衛生動物
Online ISSN : 2185-5609
Print ISSN : 0424-7086
ISSN-L : 0424-7086
15 巻, 1 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1964 年 15 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 加納 六郎, 金子 清俊, 篠永 哲, 喜友名 英郎, 安仁屋 賢一
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1) Four families, 34 genera and 65 species of these medically important flies were identified from the many fly specimens collected by various entomologists on the Ryukyu Islands. 2) Medically important flies were collected by K. Aniya four times a month in Ishigaki City from March 1957 to February 1958. 3) In the surveys conducted by K. Aniya, 4 families, 13 genera, 20 species (numbering 17, 380 flies) were collected in Ishigaki City. 4) Chrysomya megacephala was trapped in the largest number. Musca domestica vicina was second largest in number. 5) The seasonal fluctuation of all flies collected showed peak population in spring and a small peak in the fall. 6) In the raw fish trap, many more females of calliphorid flies were trapped than males. 7) Musca domestica vicina, M. sorbens, Chrysomya megacephala, Hemipyrellia ligurriens and Boettcherisca peregrina are particularly noxious in this area.
  • 斉藤 豊, 斉藤 奨, 大森 康正, 山田 光太郎
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 7-16
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    カメムシ類は果樹を食害する農業害虫として重要視されていることは衆知の事実であるが, 近年それによる直接的人体被害も若干しられている.素木(1958)はクロカメムシの臭液腺分泌物が人の眼に入ると結膜炎視力障害等をおこし, 直接皮膚に付着するとその部に水胞を形成する皮膚炎が生じ, 特に乳児はその感受性大なることを紹介している.東北地方の山地では毎年の秋(9月下旬〜10月中旬頃)クサギカメムシの成虫が越冬のため大挙人家内に侵入しここで越冬したのち雪も消え温暖となつた若葉の候(5月頃), 一斉に野外へ飛び出ることがわかつている.その間この虫は屋内いたるところのすき間に見出されるばかりでなく, 衣類・寝具類にまで潜入するにいたる.室内の温度が上昇すると彼等は冬眠から覚めて小活動を開始して歩き廻るばかりでなく, 更に何かの刺激に対し容易に反応して臭液腺より分泌された臭液のため室内は特異的な悪臭で充満されるので, 頭痛, 嘔吐, 食欲不振等を訴える人がしばしばあり, 秋の観光客等もこの不快昆虫のため顔をそむけて宿泊せずに引返すことすらある現状であると聞く.ところがたまたま本年初夏新潟県衛生部からこの不快昆虫の撲滅対策について強い要望があつた.そこで我々はこの機会に本県山地特に新潟県営発電所を中心にして, カメムシ類特にクサギカメムシの生態調査, 殺虫試験等について諸観察を行ないうることが出来たので, ここにその諸結果を記述する.
  • 松本 克彦
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    精白砂糖に乾燥酵母剤を0, 20, 40, 60, 80, 100%の割合に混合した6種類の飼料を用い, 温度は25℃に一定し, 湿度を64%, 75%, 85%RHに調整し, 各条件におかれた各飼料にサトウダニ(C.l.)とケナガコナダニ(T.d.)を色々な割合で接種して繁殖状況を比較した.1) C.l., T.d.を各々単独で飼育した場合C.l.は精白砂糖のみよりも, これに乾燥酵母剤をある程度加えた飼料で増殖率が高く, この混合比が4 : 6の飼料で最高の増殖率を示した.乾燥酵母剤60%以上の飼料では湿度85%RHの場合が75%RHの場合より高い増殖率を示した.T.d.は一般に砂糖の比率が高い程増殖率が悪く, 湿度75%RHで乾燥酵母剤のみの飼料の増殖率が最高であつた.64%RHではどの混合飼料についても両種とも死滅した.2) C.l., T.d.を混合して飼育した場合C.l.及びT.d.を接種時にC.l.82.2%, T.d.17.8%(C.l.が優占種), C.l.53.6%, T.d.46.3%, (両種ともほぼ同率), C.l.17.7%, T.d.82.3%(T.d.が優占種)の各割合に混合し, 上述の諸条件において, その繁殖状況を観察した.これらの最初のコナダニの比率, また湿度(64%RHを除く)に関係なく, 飼料が乾燥酵母剤の含量0〜60%のものではC.l.が優占種となり, 80%飼料では, C.l.及びT.d.の比率はほぼ同じになり, 乾燥酵母剤のみの飼料ではT.d.が優占種となつた.3) コナダニ類の繁殖は栄養, 温度, 湿度の少なくとも3条件に支配されるが, 以上の実験からこの両種コナダニはその繁殖に適する栄養条件に特異的な差があることが明らかにされた.また, それぞれ環境の湿度条件によつて繁殖密度や繁殖速度がいちじるしく影響されることが示された.
