ミルクサイエンス
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53 巻 , 2 号
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総説
  • Gagik Akopyan, Rosa Madoyan, Eduard Dilayan, 金谷 幸一
    2004 年 53 巻 2 号 p. 37-62
    発行日: 2004年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     “NARINE”株こと Lactobacillus acidophilus Er-2 Strain 317/402は,1953年旧ソビエト連邦アルメニア共和国においてヤンゼルキャン博士により,新生児の胎便中における163種類の菌分離により発見された。その特長として,培養温度は36℃~40℃で,PH=3.0の耐酸性により胃酸や胆汁酸に強く,微好気性であり,耐熱性として,人間の体温(40℃)以上では生存しにくく,人由来のため,腸内の定着性は良好であり,毒性においても,40年以上の各種疾患,あらゆる年代の治療経験において副作用の報告はなく,プロバイオティクスの条件を満たし,かつ有用性が認められている。“NARINE”という名前は,ヤンゼルキャン博士の孫娘の名前だが,彼女が生後まもなく難治性腸炎を患っていたために,当時研究していたこの株を投与したところ,見事に回復したため,これに因んで名づけられた。残念なことに“NARINE”株に関する多くの研究が,西側諸国の学術分野において,半世紀もの間公表されてない。その理由として当時の共産圏においては普及のための宣伝活動が必要なかったことや,極限ストレス状態にある宇宙飛行士に対する“NARINE”株の使用研究などは,軍事機密として公表できなかったものと推察される。今回我々は,その臨床分野に応用された研究の一部ではあるが,レビューとして報告する機会をいただいた。この報告が,今後の日本の乳酸菌研究者における“NARINE”株の理解ならびにアルメニア共和国と日本の乳酸菌研究の発展に意義あることとなるよう希望する。
原報
  • 中野 智木, 杉元 康志, ヒッシャム R. イブラヒム, 鳥羽 保宏, 川上 浩, 青木 孝良
    2004 年 53 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 2004年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     レンネットカゼインからミセル性リン酸カルシウム(MCP)をカゼインホスホペプチドとの複合体として調製した。レンネットカゼインを脱イオン水に懸濁させ,トリプシンで加水分解した後,98℃で10分間加熱し,pH を4.6に調整して遠心分離を行った。上澄を pH 9.0に調整した後,限外濾過(Cut-off 30 kDa)で濃縮し,凍結乾燥した。得られた MCP-CPP 複合体は水に対する溶解性に優れていた。MCP-CPP 複合体の組成はペプチド63.1%,カルシウム9.2%,無機リン3.5%,有機リン3.5%であった。X 線結晶解析では MCP-CPP 複合体中にハイドロキシアパタイトの存在を示さなかった。ゲル濾過モード HPLC で分析を行ったところ,MCP 架橋複合体の存在が確認された。MCP-CPP 複合体中には CPP 以外のペプチドが含まれていたが,苦みはほとんど感じられなかった。上記と同様の方法で大量調製を試みたところ,5 kg のレンネットカゼインから1.12 kg の MCP-CPP 複合体が調製された。本研究で調製した MCP-CPP 複合体は,以前に報告したものよりカルシウムと CPP 含量がやや低かったが,CPP の調製のためのエタノールを必要としないことから,より低コストで調製できるものと思われた。
  • 西田 聡, 後藤 正巳, 阿久津 里美, 小野 真智子, 人見 能貴, 中村 智彦, 飯野 久和
    2004 年 53 巻 2 号 p. 71-80
    発行日: 2004年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     To elucidate the effect of yogurt containing Bifidobacterium lactis BB-12 (4×109 cfu/100 g, BB-12 yogurt) on the defecation for intestinal microflora,a placebo control cross-over trial was conducted. Twenty nine female adults (average age 22.0 years) were divided into two groups, and either of BB-12 yogurt or placebo yogurt without Bifidobacterium lactis BB-12 was administered at 100 g/day for 14 days. The defecation frequency (days) obviously increased during BB-12 yogurt period compared to placebo yogurt period in the subjects with mild constipation. The fecal microflora of 20 adults selected from 29 adults were studied. Increase of the number of Bifidobacterium and ratio of Bifidobacterium to total bacteria, decrease of the number of Bacteroidaceae and ratio of Bacteroidaceae to total bacteria, decrease of ratio of Enterobacteriaceae to total bacteria, improvement of fecal shape were obviously observed during BB-12 yogurt period compared to placebo yogurt period in the subjects with mild constipation. These results suggest that the yogurt containing Bifidobacterium lactis BB-12 shows to improve the defecation, intestinal microflora and intestinal environment.
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