ミルクサイエンス
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50 巻 , 1 号
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総説
原報
  • 秋山 久美子, 高瀬 光徳, 齋藤 忠夫, 小此木 成夫
    2001 年 50 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2001年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     高度好熱性細菌Thermus属Z-1株由来のβ-グルコシダーゼは基質特異性が広く, 強いβ-ガラクトシダーゼ活性を有している。本酵素を用いて, 高温で高濃度のラクトースを分解した際に, 糖転移反応によって生成する転移オリゴ糖の化学構造解析を1H-NMRによって分析した。
     0.88Mラクトース溶液(pH7.0)にβ-グルコシダーゼを1.4 U/ml添加し, 70℃, 120分間反応させて転移オリゴ糖を調製した。この分解液から, ゲルろ過(バイオゲルP-2) とペーパークロマトグラフィーにより分画して1H-NMRに供した。その結果, 三糖では主として3'-ガラクトシルラクトース (GL) が, その他6′-GLも転移合成されていたが, 4′-GLは確認されなかった。これらの結果より, Thermus属細菌Z-1株由来のβ-グルコシダーゼは, 主としてβ1-3結合したガラクトオリゴ糖を転移合成するのが特徴と考えられた。
  • 過剰用量摂取時における安全性についての検討
    戸羽 正道, 木村 靖浩, 藤井 康弘, 清水 精一, 川口 信三, 中澤 勇二
    2001 年 50 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2001年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     健常成人男女11名(男性6名, 女性5名:平均年齢30±9歳)を対象に, Lactobacillus plantarum ONC141株を用いて調製した市販発酵乳Mの過剰用量(600 ml/日)を, 6週間継続して摂取させた時の血液生化学指標および排便状況に及ぼす影響を検討した。健常成人男女10名に牛乳を同量摂取させた場合を対照とした。
     1日600 mlの発酵乳Mの継続摂取に伴い, 血清総コレステロール値が摂取4週目に有意に増加した。しかしこの変動は一過性であり, 牛乳摂取の場合と同様の変動であった。他の血液生化学指標についても牛乳摂取の場合と同様に変化しなかった。発酵乳摂取に伴い総排便回数の1.9%に下痢を認めたが, その頻度は牛乳摂取群(6.3%)に比べて有意に少ないものであった。排便回数, 糞便容量, 糞便の硬さについては発酵乳群および牛乳群とも変動しなかったが, 排便時の爽快感については発酵乳群で改善する傾向を認めた。その他, 試験期間中の被験者の自覚症状に問題となるものは認めなかった。
     以上の結果から, 本発酵乳を過剰用量継続摂取させた場合においても, 牛乳摂取の場合と同様に, 安全性が高いものと考えられた。
  • 五十嵐 康雄
    2001 年 50 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2001年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     脱脂乳より既報の沈殿分画法によってαs1–カゼインを分離し, その分離の過程を尿素を含むポリアクリルアミドゲル電気泳動 (Urea-PAGE) によって調べた。このαs1–カゼインを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)中, 37℃でカテプシンDによって加水分解した。Urea-PAGEによれば, この反応によって多数の分解物が観察されたが, これらの成分は未分解のαs1–カゼインと同様にトリクロロ酢酸(TCA)を2%加えることによりほとんど沈殿した。この時, 尿素を加えることによって分解産物は部分的に上澄み中に遊離するのが認められた。2%TCA-3.3M尿素を沈殿系に用い, さらにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を40 mMまで加えた時, 沈殿の形成がやや促進された。2%TCA–3.3 M尿素系に0.1%トリトンX-100を共存させた時, 分解物の上澄みへの移行が顕著であったが, 未分解のαs1–カゼインも同様に上澄みに移行した。この沈殿系にさらにEDTAを40 mMまで加えた時, 上澄みへの移行がさらに促進された。これらの結果からαs1–カゼインの酵素分解物の分画を行なう際には, 未分解のαs1–カゼインも含めてペプチド間の疎水相互作用に対する配慮が必要であると思われた。
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