  • 大野 善右衛門
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    The occurrence of Ceratophyllus riparius riparius Jordan and Rothschild, 1920 (in the nests of the Eastern Sand-Martin Riparia riparia ijimai) in Japan (Hokkaido) was recorded for the first time. Sternum VII of female specimens from Japan show a remarkable range of variation (Fig. 3) and the extrem forms (g. h.) resemble sternum VII of Ceratophyllus riparius freyi (Nordberge, 1935) (occurring in northeast Sweden and Finland).
  • 大串 晃治, 徳満 巌
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    殺虫剤のイエバエに対する効力を変動させる要因として環境の湿度および温度条件をとりあげ, 残渣面接触法および微量滴下法によつて効力におよぼす変動の影響を検討した.残渣面接触法における環境湿度の影響による残渣のノックダウン効力の変動はDDVPにおいて最も大きく, ついでDibrom, Dipterexにおいて大きく, diazinon, Nankor, Sumithionでは少なく, とくにBaytexにおいては少かつた.DDVP残渣においては環境湿度の高いほど効力の増大するピークの発現は早く, この現象の早いほど時間の経過にともなう効力の低下も顕著であつた.DDVP, Dibromおよびdiazinon残渣の効力を相当薬量におきかえて検討すると, DDVPは当初の効力の約8倍ないし約16分の1程度, Dibromは約4倍ないし約8分の1程度, diazinonは約4倍ないし約4分の1程度の範囲内にわたる変動を示した.殺虫剤残渣の効力の変動は濾紙の含水量に影響されるものとして考えられるが, それ以上に各殺虫剤自体の性質にもとづいて変動に大きな差があらわれるものと考えられた.diazinon残渣についての環境温度による効力の変動は非常に大きく変動要因として重要なものであつた.微量滴下法によつてのDDVP滴下後の環境の湿度および温度の変化による致死効力の変動はほとんどなかつた.
  • 大滝 哲也, 加藤 賢, 熊倉 雅雄, 川口 金次郎
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 33-35
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1. 埼玉県桶川町の農村地区でDimetilanベイト剤によるハエ駆除野外実験を, 昭和38年7月より約40日間実施した.2. 実験対象地区を5区に分け, このベイト剤を, 各戸にそれぞれ5枚, 3枚, 1枚設置した区と, 3枚の他に5%Diazinon乳剤の400倍液を10日毎に発生源に撒布した区, および無処理の対照区とし, 各戸にハエ取り紙とリボンを展開して, そのハエ捕集数で, ハエの棲息密度の推移を比較検討した.3. ベイト剤を1枚設置した区は, ハエの多量発生を有効に阻止することができなかつたが, 3枚以上設置した区では棲息密度をかなり低下させることができた.しかし, 5枚設置しても, 3枚の場合以上の結果はえられなかつた.また, 発生源に対する殺虫剤撒布は併施した方が, さらによいハエ駆除効果が上げられるように思われる.4. このベイト剤で誘殺されるハエは, 主としてイエバエであり, その殺虫能力は設置後1カ月を経ても十分認められた.しかし, その誘殺数は次第に低下し, 実験の後半では, ハエ取り紙, およびリボンの捕集数より少なくなつた.
