衛生動物
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9 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 目次
    1958 年 9 巻 1 号 p. Toc1-
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1958 年 9 巻 1 号 p. Toc2-
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
  • 野村 健一
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    編集部から本会創立当時のことを書けという御注文である.本会の前身たる日本衛生昆虫学会は昭和18年に発会式を挙げており, ここから起算すると今年は15周年目に当るわけである.当時私は幹事の1人として会務に携つたが, その頃を回想するとまことに感慨深いものがある.以下, 創立前後の思い出を二三述べて見よう.
  • 長花 操, 外山 寛樹
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 5-15
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    Successive studies on the seasonal prevalences of mosquitoes were carried out during the period of three years from 1954 to 1956 at two or four places in Yonago City using light trap and at a place using exhauster in 1954 especially, and following results were obtained. 1. Number of mosquitoes collected were 4 genera, 12 species, 8, 793 individuals in 1954, 4 genera, 13 species, 16, 514 individuals in 1955, and 3 genera, 11 species, 4, 684 individuals in 1956 respectively. Culex pipiens, C. tritaeniorhynchus, and Anopheles sinensis occupied the great majority of the specimens (approximately 96 to 98% each year). C. pipiens decreased number of specimens collected from 1954 to 1956, i. e. 75, 56, and 19% respectively, while C. tritaeniorhynchus increased percentage gradually (11, 28, and 75%) and became top of the species in 1956. 2. The tendency of decreasing number of individuals was observed in 1956 than 1955, especially C. pipiens decreased remarkably. And number of C. tritaeniorhynchus collected at Nishi Machi also decreased to approximately half of individuals in 1955. These phenomena may be caused by artificial changes of habitats, such as spray of insecticides, etc. 3. The male of C. pipiens collected always more than the female and A. sinensis showed almost similar tendency, but no such fact was observed in C. tritaeniorhynchus. 4. The seasonal prevalences of the species mentioned above were as follows : C. pipiens : First collection of female and male were in the middle of March and at the beginning of May respectively and ended in the middle or the end of November. The peak of population curve was observed from the middle of June to the beginning of July. C. tritaeniorhynchus : Appeared in the middle of June or at the beginning of July, came to the peak at the end of July or the beginning of August, and ended at the end of October. A. sinensis : Appeared at the beginning or in the middle of June, became peak in the middle of July to the end of August, and ended at the end of October. 5. The patients of Japanese B encephalitis appeared 10 to 30 days after the peak of C. tritaeniorhynchus.
  • 大森 康正
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 16-19
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1) The observation on the seasonal prevalence of mosquitoes has been made at a cow barn in Kamo City, Niigata Prefecture, from March 1956 to May 1957 with the exception of winter season. 2) This collection has been made two or three times in each 10 days during the period using an insect net, and the total number of mosquitoes obtained was 3, 366, consisting of 52.5% Aedes vexans nipponii, 26.6% Anopheles sinensis, 11.6% An. sineroides, 6.8% Culex tritaeniorhynchus, 2.2% C. pipiens pallens, 0.3% Armigeres subalbatus, and 0.0% Aedes albopictus (Table 1). 3) Each of these species had their own seasonal prevalence as shown in Fig. 1 and 2. An. sinensis and An. sineroides appeared early in April and could not collect at the end of November. An. sinensis exhibited two definite peaks in occurrence, on the contrary An. sineroides showed nearly three peaks. Ae. vexans nipponii appeared in the middle of May, and disappeared in the middle of October, exhibiting two distinct peaks, the highest one was formed early in June. C. tritaeniorhynchus and C. pipiens pallens appeared early in July and disappeared late in September. 4) C. tritaeniorhynchus showed a small peak in occurrence early in August, on the contrary C. pipiens pallens did not show any peak.
  • 長田 泰博
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1.蚊の宿主感知要因として, 或は宿主に対する種々な動作に対し, 主として炭酸ガスがどの様な作用を及ぼすかについて実験した.2.墓地内に発生しているヒトスジシマカAedes albopictus (Skuse, 1859)についての観察及びトラツプによる捕獲成績から, ドライアイスから発生する炭酸ガスは蚊を誘引し, 湯を用いて温度を高めた場合, 更にこの動作を強めた.又, 蚊は炭酸ガス濃度と温度の高い対象に対しては, 短時間刺す動作を行なうのが見られた.又, 炭酸ガス, 温度の外に湿度が加わつた場合, 特に蚊に対し著しい影響を示すことは認めることが出来なかつた.3.こうして誘引された蚊がさらに物体面にとまり, 吻を挿入する動作をするためには物体面の性質が問題であり, 単なる金属面にはとまらないが, これをガーゼで包むとその動作を起すことが認められた.
