日本組織適合性学会誌
Online ISSN : 2187-4239
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12 巻, 3 号
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原著論文
  • 盛山 芳恵, 加藤 和江, 村 徹, 十字 猛夫
    2006 年 12 巻 3 号 p. 183-201
    発行日: 2006年
    公開日: 2017/03/30
    ジャーナル フリー

    日本骨髄バンク登録ドナー(以下ドナーとする)として登録された人々のHLA型から, HLA-A, -B, -DRの3座位のHLA抗原の遺伝子頻度およびHLA-A, -B, -DRの3座のHLA抗原のハプロタイプ頻度の算出を行い, さらにドナーが登録した骨髄データセンターの都道府県をそのドナーの出身地と仮定して, HLAハプロタイプの都道府県別頻度の計算を行った. ドナー全体のハプロタイプ頻度と韓国, 台湾, 中国, 中国東北部のハプロタイプ頻度との比較も行った. 11th International Histcompatibility Workshop(以下11th IHWとする)の日本のHLA遺伝子頻度結果は, 全検体数が少なかったために検出できなかった日本人には比較的稀であるとされてきたHLA型が, 今回のドナー全体での調査では, いくつか検出された. これは大きな集団を解析することによって初めて可能になった貴重なデータである. 都道府県別ハプロタイプ頻度を較べてみると, ハプロタイプの分布に多少の差異があることが示された. 東北アジアの近隣の国々(韓国, 台湾, 中国, 中国東北部)との比較では, 日本は韓国と多くのHLA抗原ハプロタイプを共有している事が示され, 人類学的に近い関係にあることが推測された.

総説
  • 柚木 直也
    2006 年 12 巻 3 号 p. 203-214
    発行日: 2006年
    公開日: 2017/03/30
    ジャーナル フリー

    2005年は私達の研究室(Laboratory of Genomic Diversity)にとって記念すべき年であった. ひとつには, オブライエン博士らにより, チーターの皮膚移植実験を用いたこの種におけるMHC多様性の欠如がサイエンス誌に発表されて20周年にあたることによる(1). さらに, 私達のグループにより, 家ネコ科のMHCシークエンスがほぼ完了し, 9月21日にはAgencourt/Broad Institute/NHGRIにより, ネコの全ゲノムショットガンシークエンス(2倍ゲノムサイズ)が完了した. これらによりMHC領域の比較が可能になった. もうひとつ特筆すべきは, イヌのゲノムシークエンス(7.5倍ゲノムサイズ)が完了して一年, その成果がネーチャー12月号に発表された事が挙げられよう(2). 私達はブロード研究所からイヌMHC全シークエンスを得, その解析とネコMHCとの構造比較を行った. 今回, この雑誌の場を借りてこれらの成果を比較発表させて頂く.

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