 全ての医学生5年次に対し医師不足地域での5日間滞在型地域医療実習を行ってきた. 実習場所のほとんどは健康教室, 健康診断, 職場体験など医療機関以外の場所であり, 学生たちはその地域の健康問題を見聞した. 短期間ながら滞在することはその地域の生活環境の理解を助け, 学生が住民の立場からその地域の健康問題を考察するのに効果的だった. 本実習は医学生に地域医療の魅力や重要性を直接伝え, 地域に勤務する医師の増加に貢献すると思われるが, その効果を評価するために長期間観察していく必要があると思われた.