日本組織適合性学会誌
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3 巻, 2 号
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原著論文
  • 斉藤 敏, 大田 智, 橋爪 清隆, 山田 英世, 福島 弘文, 太田 正穂
    1996 年 3 巻 2 号 p. 94-104
    発行日: 1996年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    第11回の国際組織適合性ワークショップ(11th IHW)の抗血清を使用することによって, Cw6がCw6.1とCw6.2に分類され, Cw6.1はCw* 0602に, Cw6.2はCw* 1502にそれぞれ対応することが報告された. 抗Cw6.2の特異性を有する11th IHWの抗血清(11th0435)とその他のCw6関連抗血清を当センターのパネルを用いて特異性解析を行ったところ, 11th0435の抗Cw6.2と同じ反応を示す抗血清(31-603)が見つかった. この2本の抗Cw6.2血清を使用したレトロスペクティブな解析データから, 2457人中42人がCw6.2とタイプされ, 更にこれらCw6.2陽性となった42人につきPCR−SSP法にて確認したところ, 全例がHLA-Cw* 15陽性であった. 血清学的に検査可能なCw6.2抗原はCw* 15遺伝子由来であり, 日本人においての遺伝子頻度は1.2%で, A2, B51, B61, B60, DR9, DR14と連鎖していることことが推定された. HLA-C座抗原を血清学的方法でタイピングすると, どの民族においても, 20%から50%の頻度で, 型を特定できない, いわゆるブランクが存在する(1,2). しかしながら, ブランクと判定されても何らかのC遺伝子由来の抗原が細胞表面上には表現されていることが確かめられている(3). 日本人におけるHLA-Cブランクは, およそ30%と推定されており, B座抗原との連鎖解析からC座ブランクと連鎖しているB座抗原の内訳は, B52が11.1%, B51が6.8%, B44が6.5%, B61が5.1%, B48が2.7%, B60が1.3%, B35が0.9%である(4). 一方B52と連鎖しているCx52, B44, B51と連鎖しているCx4451およびB61, B60, B48と連鎖しているCw8Nが血清学的方法でタイプできることが報告され, 日本人におけるHLA-C遺伝子座のブランク率は著明に低くなった(5〜7).

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