ミルクサイエンス
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48 巻, 3 号
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総説
原報
  • 五十嵐 康雄, 中村 信吾
    1999 年 48 巻 3 号 p. 181-186
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     酸カゼイン調製の際の水洗および再沈殿操作によって失われる成分とこの時のリン酸塩および2-メルカプトエタノ一ル (ME) の影響について調ベた。脱脂乳をpH4.6に調整してカゼインを沈殿させ, 2回脱イオン水または10 mM リン酸ナトリウム (pH4.6) で洗浄し, さらに溶解 (1%ME 処理), 再沈殿を3回繰り返した。洗液および再沈殿時の上澄中の蛋白質量およびその成分をそれぞれBradford法および尿素を含むポリアクリルアミドゲル電気泳動により調べた。最初の洗液中にはホエー蛋白質とγ-カゼイン, 2回目にはγ-, κ-およびβ-カゼインが含まれ, 量的にはホエー中の蛋白質の10%程度に相当した。リン酸塩の存在下ではβ-カゼインの遊離が抑制された。再沈殿時の上澄中にはγ-カゼインの他に多くの微量成分が含まれ, またME処理により上澄へのκ-カゼインの遊離が促進された。脱イオン水中ではこれに伴ってαs1-およびβ-カゼインの遊離も顕著であったが, リン酸塩の存在下ではこれらの主要カゼイン成分の遊離はわずかであった。
  • 森本 歩, 細野 明義
    1999 年 48 巻 3 号 p. 187-191
    発行日: 1999年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     本研究ではラットにおける IQ (2-amino-3-methylimidazo [4, 5-f] quinoline) の排泄に対するLactobacillus acidophilus LA2投与の効果について調べた。
     8週齢Wister系雄ラットを実験に用い, 温度22℃, 相対湿度50±5%で飼育した。各群5頭とし, 各群に1mgのIQを添加した市販の粉末試料を1日, 1匹当たり15gとし, これにLactobacillus acidophilus LA2を用いて製造した発酵乳を餌に対して0%, 20%, 40%, 60%を添加して与え, 水は自由給水とした。7日間の投与期間後に2日間にわたり糞尿を採取し, 糞尿の変異原性をSalmonella typhimurium TA98株を指標菌に用いたAmes法により調べた。
     尿中の変異原性はIQ単独投与群ではIQ無添加群に比べて有意に高い変異原性を示し (P<0.05), かつ発酵乳の投与によって糞の場合よりもさらに顕著な変異原性の上昇が確認された(P<0.05)。しかし, 糞の変異原性に関してはIQ単独投与群と発酵乳投与群との間には有意差は認められなかった。
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