本研究ではラットにおける IQ (2-amino-3-methylimidazo [4, 5-
f] quinoline) の排泄に対する
Lactobacillus acidophilus LA2投与の効果について調べた。
8週齢Wister系雄ラットを実験に用い, 温度22℃, 相対湿度50±5%で飼育した。各群5頭とし, 各群に1mgのIQを添加した市販の粉末試料を1日, 1匹当たり15gとし, これに
Lactobacillus acidophilus LA2を用いて製造した発酵乳を餌に対して0%, 20%, 40%, 60%を添加して与え, 水は自由給水とした。7日間の投与期間後に2日間にわたり糞尿を採取し, 糞尿の変異原性を
Salmonella typhimurium TA98株を指標菌に用いたAmes法により調べた。
尿中の変異原性はIQ単独投与群ではIQ無添加群に比べて有意に高い変異原性を示し (P<0.05), かつ発酵乳の投与によって糞の場合よりもさらに顕著な変異原性の上昇が確認された(P<0.05)。しかし, 糞の変異原性に関してはIQ単独投与群と発酵乳投与群との間には有意差は認められなかった。
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