衛生動物
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11 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1960 年 11 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 三浦 昭子
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    これまで恙虫の実験室内飼育法についてはアメリカ, イギリスなどの諸学者の報告があり, 日本でも朝比奈(1952), 伊藤, 小畑ら(1957)の報告もあるが, 筆者は1950年来数回にわたり, 日本産恙虫各種の飼育成績を報告した.こゝには, 恙虫類の飼育法として逐次改良を重ねた末, 現在採用している方法をはじめて詳細に記述した.こゝに述べた方法は, 容器としてプラスチク製品を用い, 濾紙をその間にはさんで湿度を調節した点に従来の方法より好成績をえた改良があり, トビムシ類を同居させたことにより常時若虫や成虫に餌を供給しえたために大量の集団飼育が容易になつた点が指摘される.また, 石膏円錐を用いて未吸着幼虫を長く保存しうること, ハタネズミを未吸着幼虫の宿主として用いて100%近く満腹幼虫を回収しえたことなどにも最近の進歩がみられる.
  • 三浦 昭子
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 5-14
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    日本産恙虫類を満腹幼虫で採集し, 個別飼育をして幼虫の脱皮殼を標本として種類をたしかめた上で, 若虫ないし成虫にまで飼育したものについて形態的特徴を述べた.これまでに若虫として6属, 29種, 成虫として1属, 12種の恙虫をうることが出来た.これらのうち戦前に報告されたLeptotrombidium亜属の5種の若虫(及び一部の成虫)を除いては, すべて筆者らが見出したものである.以上の各種の一部はすでに佐々, 筆者らにより記載されたが, こゝには既知の全種に関する検索表をはじめて作製し, かつ未発表の顕微鏡写真をのせてその特徴を解説した.
  • 倉茂 好雄
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 14-17
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    「アヒルを飼うとボウフラが発生しないか」という質問をしばしば受け, また実際にアヒルの棲んでいる池沼には蚊の発生が少ないことを現地で目撃していた.この報告は著者がCelebesのMakassar在勤中, 上記のことを実証する目的で1944年に行つた野外実験の成績である.当時爆撃がしだいに猛烈となり予定通りの実験はできなかつたのであるが, この種の実験の報告は未だないように思われるのでここに報告する.日頃御指導を賜つた当時の研究室主任徳永雅明博士に深く感謝する.
  • 緒方 一喜
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1957年4月から1958年3月にかけて, 川崎市の一民家で, ハエとりリボンを使用して, 屋内ハエ相の周年変化を調査した.その結果, 居間で20種2, 934匹, 便所で14種1, 081匹を捕獲した.うち, Fannia canicularisとMusca domestica vicinaの2種のみで大部分を占め, 居間でおのおの55.6%, 42.4%, 便所で94.0%, 1.5%であつた.両種とも2山型の出現様相を示し, can.では第1の山が高く, vic.では第2の山が高かつた.両種の出現時季にはずれがみられ, 年間を通して2・3月に少いだけで4〜1月の間は, 常にどちらかの種の侵入が多かつた.vic.では, 57年と58年で.出現の有様に大きな違いがみられたが, 結局原因を明らかにするにいたらなかつた.
  • 根津 尚光, 松橋 佑子, 佐々木 精一
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    In this paper was given the results of one year's observation on species and seasonal prevalence of flies collected by means of the glass trap in Mito City, Ibaraki Prefecture, from February, 1958 to January, 1959. As shown in Table 1, the total flies collected were classified into 5 families, 9 genera and 14 species. In general houses, the flies collected were 343 individuals, belonging to 5 families, 9 genera and 9 species. Fannia canicularis and Musca vicina occupy about 90% in number, representing the great majority of the individuals. In a fishmonger, the flies collected were 905 individuals which belong to 4 families, 8 genera and 13 species. The family Calliphoridae occupies about 82% in number. The peaks of the population curves of flies at those three stations were found in July.
  • 原 淳, 花田 実
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1959年7月29日著者の1人, 原は, その研究室内でツメダニと思われる自由生活性のダニの1雌個体を採集し, 種々検索の結果, Palpal tarsusにそれぞれ2個づつの鎌状毛と櫛状毛をもつこと, 及び第脚が感覚器の役をなし, ツメをもたぬ点から, Cheletmorpha又はCheletogenesに近い属のものとしたが, レンズ状の目をもたず, 又肉質板をも欠く事からBaker (1949)の新属Eutogenes (新称メクラツメダニ)に属するものであると同定した.このEutogenesはテキサス原産のE. foxiによつて代表される1属1種の属であるが, 詳細なる体各部の比較の結果, 胴体背面の剛毛の性質の相違(葉状をなさず, より細い棍棒状をなす), 周気門に分節がない点, 肛門板の毛の分布数等の相違によつて, 明らかに別種と考えられたので新種, Eutogenes narashinoensis new Species, 標準和名, ナラシノメクラツメダニとして記載, 報告した.
  • 大森 康正
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    The author has previously made descriptions of Japanese anopheline pupae. At that time several abnormalities were encountered in those specimens. Few case of pupal abnormality has been reported, and the author will hereby make brief descriptions about these examples. Number of specimens observed is given in Table 1. All pupal materials except for A. lindesaii japonicus were obtained by the rearing of larvae hatched from the eggs under the room temperature (about 20-28℃). The larvae of A. lindesaii japonicus were collected in mountain streams and were also reared to the adults in the same condition. The pupal pelts left alone in the water by emergence of the adults were preserved in a 10% formalin solution until the materials were gathered enough to be examined. Then the pelts were mounted in a gum-chloral solution and were observed under the binocular microscope.
