ミルクサイエンス
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56 巻 , 1 号
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原報
  • 井越 敬司, 原 裕直, 小林 弘昌
    2007 年 56 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2007年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     ブルーチーズのタンパク質分解を明らかにするため,カビの培地としてよく使用される小麦ふすまを用い,Penicillium roqueforti KTU-11 が生産するプロテアーゼについて調べた。14日間培養後,ふすま培地よりリン酸緩衝液(pH 6.0)によって酵素が抽出され,DEAE-トヨパールにてプロテアーゼが分離された。その結果,未吸着および吸着画分よりそれぞれ 1 種類のプロテアーゼ(P1 および P2 プロテアーゼ)が分離された。P1 プロテアーゼは至適 pH を6.0,至適温度を60℃に有し,エチレンジアミンテトラアセテイトおよび 1,10-フェナンスロリンによって強く阻害されるメタルプロテアーゼであった。P2 プロテアーゼは至適 pH を 6.0,至適温度を50℃に有し,ペプスタチンによって強く阻害されるアスパルティックプロテアーゼであった。カゼインに対する作用を Sodium dodecyl sulfate 電気泳動で調べた結果,P1 プロテアーゼはカゼインを細かく分解したが,P2 プロテアーゼは 4 種類のカゼイン分解産物を生成し,そのうち一つはパラ κ-カゼインと同じくする成分であった。P2 プロテアーゼのこの分解はブルーチーズ中の分解産物と電気泳動上一致することから,P2 プロテアーゼはブルーチーズ熟成中のタンパク質分解に寄与する酵素と考えられた。
  • ─トゥブ県・アルハンガイ県・ウブルハンガイ県での事例を通して─
    平田 昌弘, 内田 健治, 元島 英雅, ダムディン バトムンフ
    2007 年 56 巻 1 号 p. 9-19
    発行日: 2007年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     本論文では,モンゴル国中央部の乳加工体系とその特徴とを把握するために,モンゴル国トゥブ県・アルハンガイ県・ウブルハンガイ県において現地調査をおこなった。その結果,現在のモンゴル国中央部のハルハ集団では,加熱クリーム分離亜系列とアルコール発酵亜系列の乳加工技術が乳加工体系の土台となっていることが明らかとなった。また,アルハンガイ県イヒ-タミィール郡では,非加熱クリーム分離亜系列,および,乳酸発酵亜系列の加工技術が発達しており,この 2 つの加工系列はモンゴル国中央部ではアルハンガイ県イヒ-タミィール郡のみに特徴的にみられる。アルハンガイ県イヒ-タミィール郡で,生乳を非加熱のままに静置する加工技術が発達した理由は,モンゴル国北部・西部のウールド集団やトバ集団,および,中国内モンゴル自治区のチャハル集団から技術伝播を受けた可能性が高いからであると考えられた。今後は,モンゴル国北部および西部におけるハルハ集団以外の牧畜民集団の乳加工体系を調査すると共に,丹念に文献研究をおこない,モンゴル国周辺地域の乳加工体系の把握をおこなう必要がある。
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