北海道の十勝支庁上士幌町の山間部の一細流において採集されたブユ属ホツポウブユ亜属の一新種の雌雄成虫,蛹および幼虫の記載を行った.本種は,annulus種グループに属し,北米のS. (B.) balteatumにもっとも類似するが,蛹の呼吸糸4本のうち下方2本の柄部が短く,また幼虫の触角に非着色の横縞を欠く点で区別される.我が国で本亜属のこれまで唯一の種であったS. (B.) konoiとは,成虫の脚がほぼすべて黒色で,蛹の呼吸糸の上方2本が長い柄部を有することや,幼虫の触角に非着色の横縞を欠き,クレフトが小さいなどで容易に区別される.
抄録全体を表示