  • 海野 登久子, 鈴木 猛
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    アカイエカ幼虫室内殺虫試験において, 同一濃度区においても, 供試虫数が多い場合には死亡率が著しく低くなることを見出し, 幼虫密度の死亡率に与える影響について検討を加えた.供試虫数が多くなるほど(すなわち幼虫密度が高くなるほど)死亡率が低くなる薬剤としては, まずdieldrinであり, ついでp, p'-DDT, ronnel, Baytexにも同様な傾向が認められる.一方, lindane, malathion, t.-DDTではこの傾向がそれほどいちじるしくなく, diazinonではここに用いた虫数に関するかぎり, 死亡率に差が認められなかつた.しかし, 200mlの水量で15〜50匹程度の幼虫を用いる場合には, いずれの殺虫剤の場合にも死亡率にさほどの変動はみられない.すなわち, この条件内で実験するかぎり, 供試幼虫数の多少を問題にする必要はないだろうと考える.容器の大きさと水量をかえ, 同一濃度のdieldrinでテストした場合には, 密度が高くなるほど死亡率はいちじるしく低下するが, 密度が同一でも, 容器が大きくなり, したがつて水量の大きい場合には, 死亡率が若干低下する傾向が認められた.これについては, 表面積の大きさも考慮に入れる必要があろう.次に一旦幼虫を投入し, 試験の終了した残りの水に再び幼虫を加え, 薬剤残存の程度を検討した結果, 幼虫1匹あたりおよそ0.006ppmが限界濃度であること, すなわち各幼虫はおよそこの量のdieldrinを消費するものと推定された.
  • 井上 義郷
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    防疫用殺虫剤を使用する一つの大きな分野は残留処理である.したがつて殺虫剤の残渣に虫を接触させる試験法が大きな意義を持つてくるが, この場合にknock down効果の評価が, 時に繰返しの変動を超えて大きく乱れる事があるので, 結果の再現性を高める為に, その問題点を明らかにする必要が生じた.まず, イエバエ成虫を指示昆虫としてその問題点を探索した結果, 殺虫剤を処理した面に存在する微量水分(moisture)の変化が重要な意味を持つ事をすでに明らかにした.そしてその影響は殺虫剤の種類, 特に主剤の蒸気圧の大小ならびに処理面の物理性の差異によつても大いに異なり, 特にDDVPの様な蒸気圧の高い殺虫剤を吸収性のよい濾紙面などに処置した場合にmoistureの影響が最も顕著で, knock down効果の著しく変動する現象を確認し, それらを第I報で報告した.また, 物理性の相反する濾紙面とガラス面ではmoistureはknock down効果を正逆全く相反した方向に変動させる事を明らかにし, 第II報ではこの場合のmoistureの意義に関する論議を行なつた.第III報ではDDVPの濾紙面残渣を用い, その処理面に存在する微量水分と密接な関連のある環境湿度の影響を検討した.そして処理面が低湿度環境(RH40%以下)におかれた場合にはその含水量は常に4%以下の値を示し, このような時には(KT)_<50>値も比較的安定でほとんど変動しない事を明らかにした.また環境湿度が高く(RH60%以上)これと平衡的に処理面のmoistureが4%を超えて増加するようになると(KT)_<50>値もそれに伴つて大きく変動する事を明らかにした.この(KT)_<50>値の変動する傾向はまた複雑で一つの方向性を示さず, そこにはturning pointが認められた.そしてその点や第II報の結果から, moistureは何等かの意味で処理面の内層に吸着保持されている殺虫剤のbloomingを助長するのではないかと推論した.そこで今回はそのような殺虫剤のbloomingに対してmoistureが実際に影響を及ぼすものかどうかを実験的に確認する目的で, 一つの検討を試みた次第である.
