ミルクサイエンス
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48 巻 , 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原報
  • 米屋 武文, 中島 肇, 清水 希和, 宮本 拓, 片岡 啓
    1999 年 48 巻 2 号 p. 65-71
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     エチオピアの伝統的発酵乳エルゴ(Ergo)は, 燃やしたオリーブの枝で内部を薫煙した陶製容器中で生乳を自然発酵させて作られる。夲報告では, エチオピア南部のアワサ地方の異なる農家から採取した3種類のエルゴからその製造に関与する乳酸菌を分離同定し, 生化学的性状を調べた。
     分離した乳酸菌21株のうち, 乳酸球菌は15株ですべてL型乳酸を生成するホモ発酵菌で, 糖類の発酵性試験ならびに対照菌との性状比較によってLactococcus garvieaeおよびLactococcus lactis subsp. lactisと同定された。一方, 乳酸桿菌は6株で, D型乳酸を生成するホモ発酵菌ということと糖類の発酵性試験から, すべてLactobacillus屬の同一菌種とみなされたが, 既知のLactobacillus speciesと一致するものはなかった。
     以上の3菌種はそれぞれ異なる試料から分離されたもので, エルゴの乳酸菌叢は必ずしも一定していないことが分かった。また, これらの3菌種の抗菌活性を調べたところ, Escherichia coli RB, Staphylococcus aureus IAM 1011, Lactococcus lactis subsp. lactis NIAI 1527, Lactobacillus bulgaricus 7235に対しては抗菌活性はなく, Streptococcus thermophilus NIAI 510に対しては抗菌活性を示した。
  • 鄭 昌敏, 宮本 拓, 片岡 啓, 米屋 武文
    1999 年 48 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     フマル酸からの高いリンゴ酸生成能を示したLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 7235を用いて, この菌株の生産するフマラーゼを精製するとともにいくつかの性質を調べ, 次のような結果を得た。
     1. 供試菌の無細胞抽出液から, 除核酸, 硫安分画, クロマトフォーカシング, ゲルろ過, イオン交換クロマトの操作によって277倍の比活性に精製し, SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一の蛋白質であることが確認された。
     2. 精製フマラーゼの分子量はゲルろ過法により163,000と推定された。一方, SDS-PAGEで得られたサブユニットの分子量は52,000であることから, 夲酵素は3量体であると推定された。
     3. 夲酵素の最適pHは5.5, 最適温度は45℃で, 20~45℃の範囲で安定な活性を示した。
     4. フマル酸に対するKm, Vmaxはそれぞれ15.38 mM, 4.17 Uであった。
     5. 各種金属イオンのうち, Al3+は活性を1.6倍促進させたが, Cu2+, Zn2+は活性を阻害した。
  • 睦 宗洙, 宮本 拓, 片岡 啓, 荒木 眞由美, 米屋 武文, 瀬脇 智満
    1999 年 48 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     内蒙古原産チーズ起源のLactobacillus amylovorus IMC–1によって生産される抗菌性物質は, 乳酸菌や食品汚染細菌及び病原性細菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示した。本研究では, IMC–1株が生産する抗菌性物質の抗菌作用について検索した。
     抗菌性物質はPseudomonas fragi IFO 3458とBacillus subtilis IFO 3025に対して殺菌作用を示した。一方, Staphylococcus aureus IAM 1011に対しては抗菌作用を示した。抗菌性物質の殺菌作用に及ぼすキレート剤処理や, 塩類, 金属イオン及びツイン80の影響を調べたところ, Pseudomonas fragiに対しては, EDTA存在下での抗菌性物質の添加は殺菌作用を促進した。また, Staphylococcus aureusに対しては, 抗菌性物質のみの添加で殺菌作用が見られず, EDTAの共存下で殺菌作用が起こった。塩類や金属イオンの添加は抗菌性物質の殺菌作用に影響を及ぼさなかった。しかしツイン80は殺菌作用を促進し, 濃度が高いほどその効果が強かった。
  • 潘 道東, 李 樺, 大橋 登美男
    1999 年 48 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     本研究は, シロキクラゲ (Tremella fuciformis Berkeley) 子実体から熱水で抽出される水溶性多糖がミルク酸カードの形成に及ぼす影響について検討した。その結果, この多糖はミルク酸カードの粘度, 硬度, 破断エネルギー, 弾性率を増加し, 凝固時間及びシネレシスを減少させることを認めた。カードの微細構造について観察した結果では, この多糖はカゼインミセルに影響を及ぼし, 両者の相互作用がカードの高密度三次元的ネットワークを形成することを明らかにした。
     このネットワークによってカードの保水性が改善され, 緻密なボディをもたらされることによって割れ目やホエー排出が防止できることが示唆された。また, ミルクカード中の多糖含量によってこの影響は大きくなることが認められた。
  • 阿久澤 良造, 塚原 和之, 山崎 浩美, 沖谷 明紘
    1999 年 48 巻 2 号 p. 93-101
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     Lactococcus lactis ssp lactis IAM1198から, 各種クロマトグラフィーによってエンドベプチダーゼを精製した。本酵素は分子量が95000で, 45 kDaと52 kDaのヘテロサブユニットで構成されていると推定された。作用至適 pH, 温度はそれぞれ6.5–7.0, 35℃であった。また pH 6.0–7.0および0–35℃の条件下では安定であった。本酵素のcarbobenzoxy-L-phenylalanyl-L-arginine-4-methyl-coumaryl-7-amideおよびL-arginine-4-methyl-coumaryl-7-amideに対するKm値は, それぞれ38μMと25μMであった。本酵素はエンドペプチダーゼとアミノペプチダーゼの両活性を示した。
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