  • Jun HARA
    原稿種別: Article
    1958 年 9 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    昭和32年6月十和田の蔦温泉前の木製肥料溜の中より採集したヤブカの幼虫を実験室内で飼育し, 得られた成虫を検索した所, 本邦産のヤブカ亜属に見られない性質が雄の生殖器に認められたので衛生動物学会東日本支部大会に於て一応日本未記録種のヤブカとして発表したが, 其の後の調査によつてロシヤ産のAedes (Aedes) rossicsと同定出来たので, スタッケルベルグの成虫の記載と共に, 雄雌両生殖器, 幼虫の記載をし, 併せて検索表を発表した.主な鑑別点は下記の如き点である.A.雄の生殖器 : ClassettはA. cinereus及びA. asanumaiの如く分岐し, その外側枝の先端に1本の剛毛をそなえるが, Dististyleの先端部は, A. cinereusの如く二分しない。B.雌の生殖器 : 第9背板は幅広く, 心臓型であり, 各々の先端葉は約13本の先端毛をもつ.(A. esoensis 8本, A. yamadai 10〜11本)C.幼虫 : 呼吸管には呼吸管毛を除き, 6対の二岐した微毛を持ち, その内, 一対は呼吸管毛の位置の側方に, 他の一対は, 呼吸管毛と呼吸管の根元とのほゞ中央にある.これ等二対の微毛は本邦産のヤブカのいずれも持たない特徴である.以上の点から本種が日本未記録種のA. rossicusである事は明らかで, 本種を加えて本邦産カブカ亜属に属する蚊はA. nobukonis, A. esoensis, A. pseudoesoensis, A. yamadai, A. asanumai, A. cinereus, A. rossicusの7種となつた.尚お本種の和名をロシヤヤブカとする.
  • 原稿種別: 付録等
    1958 年 9 巻 1 号 p. 27-
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1958 年 9 巻 1 号 p. 27-
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1958 年 9 巻 1 号 p. 27-
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
  • Ryo TANAKA, Hiroshi SUGIYAMA, Seiyu TERAMURA
    原稿種別: Article
    1958 年 9 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
  • 長田 泰博, 佐藤 金作, 田中 英文
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1)屋内の鼡の棲息状況を, 一定方法で配置した餌の摂取される量から推定する目的で, 次の実験を行なつた.まず1頭当りの摂取量を求める為, あらかじめ摂取量を観察した後に, その場所の鼡の全部を捕獲して, 1夜間1頭当りの平均量を求める推定法を, コンクリートの厩舎, 実験室, ごみ捨て場, 及び木造倉庫, 研究室など6カ所で実施した.コンクリート厩舎内の観察では配置場所により, その摂取量に一定の傾向のもとに著しい差のあることがみられた.又, 総平均をとると, 餌の減少量は麸では1頭平均1晩に8.1g, 固形飼料では9.8g, クマリン系毒餌では9.4g, その無毒基材では8.7gとなり, ほゞ一定の値が得られた.又, この値を用いて, 他日棲息数を推定したところ, 実際に捕えた個体数とよく一致する成績を得た.しかし他の環境で観察した成績では, 周囲の本来の餌の量や, 与えた餌の性質の差により, 異つた値の得られることもみられた.2)1頭平均の摂取量を求める方法として, 次に, 或る場所で捕鼡前の餌の1夜間平均摂取量と, 捕鼡後の量との差を, 捕鼡数で割つて求める推定法を行なつた.その結果, 鼡の群の性質により14〜15g及び30gの値が得られた.3)実験室内で個別に飼育したドブネズミ9頭について, 固形飼料と水のみ与えた場合, 1頭平均の夜間摂取量はそれぞれ13g及び24cc, 又, 24時間では20g及び27ccを摂取した.4)異つた環境で, 配置した餌の場所別摂取量から, 一地域内の鼡の活動範囲や移動状況の推定を行つた.厩舎の観察では, 初め東側の餌のみ摂取されたが, 観察後約45日経て, 西側の餌も消費されはじめた.これを捕鼡器で実際に捕えて調べた結果, これら地区内に異つた構成の二群が棲息していたことが分つた.5)餌の嗜好性を調べる為, 固形飼料, 配合飼料の粉末, 米粉, 小麦粉, 玉蜀黍粉, パン粉, 魚粉, 食用油等を用いて実験を行なつた.その結果, 玉蜀黍粉, 米粉等が好まれ, 同じ素材のみより, 配合したものをよく摂取した.又, 同一の配合飼料を, その調整法を変え, 粉のまま, 固形にしたもの, 水練りのものの3型について, 同時に配置して比較したところ, この実験場所では後のものほど良く摂取された.6)毒餌の配置による駆除に際し, その摂取状況から, 鼡の棲息状況を観察した.環境が比較的閉鎖的な場合, 駆除も徹底し, 且つ長期に亘り効果が認められたが, 開放的な環境では, その駆除を徹底して行うことは困難であつた.7)以上の結果から, 環境条件, 餌の性質及び配置法などを充分に考慮に入れると, その消費状況から, 鼡の棲息数及び活動状況を或る程度推定出来ると考える.