  • 安富 和男
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 46-49
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    N-(2'-ethyl hexyl)-3, 6-endomethylene-1, 2, 3, 6-tetrahydrophthalimide;3, 6-endomethylene-4-cyclohexene-1, 2-dicarboxylic acid dimethyl ester;Dihydronor cyclopenta dienyl isothiocyanate, およびN, N-Di-n-butyl-p-chlorobenzene sulfonamideを, technical DDT(p, p'-DDT含量78.47%)に対して, それぞれ, 5分の1量配合したアセトン液, あるいは乳剤を用いて, 感受性, ならびにDDT抵抗性のイエバエ成虫へのsynergistic actionについて実験をおこなつたところ, 次の結果がえられた.1.topical applicationでは, 鉾田系イエバエのtechnical DDTに対する(LD)_<50>値をsynergist混入により数分の1から数10分の1に下げることができた.2.濾紙面散布残渣に接触してえられた(KT)_<50>値を比較したところ, これらsynergistを配合したものは小倉, 鉾田, 茨城, 根火, 小櫃, あるいは, P-9などの系統のイエバエに対する(KT)_<50>値が小さくなつた.(速効性が増大した).3.小倉系, および茨城系イエバエを用いた実験では散布後60日間を経過したDihydronor cyclopenta dienyl isothiocyanate配合残渣面で, synergisticationが認められた.4.今回供試したsynergistのなかでは, 前報で報告したN, N-Di-n-butyl-p-chlorobenzene sulfonamideのほか, Dihydronor cyclopenta dienyl isothiocyanateの効力がとくに強いように思われる.
  • 安富 和男, 中山 茂, 佐々木 精一, 岩原 保, 飯塚 勝已, 椎名 忠夫, 松村 友夫, 島角 俊彦, 皆川 義則, 糸賀 吉雄
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 50-52
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    Diazinon, およびDDTに対して抵抗性の発達したイエバエの棲息する茨城県稲敷都美浦村根火部落において1963年9月24日より10月31日に至る期間, DDT, DDT+Dihydronor cyclopenta dienyl isothiocyanate (5 : 1), ならびに, Baytexの残留噴霧, 発生源散布をおこなつたところ, 次のような結果をえた.1. DDT単味剤散布地区では, イエバエの効果が顕著でなかつたが, 協力剤Dihydronor cyclopenta dienyl isothiocyanateの配合されたDDTを散布した地区では散布後イエバエの減少効果が認められた.2. Baytex散布地区におけるイエバエの減少効果も明らかに認められた.
  • 木船 悌嗣, 加茂 甫
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 53-54
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    本来野外に棲息するゴキブリも, 屋内侵入の可能性あるものあるいは屋内棲息種を近縁種に持つものなどは, 害虫化の潜勢力などの観点から特に興味ある研究対象と考えられる.その意味で本州および九州の一部で見出された屋外棲息種3種について, とりあえず採集記録を報告する.
  • 堀坂 勝禧, 小原 力, 西山 茂, 白岡 秀晃, 奥田 四郎
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 55-56
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    兵庫県加古川市の3小学校の給食設備に対し, 5%Nankor乳剤あるいは10%lindane乳剤の2倍稀釈液を床から1.0〜1.5mの壁に全面的に残留噴霧をおこない, 更に部分的に重点塗布を併用して, クロゴキブリの駆除実験を行なつた.その結果, トラップに捕獲されたゴキブリの数で見るかぎり, Nankor処理区では散布の20日後以降にゴキブリは全く姿を消し, またlindane処理区では10日後以降に姿を消した.すなわち, きわめて高い駆除効果が得られたものと認められた.
  • 川島 健治郎
    原稿種別: 本文
    1964 年 15 巻 1 号 p. 57-59
    発行日: 1964/04/25
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top