日本微生物資源学会誌
Online ISSN : 2759-2006
Print ISSN : 1342-4041
38 巻, 2 号
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  • ─藻類のポリアミン分析 IV ─
    浜名 康栄, 古地 壯光, 林 秀謙, 新津 勝
    2022 年 38 巻 2 号 p. 51-62
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/07/26
    ジャーナル フリー

    藻類のポリアミン成分構成をカタログ化するため,灰色藻植物,緑藻植物,紅藻植物の細胞内ポリアミン分析に引き続き,緑藻または紅藻の二次共生やその後の三次共生により進化した全7藻類グループと,これらと系統的に関連する3原虫様グループと2菌類様グループの細胞内ポリアミンを分析した.これらに属し,新規に分析対象とした44生物種から酸抽出したポリアミン画分を高性能液体クロマトグラフィーと高性能ガスクロマトグラフィー・質量分析により追加分析した.生物種は,国内の公的保存機関の MCC-NIES,NBRC,KU-MACC および民間培養機関の DBT より提供された後に大量培養するか,国内の市場および自然界より収集した.新規に追加できたクロララクニオン藻類,ユーグレナ藻類,ハプト藻類,クリプト藻類,渦鞭毛藻類,クロメラ藻類,不等毛藻類,およびクロララクニオン藻類と近縁のリザリア類である原虫様ケルコモナス類,インブリカテア類,ネコブカピ類,および不等毛藻類と近縁な無色ストラメノパイル類である菌類様ラビリンチュラ類と卵菌類のポリアミン分析データと,すでに分析済みの65関連生物種のポリアミン構成とも比較し,これらの生物群のポリアミン成分構成のデータベースの最終報告とした.ジアミノヘキサンを含むジアミン類の存在,ノルスペルミジン,スペルミジン,ホモスペルミジン,ノルスペルミン,スペルミン,サーモスペルミンなどの構成差,長鎖ペンタアミン類とヘキサアミン類の含有,についての各グループのポリアミン構成の特徴に系統分類関係や共生関係が反映されているのかを考察した.また,数種に,メチル化ポリアミンと水酸化ポリアミンが微量検出された.

  • 鈴木 重勝, 山口 晴代, 河地 正伸
    2022 年 38 巻 2 号 p. 63-74
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/07/26
    ジャーナル フリー

    ピコシアノバクテリアは水環境における一次生産者として重要である.特に,Synechococcus とその近縁種には,大きな遺伝的多様性がある.しかしながら,多くの研究では,主に海産種から構成されるサブクラスター(SC)5.1から5.3の多様性に焦点が当てられており,それ以外の Synechococcus 近縁種の多様性の理解は進んでいない.また,国立環境研究所微生物系統保存施設では,50株以上の Synechococcus sp. と同定された培養株(NIES 株)を維持しているが,それらの系統関係は不明である.本研究では,NIES 株の2種類のマーカー遺伝子配列を取得し,系統解析を行った.その結果,NIES 株のうち,7株のみがSC 5.1に含まれたが,ほとんどの NIES 株はそれ以外のグループと近縁であることがわかった.さらに,グループ J と K という新規クレードの存在も示唆された.加えて,SC 5.1を対象に開発された分子マーカーである petB が,幅広い Synechoccocus 近縁種の系統解析に適用可能であることを示した.本研究の知見は,将来のピコシアノバクテリアのメタゲノム解析に利用できる.

  • 宮崎 智
    2022 年 38 巻 2 号 p. 75-76
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/07/26
    ジャーナル フリー
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