  • 岡本 詢
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1)米子市及び鳥取市で採集した蚋の1種について, その発育各期のものの形態を記述した.2)本種はsubgenus Boophthora Enderleinに属する事を明らかにした.3)本種をBoophthora属の1新種と認めS. (B.) yonagoenseと命名した.4)吉田のウマブユ飼育法に類似した方法によつて, 本種を実験室内で卵から成虫まで飼育する事に成功した.5)本種の幼虫の期間は飼育温度が10〜15℃では26〜31日, 20℃前後では13〜24日である事を認め, 従来の報告されている他種のそれの知見よりも短い事を明らかにした.6)本種の蛹の期間は10℃前後では9〜12日, 平均10.5日を要し, 約20℃では2〜6日, 平均3日余を要することを明らかにした.7)室内で卵から飼育して得た成虫の大きさは自然界のものと大差なく, また雌雄別の発生数はほゞ同数であつた.
  • 吉田 幸雄, 中西 靖郎
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    The reactions of full grown larvae of S. salopiense and S. aokii to lindane and DDT were studied in the laboratory. The LD_<50> after 30 seconds exposure are 4ppm in lindane emulsion, 54ppm in DDT emulsion and 105ppm in DDT paste, respectively. The LT_<50> in 1ppm lindane emulsion, 10ppm DDT emulsion and 10ppm DDT paste are 1 minute, 1.7 minutes and 5 minutes, respectively. On this observations, moreover, considerable numbers of larvae have pupated after 30 seconds exposure in high concentration of insecticides. These results suggest that the Simulium larvae have no small resistance against these insecticides.
  • 仁光 政博, 緒方 一喜
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1956年4月から1カ年にわたつて, 広島県下の一半農半住地に於て, 鶏舎から発生するハエの種類及びその季節的な消長を調査したが, その結果8科, 11属, 15種のハエが得られた.年間の発生量からは, Tephrochlamys sp., Fannia sp. I, Fannia sp. II, コウカアブのような, 衛生害虫としては比較的意義の少い種類が圧倒的に多かつた.そして, コウカアブを除いては, 体も小さく, 発生量の割には目立たないものである.発生量としては前群に及ばないが, サシバエ, ヒメクロバエ, オオクロバエ, イエバエ, センチニクバエ, オオイエバエ, ヒメイエバエなどの, 衛生害虫として重要な種類が多種発生する事が注目された.これは, キンバエ類を除いて, 衛生上重要と考えられる種類を含む殆どすべての科属にわたるもので, 同じ家畜系列の発生源である牛・馬・豚舎などと比較してみると, 豚舎の性格に類似している.この事は, 恐らく家畜の食性に起因するもので, 動物性, 植物性の混合飼料をとる鶏では, 主に草食性の牛馬よりも, 雑食性の豚に似たものであろう.Silverly, R. E. & Schoof, H. F. (1955a, b, c)によると, アメリカの市街地で, 一番重要なハエの発生源は鶏舎であると報告している.これによると, 発生種の69%はMusca domesticaで, 18.8%がMuscina spp.である.緒方ら(1957a)の報告も加えて考察すると, 鶏の飼養管理上有利なバタリー式の鶏舎構造が, 土間式に比べて, ハエの発生に有利になつている事実をも追加しておきたい.土間式では, 鶏がハエ幼虫を捕食する事の他, 糞の物理的状態が関与するものと考えられる.鶏舎の場合も, 家畜系列発生源の特徴として, イエバエ科, ヒメイエバエ科及びこの近似科の種類を多発させている事である.特に, 鶏を吸血する事は少いと考えられるサシバエを大量発生させている事は興味深い.キンバエ類が何故発生しないものか, その機構については非常に興味がもたれる.Tephrochlamys sp.やFannia sp. IIが, 早春, 晩秋に大量発生したが, 衛生上の重要種は5〜9月の期間に発生する.この資料から, 鶏舎対策の適期が自ら判断されるが, 対種防除という点からは, 本地方では, 5.7・8・9月が特に重要と考えられる.
