日本組織適合性学会誌
Online ISSN : 2187-4239
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8 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
招請原著論文
  • Fumiaki Nakajima, Junko Nakamura, Toshikazu Yokota
    2001 年 8 巻 1 号 p. 1-32
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/03/30
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    日本人のHLAハプロタイプをHLA-A, -C, -B, -DRB1, -DRB345, -DQA1, -DQB1, -DPB1の8座位におけるHLA遺伝子型4桁レベルで分析した. 特にクラス1領域において血清学的タイピングで判別不可能な対立遺伝子, 例えばA*0201やA*0206などが, それぞれ他ローカスとどのような関連を保持しているかを具体的な数値で示すことが目的である. そして比較的低頻度な対立遺伝子が構成するハプロタイプを示す方法を工夫してみた. クラス1領域ではA2, A26, B13, B44, B61, B62, B39および血清学的タイピング困難なcローカスにおいて特徴的な関連が認められた. クラスn領域ではDR-DQ間の非常に高い相関が確認され, DP座でもある程度の関連が認められた.

原著論文
  • Michinari Takahashi, Keisuke Sato, Makoto Katagiri
    2001 年 8 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/03/30
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    HLA分子は抗原ペプチドを結合し, これをT細胞レセプターに提示することによりT細胞を分化, 活性化する免疫制御分子である. HLA分子に結合する抗原ペプチドの結合選択性は, HLA分子から溶出した結合ペプチドのアミノ酸配列から決められるアリル特異的モチーフの検討によって解析されてきている. これ迄に解析されてきたHLA分子結合ペプチド, 特にHLA-DR分子結合ペプチドは主にトランスフォームされたB細胞由来の分子を用いて明らかにされてきた. 今回我々はT細胞由来のHLA-DR分子に結合している抗原ペプチドを検討するため, HLA-DR分子を発現しているヒトT細胞のモデルとして, ヒトリンパ球向性ウイルス1型感染細胞MT2細胞株を用い, そのHLA-DR分子に結合しているペプチドを分離しアミノ酸配列を決定した. 決定した配列を基に合成したペプチドとHLA-DR分子を発現させたL細胞との結合性を解析した.

  • Olga Tarasenko, Jun ohashi, Mikhail Kitaev, Svetlana Razorilova, Arina ...
    2001 年 8 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/03/30
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    Central Asia is a vast region at the crossroads of different habitats, cultures, and trade routes. Little is known about the genetics and the history of the populations of this region. In order to investigate the genetic characteristics of Kyrgyz and their affinities to other populations, HLA-DRBI polymorphism was investigated in 148 healthy unrelated individuals living in Kyrgyz Republic. Kyrgyz, as representative of the Central Asian cluster, not only contain a considerable admixture of Mongoloid genes, but also Caucasian genes as well. The predominant HLA-DRB 1 alleles were HLA-DRB 1 *0701 and *0301 . Genetic distances and principal component analysis based on DRB 1 allele frequencies suggested that Kyrgyz are genetically situated closer to the European than to the East Asian cluster. The present results agree well with the admixture hypothesis that Kyrgyz have not only been derived from Mongoloid, but also Caucasoid ancestors.

シリーズ:異種のMHC
  • 津田 とみ, 猪子 英俊
    2001 年 8 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/03/30
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    鳥類でのDNA研究はシブリーらによるDNA-DNAハイブリダイゼーションによる解析を経てその後多くはミトコンドリアDNAによる研究がすすめられてきた. 第4回の国際ペンギン会議(2000年9月, チリ)での演題も多くはペンギンの行動生理学や繁殖保護に関するものであり, DNAの分析の手法を用いた発表は, ミトコンドリアDNA, マイクロサテライトと私たちのペンギンMHC(Major Histocompatibility Complex主要組織適合抗原複合体, MHCと略す)の3件であった. いずれも参加者から高い関心と期待を寄せられた. MHC解析の有用性が関心を呼んだのだろうか, MHC分析をしてみたいとのいくつもの申し出があった. ペンギン研究の舞台へのMHCの初登場は成功をおさめたようである. 本稿では, MHCの舞台でペンギンとペンギンMHCを含めたペンギンDNA研究の現況を披露したいと思う.

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