衛生動物
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58 巻, 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 宮城 一郎, 當間 孝子, 岡澤 孝雄, Charles LEH, Mohd Sofian AZIRUN
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 251-259
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    マレーシアとインドネシアで採集されたTopomyia (Suaymyia) decorabilis Leicester,1908,の標本をもとに成虫を再記載,蛹,幼虫は初記載し,近縁種と形態を比較した.また,各期の形態や特徴を図や写真で示した.本種の特徴は大型で,生殖器のgonostylusは単状で分岐していない,paramereが異常に長く,先端が尖っている.また,幼虫の呼吸管は長く,呼吸管毛は発達し,ジグザグに基部から先端に生えている.背側には16〜26本あり,それぞれが3〜11分岐し,腹側には24〜33本あり,それぞれが1〜10分岐していることなども特徴である.本種はマレー半島,東マレーシア,スマトラ島に普通に分布している.幼虫はアリやカミキリムシが穿孔し,開口した小穴(直径2-5mm)を有する青い(生)竹筒内の水溜りに単独で生息し,捕食性で,顕著な口器(maxilla,mandible)を有する.
  • 倉橋 弘, Moi Ung LEH
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 261-273
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    東マレーシア,サラワク州で2005-2006年にかけて,サラワク博物館のレファレンス・コレクションを作成するために双翅目昆虫の分類・生態学的調査を実施した.イエバエ科,クロバエ科,ニクバエ科,ヤドリバエ科のハエ類を採集した.同定の結果,39属67種をリストする事が出来た.そのうち,1種は新種と判明したので,本論文で記載し,オスの外部生殖器を図示した.新種はParasarcophaga omari sp. nov.と命名した.
  • 元木 貢, 橋本 知幸, 佐々木 健, 吉川 新, 内田 明彦
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 275-281
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    A survey of mite allergens (Der 2) derived from mite bodies and numbers of mites was conducted to estimate mite infestations in the school environment in July, 2005. A vacuum cleaner was used to collect 146 dust samples from floors and bedding in 29 primary and secondary schools in Minato Ward, Tokyo. The collected house dust was extracted with phosphate buffered saline and the supernatant was used to measure Der 2 by an enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA). The mites in the sediment were then isolated by the saturated saline flotation method. Only six samples (4%) from five schools exceeded the Standard Value of School Environmental Sanitation (100 mites per square meter). However, 56 of 146 samples (38%) exceeded 100 mites per gram dust, a WHO threshold for the development of IgE antibody and asthma, and 15 samples (10%) exceeded 500 mites per gram dust, another risk factor for acute attacks of asthma advocated by the WHO. Four suborders and 14 families including eight species were identified. Genus Derma-tophagoides including Dermatophagoides farinae Hughes and D. pteronyssinus (Trouessart), dominated at rates of over 90% in carpets, wooden floors and bedding. From these results, 100 Dermatophagoides mites per square meter were equivalent to 300ng of Der 2 in carpets, 210ng on wooden floors, 1,200ng in Tatami mats and 530ng in bedding. It was concluded that the Standard Value of School Environmental Sanitation was less strict than the WHO International Standard for mite allergen exposure.
  • 當間 孝子, 宮城 一郎, 岡澤 孝雄, Charles LEH
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 283-290
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    マレーシアのサラワク州,クチンの海岸沿いのココナツ園の落下した果実の水溜りより採集したクロヤブカ属(Armigeres)の蚊は,既知種や米国の自然史博物館に保管してある模式標本と比較した結果,Armigeres setifer Delfinado,1966と同定された.本種はフィリピンのパラワン島から採集された雄成虫の不完全な標本をもとに記載されている.本論文では本種の成虫,幼虫,蛹を含めて再記載を行うと共に,図や写真でも示した.
  • 高岡 宏行
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 291-301
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    マレーシアのサバ州キナバル山麓において採集されたブユの蛹および蛹から羽化させた雌成虫の標本をもとにSimulium (Simukium) maklarini sp. nov.およびS. (S)liewi sp. nov.の2新種を記載した.2新種ともSimulium属のSimulium亜属に属し,melanopus種群に分類された.同種群内の他の類似種との比較を行った.