  • 阪口 浩平, E. W. Jr. Jameson
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 30-32
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    In Japan moles of the genus Mogera are generally rather lightly infested with fleas and many of these big moles are completely free of fleas. From Mogera wogura we have a small series of fleas from Mt. Fuji (Yamanashi-ken) and Kibune (Kyoto-fu) which are a species of Palaeopsylla very close to P. nippon Jameson and Kumada, 1953. One pair from Mogera wogura from Korea are also of this species.
  • 原稿種別: 付録等
    1960 年 11 巻 1 号 p. 32-
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 山本 進
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 33-35
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1)1958年1月以降1959年2月に至る期間, 日向地区の恙虫を調査中に捕獲した宿主より採集された寄生蚤について比較検討を行なつた.2)この調査中蚤の寄生していた宿主は, ヒミズモグラ2頭・アカネズミ10頭・クマネズミ1頭・ドブネズミ1頭・ムササビ2頭・タヌキ3頭で, これ等宿主から採集された蚤は8属8種281頭であつた.3)Palaeopsylla nipponはヒミズモグラより採集した.4)Nosopsyllus fasciatusはクマネズミとドブネズミより少数であるが採集した.5)Neopsylla specialis本種はアカネズミ以外の宿主, 即ちムササビ・タヌキより採集された最初の記録である.6)Chaetopsylla mikadoはタヌキより採集した.7)Monopsyllus argusがタヌキより採集された事はムササビが捕食される事によつてタヌキに移行したものと思う.8)Paraceras melis flabellumはタヌキより採集した, この種特有の蚤である.9)Htyphloceras shogakii本種がムササビ・タヌキより採集された最初の記録である.10)Rhadinopsylla japonicaは九州から最初の記録である.11)タヌキ以外の宿主は死後の時間の経過が, 寄生数に影響して少なかつたものと思う.
  • 安富 和男
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    Pyrethrins及びAllethrinsのSynergistの一つであるOctachlorodipropylether (S-421)の, 塩素系殺虫成分に対する相乗作用, とくに塩素系-抵抗性イエバエの効力増強作用について実験をおこなつたところ, 次のような諸点が明らかとなつた.(1) Allethrin, 及びPyrethrins, とくにAllethrinに対しては, Piperonyl butoxideに比べて極めて顕著な増強作用が認められた.(2) DDTにS-421を混入すると, 本邦産の耐性の強いイエバエ群でも, 基準量の撒布面(2.5g/m^2)による中央致落下仰転時間(KT-50)の値においても, また, Topical applicationによる雌イエバエ1頭当りのLD_50の値においても, 欧米のDDTに弱い代表的な感受性系統とほゞ等しい結果が得られ, S-421を混入すれば, DDTにもともと耐性が強い本邦のイエバエ駆除には極めて有意義であろうと思われる.そして, S-421によつて増強された撒布面残渣の効力は, 1カ月以上も持続する.(3)γ-BHC, 及びdieldrinにS-421を混入した場合も, DDTの場合と同様, イエバエ, とくに抵抗性系統に対して顕著な相乗作用を示す.
  • 平社 俊之助
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 42-53
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    diazinon浸漬テープによつて畜舎, 住宅, 商店等のイエバエ成虫を駆除した結果(平社ら, 1959)を基として, 更に室内及び野外において薬剤浸漬テープ法及び, これに関連したイエバエ成虫の習性, 各薬剤の効果を検討した.1)数種薬剤を布テープに浸漬させ, この効力を室内的に検討した結果, 5%DDVPは非常にすぐれた初期効果を示したが, その効果は2週間以内に消失した. 20% malathionは, 長期の残効性があつたが実験を通じて低い効果しか期待出来なかつた. 5% diazinonは実験した薬剤中では最も, テープ法に適した薬剤であると考えられた. 5% dieldrin, 10% lindane, 30%DDTは, いずれも不満足な結果しか得られなかつた.2)各5%のdiazinon, malathion, lindane, dieldrin溶液を濾紙に1m^2当り50ccの割合で処理風乾した面にイエバエ成虫を短時間, 接触させ, 24時間後, その致死効果を観察したところ, diazinonは1秒接触で100%の致死率が得られ, 他は5分間接触でも, ほとんど死亡したハエはみられなかつた. diazinonは5分間の接触では約0.5%以上の濃度で完全な死亡が求められた.3)テープ処理本数は2m^2当り1本以上が望ましく, テープ幅は2〜3cm, 長さは60cm〜1mが適当と考えられる.一般に吊つた場合は, 労力等を無視すれば細いものを数多く吊つた方が有利であるが, 横に張つた場合は必ずしも, この傾向はみられなかつた.またテープは下方にある程多くのハエが繋留する様である.4)イエバエ成虫が, テープに1回当り繋留する時間は細いものほど長いが, 単位時間当りの繋留回数は太い方が多かつた.5)テープの材質は, diazinonを処理した時は, 布の様な吸収性の大きい面が最も好ましい.6)吸収性の大きい面内に吸着された薬剤の内, diazinon, DDVP, lindane, dieldrinは, 再び表面に移行する性質がみられ, また, diazinon, DDVPは, この処理面の上に無処理濾紙を重ねることにより, 長期の残留効果が期待出来た.7)diazinon浸漬布テープの代りにハエ取りリボンを同数吊ることによつても, イエバエ成虫を駆除することは可能であるが, その効果はモチが数日で附着力が失うため非常に短い期間であつた.8)畜舎等の出入口に"なわのれん"を吊りイエバエ成虫を駆除する場合, 細いものを密に処理する方が, 太いものを荒く処理するより, 同量の薬剤量で有利に駆除を行い得ると考える.
  • 臼井 良照
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 54-55
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 堀 克重, 牛越 久
    原稿種別: 本文
    1960 年 11 巻 1 号 p. 55-
    発行日: 1960/04/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
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