衛生動物
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19 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1968 年 19 巻 4 号 p. Cover8-
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 頓宮 廉正, 村主 節雄, 板野 一男, 作本 台五郎, 稲臣 成一
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 215-222
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    The characteristics of spermatozoon of Culex pipiens pallens, have been observed by the electron microscope. The measurment of spermatozoon is approximately 220μin length and 0.6μ in maximum diameter of the whole body. The nucleus which occupies the anterior part of a spermatozoon, is the most electron dense. The nucleus is surrounded by a ring of a row of microtubules whose axis is parallel to the long axis of the cell. The minute plate-shaped head cap located in the anterior end, is about 130Å in thickness and about 0.5μin diameter. The posterior nuclear groove is connected to the axial filament complex which extends to the posterior end of spermatozoon as axis of the tail. The flagella has a 9+1 pattern in the filament of axial filament complex. Finally, the characteristic pattern of these filaments is lost and the filaments disappear at the posterior end of the spermatozoon. The small centriole-like body abuts on the posterior end of the nucleus but in this observation no small body could be identified. Two cords of mitochondria extend along the axial filament complex from the posterior end of the centriole like body towards the posterior end of the spermatozoon.
  • 大野 善右衛門
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 217-
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
  • 真喜屋 清
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 223-229
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1965年12月から翌年5月まで鹿児島市内の各種水域に棲息する蚊幼虫個体群の動態を, 個体数の変動と令構成の推移の両面から追跡し, 越冬形態について次のような結果を得た.1.ヤマトヤブカ, キンパラナガハシカおよびフタクロホシチビカの3種は, いずれも冬期において若令幼虫が多数出現し, 3月から5月にかけて蛹が現れた(それぞれ第2・第3および第4図).そして翌年の第1代成虫個体群との関連から考えると, 越年した幼虫よりも冬期から早春に孵化する幼虫群の方が量的に重要であると推測される.2.オオクロヤブカは蛹が出現する翌年3月まで終令幼虫だけの個体群であり, 越年した幼虫群がそのまま寒期をすごして翌年の成虫個体群になると思われる(第5図).3.アカイエカは越年した幼虫群に混つて冬期でも蛹が多少残存しており, 羽化する可能性も考えられるが, 全体からみればその割合は少なく, 大多数の幼虫と蛹は早晩死滅すると考えられる(第6図).4.ヒトスジシマカは冬期に幼虫個体群が消滅し, 翌年3月から5月にかけて孵化・蛹化・羽化が確かめられた.従つて, 幼虫態による越冬は行なわれず, 翌年の第1代成虫個体群は早春に孵化する幼虫群に由来するものと推察される(第7図).
  • 原田 文雄, 森谷 清樹, 矢部 辰男
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 230-236
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1967年4〜10月, 横浜市保土ケ谷区内の豚舎ならびに隣接する鶏舎でライト・トラップによりコガタアカイエカを連日採集し, 採集時の吸血率および経産率をしらべ, さらに生存吸血個体を飼育して次代の成虫を得, これらについて2, 3の観察ならびに実験を行なつた.実験期間中の幼・成虫の飼育ならびにマウス給血などはすべて室温下で行ない, また日長時間は自然のままとし, 人工照明は用いなかつた.本調査はおもに豚舎の採集蚊に重点をおいて行ない, 鶏舎のそれは参考程度にとどめた.結果の概要はつぎのとおりである.1)6〜9月間, 豚舎および鶏舎で終夜採集された成虫雌の吸血率は, 前者が平均59.0%, 後者は22.3%であつた.しかし豚舎では, 7月の吸血率が平均値よりはるかに低く, 豚コレラ予防消毒薬の使用による影響と推定された.これがなければ, 豚舎では60〜70%の吸血率が期待される.2)4〜10月間に豚舎で採集された満腹吸血雌を飼育し, ケージ内産卵状況を観察し結た果, 5月末より9月下旬まで産卵が認められた.そのうちとくに9月は産卵率高く50%以上を示し, 最高は9月上旬の60%であつた.しかし自然界における産卵率との関係は明らかでない.3)前項で6〜10月間に得られた合計約300卵舟の月別平均卵数は, 6月の227.5個を最高とし, これ以後は季節の進むにしたがい減少した.その割合は, 6月の平均卵数を100とした場合, 7〜10月間はそれぞれ86, 81, 78, 65であつた.卵のふ化率は季節的変動が少なく, 平均95.1%であつた.4)豚舎における4〜10月間の経産率は昨年(前報)とほとんど同じ傾向を示し, 5月が最も低く, シーズンの終りに向つて上昇し, 10月は89%に達した.平均卵数との間には逆の関係が認められた.鶏舎における5〜9月間の経産率も季節の進むにつれ上昇傾向を示したが, 卵数との関係は調査しなかつた.5)ライト・トラップ採集蚊の次代雌成虫につき, マウス給血後卵巣発育状態を観察した結果, 栄養生殖分離は8月上旬以後の羽化成虫に現われた.しかし, その出現率が80%以上に上昇したのは9月中旬羽化成虫からであつた.両者の羽化当時における日長閾値は, それぞれ14時間および12時間30分〜12時間20分であつたが, 卵・幼虫期の日長はこれよりさらに長い.6)前項の結果から推定される本種の越冬個体群構成は, 二系統より成ることが考えられた.第I集団は9〜10月の年内活動世代の一部, 第II集団は第I集団に由来する本来の越冬個体群である.後者は未吸血未経産で越冬し, たとえ吸血しても卵巣濾胞の発育は期待されない.