  • 平社 俊之助, 本田 博
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1957年, 東京農業大学農場の豚舎及び堆肥場において, 薬剤によるイエバエの駆除実験を行つた.堆肥場に発生したイエバエ幼虫に対して, 1 feet^2当0.5lの薬剤を撒布したときmalathion, dipterex, dieldrinの夫々1%液の場合でいずれも100〜80%近くの駆除効果が得られたが, 0.01%の場合ではいずれもほとんど効果が認められなかつた.豚舎に1%malathion乳剤を1m^2当80cc撒布し, イエバエ成虫の消長を観察した時, 撒布後1週間余りハエの棲息密度は減少している.又, 生物試験により残効力をしらべた結果, 1〜2週間は有効と見られ, 3週間以後にこの残効力を求めることはむつかしいようである.
  • 福井 正信
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    1)ササラダニの採集に際しBerlese変法, 渡辺等の採集法, 直接採集法を試みた.2)採集したササラダニ成虫を恙虫飼育容器であるプラスチック製シヤーレ内に獣炭末及び石膏との混合培地を床とし, その床に2万倍マーゾニン液を適時滴下補給して湿度を保ち併せてカビの発生を防ぎ, この環境下で飼育し数カ月乃至1年以上の生存をみた.3)渡辺氏等の採集法を検討し, プレート法によるササラダニの日週活動を調べる目的で実験を行つた.即ち1957年9月12日午前9時より翌13日午前10時迄の26時間, 杉板及び松板を用いて毎時この板の両面に集るダニの数を観察し, 同時に気温・地温・湿度を測定・記録した.4)この結果, 板よりの採集ダニの殆んどがホクリクササラダニOribatula sp. (Or. -1)であることが判明した.又杉板より松板に多く集る傾向のあるのを見た.5)杉・松共に表面より裏面に多く観察され, その数は裏面が昼夜共全体の70%前後を示し夜間と昼間の両面出現比率は有意差を示さなかつた.6)杉板の裏面に観察されたダニ数の時刻的推移をみると午前に活動の山がみられ午後3時以降急速に観察数は減少し夜間は殆んど認められなかつた.又松板採集区ではこの出現状態と気温・地温との間には何れも正の有意の相関がみられた.7)このプレート採集法は或地域のササラダニ相を調査する為の最適の方法ではないにしてもMoniezia expansaの中間宿主となるホクリクササラダニの採集法としては好適な方法の1つであると思われる.
  • 原田 節子, 浅羽 不二子, 石山 英子, 加藤 雅子, 斎藤 雅子, 戸塚 和子
    原稿種別: 本文
    1958 年 9 巻 1 号 p. 64-65
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
    自由学園は, まだ武蔵野の面影を残す東京西郊に位置するが, 清流が校庭の大芝生を貫流し, 昔から本学園内のブユの被害は甚しく, 一名南沢ブユの通称を持つほどである.1953年来, 本学科学グループの原田, 中村は, 予研緒方技官の協力を得て, 生態, 駆除の研究を行つて来たが, その後, 在校生にひきつがれ, 何よりもまず被害防止という目的で, 駆除実験に主力をおいて研究を進めている.たまたま, 筆者らは本学園の附属である那須農場へ, 農繁期託児所の実習に行つた際, その地方のブユの被害は, 更に激しい事を経験し, 学園内の研究の参考資料を得るという目的で, 二三の観察を行つた.取りあえず, 第1報として, 那須地方に於けるブユの分布, 及び調査水系に於ける興味深いすみわけの現象を見出したのでこの結果を報告する.本報告を行うに当つて, 日頃御指導を仰いでいる予研緒方一喜技官.及び, 調査に当つて種々御援助を頂いた那須農場の木下良作氏に厚く感謝申し上げる.
  • 原稿種別: 付録等
    1958 年 9 巻 1 号 p. 66-67
    発行日: 1958/04/10
    公開日: 2016/09/04
    ジャーナル フリー
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