ミルクサイエンス
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51 巻 , 2 号
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総説
原報
  • 荒井 威吉, 中島 景典, 丸山 千弘玲, 中村 正, 戸羽 隆宏, 浦島 匡
    2002 年 51 巻 2 号 p. 63-72
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
     イエメンでウシまたはヒツジの乳で製造される伝統的自然発酵乳ラバン(Laban)の乳酸菌および酵母の菌叢を調べた。ラバンの生菌数は平均6.4×108 cfu/ml であった。分離した乳酸菌は60菌株,酵母は24菌株であった。
     ラバン中の乳酸菌菌叢は 2 属 3 菌種 4 グループに分類され,優勢菌株として Lactococcus lactis subsp. lactis①が88%を占め,その他は Lc. lactis subsp. lactis②が 5%, Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides が 5%および Leuc. lactis が 2%の構成であった。 Lc. lactis subsp. lactis②は,優勢な菌株の Lc. lactis subsp. lactis①と数種類の糖の発酵性および資化性が異なっていたので区分して分類した。
     また酵母菌叢は 4 属 7 菌種に分類され,主要な菌種は Trichosporon sericeum の34%,Saccharomyces cerevisiae の21%および Candida kefyr の21%であり,その他は S. pastorianus が 8%,C. versatilis が 8%,C. pseudotropicalis が 4%および Zygosaccharomyces microellipsoides が 4%の構成であった。
     ラバン中に含まれる S. cerevisiae は,乳中で単一菌株のみではエタノール発酵を行わなかったが,乳酸菌との共生によってエタノールを発酵したので,ラバンの風味形成に関与していることが推定された。
     ラバンから分離した乳酸菌 4 菌種と酵母 2 菌種を用いて,10%還元脱脂乳で30℃, 5 日間の混合培養を行い,ラバンを試作した。培養 4 日後にカードの粘弾性(G′,G″およびG*)は増加し,良好な風味を形成することが認められた。
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