Japanese Society for Histocompatibility and Immunogenetics (JSHI) has a certification system for HLA technologist and Director for Histocompatibility testing, in which ability and knowledge about the histocompatibility and Immunogenetics is required. To evaluate the ability and knowledge, a paper examination is obliged. Here I will comment on several questions of which percentage of correct answer was below 40% in the last year 2017.
症例-対照研究によって,自己免疫疾患・感染症・薬疹など様々な形質と関連する多数のHLAアリルが報告されている。クラスIおよびクラスIIHLA遺伝子座には多数のアリルが存在するため,偽陽性を減らすために厳しい有意水準を設定して統計学的仮説検定が行われてきた。しかし,ボンフェローニ補正(Bonferroni correction)のような過度な有意水準の補正は弱い関連を示すHLAアリルを見逃すことになる。本稿では,最初にHLAアリルと疾患の統計学的関連を評価するカイ2乗検定について解説し,次に多数のアリルをもつ遺伝子座を対象とする関連解析で必要な有意水準の補正について紹介する。
HLA適合血縁・非血縁ドナーが見出せない場合,あるいは疾患コントロールのため早期の移植実施が必要である場合の代替ドナーとして,HLA不適合血縁・非血縁ドナーが用いられる機会が急速に増加している。HLA適合度の評価方法およびHLA適合度と移植成績との関連に関しては,各移植ソースで異なるため,HLA不適合の意義に関しての解釈に注意が必要である。評価する遺伝子座の組み合わせ,適合レベル(抗原・アリル),不適合方向(移植片対宿主方向や宿主対移植片方向)に関して十分理解しなければならない。またHLA不適合と移植成績との関連に関しては様々な研究が実施されているが,GVHD予防法とともにその意義は変化することも認識しなければならない。本稿では,移植ソースごとのHLA不適合の意義に関して概説する。