人間・環境学会誌
Online ISSN : 2432-0366
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目次
表紙
裏表紙
原著論文
  • 小島 康生, 外山 紀子
    2025 年27 巻2 号 p. 1-10
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/09/14
    ジャーナル オープンアクセス

    沖縄県多良間島の村民運動会において,乳幼児の他者との関わりあいを観察した。0,1,2歳児各1名(X,Y,Z)を対象に,各20分の観察を行い,周囲の人々との関わりあいを記録した。X,Yは,終始,大人に抱かれて過ごし,ともに親以外の成人女性に抱かれていることが多かった。親も近くにいたが,常に子どもに注意を向けていることはなかった。また,親以外の他者に抱かれている時のほうが,周囲のさらに別の人々からの働きかけをよく受けた。Zもまた,母親は近くにいることが多かったが,2人の小学生と砂遊びをして過ごしており,母親が数分Zのそばを離れた時も,Zに声を掛けることはなかった。通りかかった子どもや大人がZに声を掛けたり,共に砂遊びをしていた小学生がZから離れるときに声を掛けていくなど,地域の人々に見守られていることが確認された。都市部と違い,多良間島では,子どもの対人関係が地域に開かれていることが示された。

短報論文
  • 藤田 大輔
    2025 年27 巻2 号 p. 11-15
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/09/14
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では行動観察調査および園児自身による写真撮影実験を2年間計4回実施し,その場所的嗜好を読み解くことを試みた。その結果,次の事項について把握した。1)Hn園では1・2回目は多くの園児で絵本読みが見られたが,3回目から少なくなり,4回目からは絵本読みに変わって他の様々な遊びを展開していた。Am園は絵本読みや砂遊び,お絵描き等の遊びが継続的に観察された。2)園児の撮影パターンをみると,Hn園では虫や樹木等の自然,Am園ではつみきや固定遊具等の園具が各実験で最も多く撮影され,園環境により撮影対象の傾向に違いがみられた。3)遊び行為と撮影対象の共通・相違点をみると,アクセスできない場所への憧れや工作物の展示や水路など,各園の特徴が撮影されていることが把握できた。

  • 小林 健治
    2025 年27 巻2 号 p. 16-20
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/09/14
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では,パブリックスペースで人びとが過ごす際,人びとがものを持ち込んでいる(環境への働きかけ),人間が場所を選択している(環境の読み解き)ことを「環境の使いこなし」と定義し,公園でピクニックなどをしている人びとを対象に,滞在している人びとが持ち込んでいるものとそのまわりに広がる物理的環境について,分析・考察を行い以下の知見を明らかにした。

    公園でものを持ち込み滞在する人びとが持ち込むものは,敷物類が多く,屋根類やイス類と組み合わせて過ごしていること,椅座位の目線高さ以下が大半であること,まわりに広がる物理的環境は,樹木類が多いこと,床座位・椅座位の目線高さの環境要素は少ないこと,などの特性が明らかとなった。併せて,環境を使いこなす人間像として,与えられた環境を単に使う「だけ」の存在ではなく,能動的に環境に関わることができる人間像を示唆した。

  • 草深 翔太郎, 柳瀬 亮太
    2025 年27 巻2 号 p. 21-25
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/09/14
    ジャーナル オープンアクセス

    近年,大学キャンパスにおける学生サポート,特にカウンセリング支援の需要が高まっている。厚生労働省の調査によると,国内の精神疾患患者数は増加しており,大学でも平均5.4%の学生が大学内に設置されたカウンセリングルームを利用している実態がある。しかし,その多くは既存の部屋を転用するなど,限られたスペースや予算の中で運営されており,利用者に対する適切な配慮に関しては検討の余地がある。こうした背景のもと,関連研究がいくつか行われているが,カウンセリングルームへの「入りやすさ」に関する研究は少ない。そこで本研究は,どのような環境がカウンセリングルームとして利用者に「入りやすい」と感じさせるのかを検討する。まず,現状のカウンセリングルームの扉と周辺環境の特徴を把握する予備実験を行った。本実験では,予備実験の結果をふまえて作成した刺激画像を用いて印象評価実験を行った。その結果,扉に開口があり,廊下が明るく,扉周辺に部屋名を明記したポスターをはじめとする,「人の気配」を伝えるための物理的要素の存在が,利用者に対し「入りやすい」と感じさせる環境であると考察された。

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