  • 武衛 和雄, 新井 浩, 上羽 昇, 中島 貞夫, 前田 章子
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 237-248
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1.大阪府和泉市の郊外にある某牛舎を中心とした地域で, 1963年以来毎年蚊を定量的に採集した.牛舎・水田ともにコガタアカイエカ(シロハシイエカを含む)は, 採集された蚊の総数の90%以上を占めていた.また, 牛舎に集まる蚊とドライアイスに誘引される蚊とでは, その種類構成の上では差がなかつた.2.コガタアカイエカの活動は7, 8月が最盛期であるが, さらにこまかな消長については, 地域や年次により異ることが観察された.3.この地域の水田では, コガタアカイエカの発生が優占位を占め, 幼虫は7月上旬から8月下旬にかけて発生し, とくに7月に顕著な発生がみられた.4.牛舎に侵入したコガタアカイエカ個体群の吸血率は, 7月中旬から8月上旬にかけてとくに高く, 8月中旬以降にはそれが50%前後を持続するようになつた越冬蚊の出現する4月下旬から5月上旬にかけて再び高い吸血率を示した.5.牛舎の周辺に群飛するコガタアカイエカは, 通常地上3〜5mのところに観察された.性比をみると, 最盛期ではメスの占める比率がかなり高いが, 9月にはいるとオスの比率が急に増加し, 下旬にはオスばかりの群飛がみられるようになつた.6.牛舎の中に侵入するコガタアカイエカ個体群は, 牛舎の周辺に活動する蚊や, ドライアイスで採集される蚊とくらべて, 生理的に年令のすすんだ個体が多いことを示した.7.経産蚊率の周年遷移から, コガタアカイエカの発生の周年消長を解析した.それによると, 1966年においては, 新生第1世代の成虫は5月中旬に出現し, 9月上旬に最終の羽化が行なわれ, この間においておおむね6世代くりかえされたことが推定された.8.ウイルス感染蚊の出現時期は, 年によつて多少のずれのあることが明らかになつた.ヒトの流行のサイズが感染蚊の個体群密度の大小で決定されるものと予想するならば, ウイルスの増幅サイクル時における蚊の発生密度が流行のサイズに決定的な要因となるものと思われる.
  • 金子 清俊, 天野 甲子穂, 窪田 公子, 細川 彰
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 248-252
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    某産婦人科医院で分娩した新生児の耳から計8匹のクサニクバエ幼虫を得た.この耳蝿症の報告は1945年以来, 本邦での初めての記録である.1)患者が生後1日目の新生児で, 記録としては最年少者である点注目に価する.2)クサニクバエParasarcophaga harpaxを原因とする蝿症は世界で最初である.3)蝿幼虫の侵入経路としては, 新生児の外耳道にあつた凝血または羊水に誘引されたクサニクバエが幼虫を産出したものと想像する.
  • 竹井 誠, 林 晃史
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 252-257
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    ハエならびにナメクジ害防除に木酢液を使用し, 次の結果をえた.1)木酢液の成分中, 中性区, 塩基性区, フェノール区はハエに忌避されなかつた.前者の混合は, 単独の場合より強い効果を示した.この混合物を水産乾製品の製造時に使用したところ, 日乾中のハエ付着が少なくなり, 製品の品質には何ら害がなかつた.2)木酢液はナメクジに対し速効性の強い接触毒を示した.効果は有機酸区, カルボニル区に強く, フェノール区, 中性区, 塩基性区にもあつた.殺ナメクジ効果は, 木酢液のもつ強酸性が主因ではない.3)木酢液はナメクジに対し強い忌避効果を示した.
  • 池内 まき子
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 257-262
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    培地のpHは, イエバエ幼虫の生育の適否を決定する重要な要因と考えられたので, イエバエの飼育培地に酸あるいはアルカリ性の薬剤を添加して, 培地のpHとイエバエ幼虫の生育, 羽化との関連について検討した.さらに, 幼虫の生育に不適な培地におけるイエバエの産卵選択性についても追究した.1)塩酸, 修酸, 苛性ソーダ, アンモニア水を用いてpH2から12までの培地を作り, イエバエの幼虫を放つてその生育状態をみた.この結果, 幼虫の生育可能な範囲はおよそpH5から10の培地で, アルカリ側にはかなりひろい生育可能な範囲をもつことがわかつた.2)塩酸添加培地でのイエバエ幼虫の生育は, 発育段階によつて異なり, 発育時期のはやいものほど, 培地に対する適応範囲はせまいようであつた.また, イエバエの3令幼虫は, それ以後餌をまつたく与えなくとも, 50〜60%は生育, 羽化することが認められた.3)塩酸添加培地でのイエバエの産卵状態を観察したところ, イエバエは, 幼虫生育に不適な培地でもそれが単独で与えられた場合には, ごく少数の個体が産卵することはあつたが, 個体あたりの産卵数は少なかつた.そして, イエバエの産卵培地に対する選択性は相対的なものであると思われた.
  • Akifumi Hayashi
    原稿種別: 本文
    1968 年 19 巻 4 号 p. 263-264
    発行日: 1968/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    殺虫剤の効力増進に関する基礎的研究(V).ワモンゴキブリの呼吸におよぼす協力剤の影響.ワモンゴキブリを用い, ピレトリンやアレスリンに協力剤を加えた場合の呼吸におよぼす影響についてしらべた.しかし, 協力剤の添加による特異的な差異は認められず, ピレトリンにp. butoxideを加えた場合, 呼吸量が稍々高まる傾向が観察された.また, p. butoxideとS-421では傾向が異ることを知つた.
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