日本組織適合性学会誌
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18 巻, 3 号
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総説
  • 黒木 喜美子, 北辻 千展, 前仲 勝実
    2011 年 18 巻 3 号 p. 215-233
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/03/30
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    ナチュラルキラー(NK)細胞上には多数のNKレセプターが存在し, 自然免疫で中心的な役割を果たすNK細胞の傷害活性を制御している. ヒトNKレセプターは, 構造上免疫グロブリン(Ig)様レセプターに属するkiller cell immunoglobulin(Ig)-like receptor群, leukocyte Ig-like receptor群およびC型レクチン様レセプターに属するNKG2/CD94群に分類され, いずれも活性型と抑制型が存在するペア型レセプターの一員である. 抑制型NKレセプターの多くはMHCクラスIをリガンドとして認識し, 正常な自己細胞に対してNK細胞が傷害しないように制御しているが, 活性型NKレセプターのリガンドについては未だ不明な点も多い. 本稿では特にMHCクラスIをリガンドとするNKレセプターに焦点を当て, その機能, 構造, 疾患との関連について最近の知見を概説する. 「1. はじめに」 NK細胞は末梢血リンパ球の約10〜15%を占め, ウイルス感染など生体防御の最前線において, IL-2, IL-15, IL-18などのサイトカインや細胞表面レセプター群を介するシグナル伝達によって活性化し, 自然免疫において重要な役割を担っている.

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