日本組織適合性学会誌
Online ISSN : 2187-4239
Print ISSN : 2186-9995
ISSN-L : 2186-9995
4 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
原著論文
  • 松澤 由美子, 成瀬 妙子, 猪子 英俊
    1997 年 4 巻 2 号 p. 69-73
    発行日: 1997年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    HLA-C抗原系は他のHLA抗原に比べ発現が弱いことなどの理由で, 血清学的方法による同定はブランクが多く出現し, 精度の高いタイピング法とはいい難い. そこでHLA-C抗原の簡便なDNAタイピングを目的として, PCR-RFLP(polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism)法により, 計11種の制限酵素を用いて30種類のC抗原対立遺伝子(アリル)を18グループに分類する方法を考案した. 実際にHLA-C抗原対立遺伝子が既知の24種のHLA-C抗原ホモ接合体細胞(但し, TUBOのC抗原は血清学的にブランク)と2種のヘテロ接合体細胞を用いてDNAタイピングを行ったところ, 正確な対立遺伝子の同定が可能と考えられたことから, 本研究で確立したPCR-RFLP法は, PCR-SSP法との併用により全てのアリルが識別可能なHLA-Cタイピングに有効な方法であることを確認した.

  • 古田 求, 水野 伸一, 太田 浩敏, 和田 かおる, 高橋 勲, 神谷 忠, 小澤 和郎
    1997 年 4 巻 2 号 p. 74-79
    発行日: 1997年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    等電点電気泳動法を用いてHLA-B抗原を解析するため, HLA-B抗原に特異性の高いアミノ酸配列DRETQIsKTNTQTYRE(aa61-76)に関してMultiple Antignic Peptide(MAP)を調製, 免疫することにより, “抗HLA-Bα1 MAP血清”を調製し, 種々のHLA-A抗原, -B抗原との反応性について等電点電気泳動-イムノブロット(IEF-IB)法にて検討した. その結果, 抗HLA−Bα1MAP血清は, HLA-B抗原については, 免疫原と同一のアミノ酸配列を有するHLA-B13, -B44, -B48, -B52, -B60, -B61, -B62抗原に対し特異的に強く反応したが, 1〜6個のアミノ酸配列が異なるHLA-B7, -B8, -B14, -B18, -B27, -B35, -B46, -B51, -B53, -B54, -B55, -B70, -B75抗原にはほとんど反応しなかった. また, HLA-A抗原(8〜9個のアミノ酸配列が異なる)に関してはHLA-A2, -A24には弱く反応するものの, 他のHLA-A抗原にはほとんど反応性を示さなかった. 従って, HLA-B抗原に特異的なアミノ酸配列のMAPを合成, 免疫することにより, IEF-IB法においてHLA-A抗原にはほとんど反応することなく, 免疫原と同一のアミノ酸配列を有するHLA-B抗原のみと強く反応する抗血清を調製することができた. 今後, 本血清はHLA-B抗原の生化学的解析に有用になると思われる.

feedback
Top