  • 高岡 宏行, 斎藤 一三
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 303-312
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    茨城県の一細流で採集されたブユの蛹,終齢幼虫,および蛹から羽化させた雌雄成虫の標本をもとに新種の記載を行った.本新種は,Simulium属のNevermannia亜属に属し,さらにvernum種群に分類される,本種は,雌雄成虫の下胸部両側に微毛を有し,幼虫頭部のcleftが小さく,大半がM型を呈するなどS. (N.) uemotoiに酷似するが,成虫では脚のほとんどが暗色であること,雄成虫では頭部上半部の個眼の列の数が多いこと,また,幼虫では腹部背面に淡黄褐色の斑紋を欠くことなどにより区別される.我が国のvernum種群の既知種は幼虫の腹部末節側面のaccessory scleriteを欠くが,本新種の一部の幼虫ではこの形質が認められた.
  • 高岡 宏行, 青木 千春
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 313-323
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道小樽市の一細流で採集されたブユの蛹,終齢幼虫,および蛹から羽化させた雌雄成虫の標本をもとに新種Simulium (Nevermannia) babai sp. nov.(和名: キアシホソスネブユ)の記載を行った.本新種は,ブユ属のホソスネブユ亜属に属し,さらにvernum種群に分類され,雌雄成虫の転節,腿節および脛節の大部分が黄色である特徴を有する.この点,S. (N.) uemotoi Sato et al.に酷似するが,雌成虫の感覚胞が中程度の大きさであること,雄成虫では頭部上半部の個眼の列の数が少ないこと,幼虫頭部のcleftが中程度の大きさであることなどにより区別される.蛹は,S. (N.) subcostatum (Takahasi)と区別が困難であるが,雌雄成虫の腿節のほとんどが黄色であること,幼虫頭部が黄色で明瞭な斑点を有することにより区別される.また,蛹では,S. (N.) koshikienseにも似るが,雌成虫の感覚胞が中程度の大きさであること,雌雄成虫の腿節および脛節のほとんどが黄色であることにより区別される,vernum種群に含まれる種および亜種を再検討するなかで,S. (N.) subcostatum chejuense TakaokaはS. (N.) subcostatum subcostatumとはいくっかの形質で確実に区別されることから,種への格上げを提案した.
  • 倉橋 弘, Baharudin OMAR
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 325-327
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    東マレーシア,サラワク州バコ国立公園で2005年に双翅目昆虫の分類・生態学的調査を実施した際,ウツボカズラNepenthes rafflesianaのピッチャーから採集された幼虫を飼育して得られた1メスをもとに,希少種ウイルヘルムクロバエWilhelmina nepenthicola Schmitz and Villeneuve,1932を再記載した.本種はこれまでインドネシア(模式産地: ポンティアナ)から知られていたもので,マレーシアからは初めての記録である.頭部と胸部は銀白色粉に覆われ,腹部は黄褐色で第3,第4背板には後縁に暗色横帯をもつ美麗種である.幼虫は特異な形態をもつスカベンジャーである.ピッチャー内の液面に浮かんで呼吸し,時々潜っては,そこに沈殿している虫の死骸を食している.
  • 大塚 靖, 青木 千春, Wej CHOOCHOTE, Lilian DE LAS LLAGAS, 高岡 宏行
    原稿種別: 本文
    2007 年 58 巻 4 号 p. 329-333
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
    Simulium属のAsiosimulium,Daviesellum,Wallacellum亜属は東洋区に分布し,比較的最近つくられた亜属である.これらの亜属のSimulium属内での系統的状態を調べるために,ミトコンドリア16S rRNA領域の塩基配列に基づいた系統樹をつくり,解析した.その結果はAsiosimulium,Daviesellum,Wallacellum亜属のSimulium属内で亜属としての独立性を支持するものであった.
  • 原稿種別: 文献目録等
    2007 年 58 巻 4 号 p. 335-336
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    2007 年 58 巻 4 号 p. 342-344
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル オープンアクセス
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